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METRIKAからCATALISTへ ―  CEO澤村が語る「変革の触媒として生きる」決

METRIKAからCATALISTへ ―  CEO澤村が語る「変革の触媒として生きる」決意

越境と創造のスイッチを押す─永井道生 × METRIK

イノベーションの創出には具体と抽象を行き来する活動が欠かせません。今回のMETRIKA withでは、NECや三菱電機の経営戦略室で数多くの新規事業を立ち上げ、現在は複数企業のCxOや社外支援を務める永井道生氏と、大学発の知性を起点に産業構造の変革に取り組むMETRIKAが、「越境」と「創造」の本質について語り合いました。偶然のように見えて必然だった両者の交差点から、組織を越えて新しい価値を生み出すためのヒントを探ります。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/7677_c9e17148fd/7677_c9e17148fd.jpg" alt="7677.jpg" width="8256" height="6192"><h1>1. クリエイティブと情熱が交差する出発点</h1>澤村：最初に伺いたいのですが、永井さんから見た私たちMETRIKAというチームはどんな印象でしたか？一緒にプロジェクトを進める中で、記憶に残っていることなどがあればぜひ教えてください。永井：まず印象的だったのは、皆さんの情熱です。打ち合わせの中でも、言葉の端々から「本気で取り組んでいる」というのが伝わってきました。熱があるだけでなく、構造や問いの質にもこだわっている。それがとても印象的でした。野尻：ありがとうございます。私たちも永井さんの問いの立て方に刺激を受けていて、議論のテンポがとても心地よかったのを覚えています。「あ、そういう切り口で考えるのか」と思わされることが何度もありました。永井：問いの力って大きいですよね。曖昧な前提を壊すことで、思考の幅が一気に広がる。熱意だけでもダメ、構造だけでも動けない。だからこそ、「越境」的な視点が鍵になるんです。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/7734_4791714c1a/7734_4791714c1a.jpg" alt="7734.jpg" width="8256" height="6192"><h1>2. 日本企業の変革と「越境」の壁</h1>澤村：日本企業って、越境に対する感度がまだ鈍いように感じるんです。クリエイティブとビジネスを切り分けて捉える傾向が根強くて。現場が変わらない限り、いくらトップが変革を唱えても動き出せない構造がある。永井：それは本当にそうで、「やりたくない」のではなく「やれない」構造になってしまっている。高度経済成長期の成功体験から、細分化と専門分化が進みすぎた結果、新しいことに挑戦しにくくなっているんです。北岡：しかも「失敗しないこと」が評価されがちですよね。違う視点や新しい方法論を提示しても、既存の枠組みから外れると受け入れられにくい。永井：越境って、単に新しい領域に踏み出すことじゃなくて、まずは自分たちの中にある「壁」に気づくこと。越境の第一歩は、その「無意識の制限」に自覚的になることから始まるんです。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/7769_a8e690ec7b/7769_a8e690ec7b.jpg" alt="7769.jpg" width="8256" height="6192"><h1>3. 好奇心が越境の原動力になるとき</h1>澤村：僕が大企業を卒業してスタートアップを始めた理由の一つが、「好奇心に忠実でいられない」と思ったからでした。組織の合理性が優先されすぎて、「今すぐやってみたい」という感情に即反応できなかった。永井：面白いことって、たいてい「まだ誰もやっていないこと」から始まるんですよね。そこには理屈より先に、個人の好奇心がある。だからこそ、組織としても偶然やひらめきが生まれる「場」を意図的につくる必要がある。北岡：合理性の手前にある「ちょっと気になる」を大事にしたいですよね。好奇心が許容される環境こそが、変化や越境を育む土壌だと思います。永井：「偶然を意図的に設計する」─これは私がずっと意識していることです。セレンディピティは偶発的なもののようでいて、実はかなり戦略的につくることができるんです。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/7718_7975188d60/7718_7975188d60.jpg" alt="7718.jpg" width="8256" height="6192"><h1>4. セレンディピティを仕掛ける組織のつくり方</h1>澤村：最近、製造業界の大手企業と「他流試合やりましょう」という話をしたんです。自分のフィールド外の視点を持ち込むような場を、意図的につくっていこうと。永井：それこそが「越境の価値」ですね。異なる領域や背景を持つ人たちが混ざることで、自分たちの前提が壊され、新しい視点が生まれる。だから「混ざる設計」は極めて重要です。野尻：私たちもプロジェクトごとに外部の視点を取り入れるようにしています。ただ混ぜればいいわけじゃなくて、「どんな体験を通じて混ざるか」まで考えて設計しないと機能しません。永井：まさに。空間やスケジュールだけでなく、人の感情の動きまで含めた「場のデザイン」が重要なんです。偶然に見える出会いを、どう仕掛けるか。それが組織の腕の見せどころです。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/7764_8a77860023/7764_8a77860023.jpg" alt="7764.jpg" width="8256" height="6192"><h1>5. ユーザー視点が生んだ「越境」の実感</h1>野尻：実は私も、やっていたら自然と越境していた、という実感があります。ユーザーのリアルな声を聞いていたら、必要に迫られて構造を超えていたという感じです。永井：私も同じで、携帯端末の開発に携わっていたとき、実際にそれがユーザーに使われている様子を見てすごく感動した。それが、商品企画に興味を持つきっかけでした。北岡：ユーザーの生活に入り込もうとすると、企画や開発などの部門の境界ってどんどん意味を失っていきますよね。最終的には「ユーザーがどう感じるか」に尽きる。永井：だからこそ私はカラーコーディネーターの資格まで取って、実際にユーザーのカバンの中を見せてもらったりもしました。机上のロジックでは越えられないリアルがあるんです。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/5052_4bf6dc2cff/5052_4bf6dc2cff.jpg" alt="5052.jpg" width="8256" height="6192"><h1>6. 越境とセレンディピティの未来へ</h1>澤村：「自分の好奇心に忠実でいること」って、やっぱり越境の第一歩なんですよね。組織の中でも、そうした動きを応援できる文化をつくっていきたいと思っています。永井：越境もセレンディピティも、結局は「出会いの装置」なんです。知らなかった誰かとつながることで、新しい行動や価値が生まれる。それをもっと広げていきたい。野尻：そのためには、まず自分から動くことですね。動いて、話して、つながる。その積み重ねが、結果的にイノベーションにつながっていく。永井：越境の「怖さ」ではなく「面白さ」を感じられる人が増えるといいですね。私たちができるのは、そのための土壌や仕掛けを丁寧につくっていくことです。<hr>

越境と創造のスイッチを押す─永井道生 × METRIKA

国家公務員から海外ビジネス、そしてデータサイエンスへ─“人”に向き合い続けるキャリアの軌

METRIKAで活躍するスタッフ（通称、METRIKAN）はどんな人たちなのか、そのパーソナリティを紐解く連載企画。今回は、国税局員からデータサイエンティストと180度違うジョブチェンジをし、現在はMETRIKAでデータサイエンティストチームのマネジメントを担当している大和田に、これまでのキャリア、METRIKAへの参画理由、今後の展望について話を伺いました。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9542_0b62ca5cf9/9542_0b62ca5cf9.jpg" alt="9542.jpg" width="2048" height="1536"><h1>これまでのキャリアと、METRIKAでの役割について教えてください</h1>私のファーストキャリアは国家公務員で、1年間国税局で勤めていました。その後、海外インターンシップでお世話になった日系子会社の立ち上げのために、海外事業立ち上げにチャレンジしました。大学の頃から海外志向が強く、ミャンマー進出コンサルティングの日系企業で海外インターンをした経験があり、その頃の韓国人上司に改めて声をかけてもらったことで海外事業立ち上げにチャレンジしようと思いました。海外事業マネージャーとしてベトナムとミャンマーにそれぞれで2年半勤務しました。ベトナムでは毎日のようにビルが建設され、経済的に急成長する中で、様々なチャレンジをさせていただきました。当時のミャンマーでは、紙媒体で情報を取得するのをすっ飛ばして、スマホで情報を取得する時代で、Facebookでの広告を用いたマーケティングを模索したことが印象に残っています。その模索の中で、これからはデータやテクノロジーの力がないと競争に勝てないな、と強く感じました。それがデータサイエンスのキャリアを志すようになったきっかけでもあります。その後、データサイエンスの新規事業立ち上げやHR系のデータ分析・プロダクト開発等を経て、METRIKAに参画しました。METRIKAではデータサイエンスチームのマネジメントをしていて、現在プロジェクトとしては、<a target="_blank" rel="" href="https://www.metrika.jp/blogs/20250325">横浜ゴム</a>様の打音による空気圧予測、<a target="_blank" rel="" href="https://www.metrika.jp/blogs/20241202">豊田自動織機</a>様をはじめとしたDX人材育成、関西地域のあるSIer企業のマッチングアルゴリズム開発など人材育成・研修関連の案件と分析案件に関わっています。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9563_5b40d1ce67/9563_5b40d1ce67.jpg" alt="9563.jpg" width="2048" height="1536"><h1>METRIKAで働く上で特に魅力を感じている点はなんですか？</h1>METRIKAの最大の魅力は、メンバー各々が尖った専門性を持ちつつも、その境界にとらわれないで働くメンバーが多いので、常に刺激をもらえるところです。様々なテーマの案件をいただけるので、自分の領域の外側を見ることができますし、刺激を受けます。それぞれのメンバーが、外部の視点ではなくお客様目線に立って、お客様がやるべきだと思うことはまっすぐ遠慮なく対等に伝え、パートナーとしてしっかり伴走する。それが顧客からの信頼にも繋がっている理由だなと思います。ただその分、お客様からの期待も大きく、「この人たちとやると何か面白いことができそうだ」と期待をいただくことが多いので、その期待値を超えるためにメンバーが高めあって自分の最高のパフォーマンスを発揮しようと日々取り組んでいます。データサイエンスチームの中でも、メンバーの得意不得意がある中で、それぞれが大事にしているものを尊重し、プロジェクトに向き合える環境づくりをするように意識しています。またMETRIKAの働き方は、基本的にオンラインが中心で時間や場所に制約がないので、非常に自由度が高いと思います。海外に在住しているメンバーも多く、現在事業開発部門にはドイツ、エンジニアリング部門にはアメリカ、データサイエンス部門にはフランスと世界各国からメンバーが参画しています。プロジェクトが忙しい時には遅くまで働くこともありますが、そのおかげで時間の使い方には裁量がある形で動いています。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9607_9853f3741c/9607_9853f3741c.jpg" alt="9607.jpg" width="2048" height="1536"><h1>METRIKAのプロジェクトの中で直面したチャレンジがあれば教えてください</h1>METRIKAでは難易度の高いプロジェクトが多いですが、その中でも様々なデータを扱ったものはよりチャレンジングだと感じました。音声データや熱データという、物理や化学の理系知識が求められるテーマに取り組んだのは初めてで、分析プロセスの理解で苦労もありましたが、それ以上に新しい発見や学びが多い貴重な経験でした。METRIKAには文系バックグラウンドのメンバーも多くいます。理系出身のメンバーは実験や定量的な検証を得意とし、文系出身者はビジネスストーリーの構築が得意だったりするので、それぞれが補完し合う形でプロジェクトを推進しています。こうした多様な視点を活かしながら、METRIKAでは分析だけでなく、ビジネス全体のデザインに始まり、仮説構築から施策への落とし込みまで一貫して関わることが多いのが特徴です。まだまだベンチャー企業なので、契約関連や開発環境など整ってないところは確かにあります。裏を返すと、自分がやりたいことや想いがあればそれだけチャンスを作っていくこともできるので、整っていない中でも自分で考えて動ける、そこに面白さを感じることができる方にはおすすめです。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9619_e4522a1f01/9619_e4522a1f01.jpg" alt="9619.jpg" width="2048" height="1536"><h1>働くうえで大切にしている価値観と、それを実現するための取り組みについて。</h1>大学時代に初めて東南アジアを旅行した際、「生まれた場所が違うだけで、貧しい環境に置かれている人がいる」という現実を目の当たりにしました。その体験をきっかけに、恵まれた環境で育った自分に何ができるのかを真剣に考えるようになり、自分の強みである「データを活用したビジネス」を通じて、そうした人々に価値を還元できる存在になりたいという思いを持つようになりました。その第一歩として、まずは日本企業のデータ活用力を高めることに貢献したいと考えています。これまで高品質なプロダクトを海外に提供してきた日本企業が、さらにデータ活用の力を高めることで、結果的に他国への支援や価値の還元にもつながると信じているからです。現在は、さまざまな業界のデータに触れながら自分の引き出しを増やすべく、情熱を持って日本企業を支援しているMETRIKAで日々業務に取り組んでいます。また、変化の激しいデータサイエンス分野で継続的にスキルを高めるため、社内のデータサイエンスチームでは月に一度、各メンバーが知見を共有する勉強会を開催しています。今後はさらに、技術力向上を目的とした社内コンペティションなども企画し、メンバー同士が刺激し合いながら成長できる環境づくりを進めていきたいと考えています。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9525_da06764cb7/9525_da06764cb7.jpg" alt="9525.jpg" width="2048" height="1536"><h1>応募を考えている、将来のMETRIKANへアドバイスをお願いします。</h1>METRIKAには、「やりたい」という想いがあればそれを実行に移せるだけの柔軟さと土壌があります。優秀なメンバーが集まっているだけでなく、お互いの挑戦や成長を支え合う文化が根付いているのもMETRIKAの大きな魅力です。誰かが「こんなことをやってみたい」と声を上げたときには、チーム全体でネットワークを活かして支援する、といった場面も多く見られます。また、エンジニアにとっては、どのプロジェクトに関わるかがスキルアップに直結します。METRIKAでは、可能な限りメンバーの興味やチャレンジしたい分野に沿ってプロジェクトがアサインされるよう工夫しているため、面談などでぜひご自身の関心や目指したい方向についても共有していただければと思います。そして何より、METRIKAで活躍している人たちに共通しているのは「学びに前向きであること」です。技術の変化が早いこの業界では、常にアンテナを張って新しいものに取り組む姿勢が大切です。そんな意欲的な仲間たちと切磋琢磨しながら、高いレベルで仕事を楽しめる環境がここにはあります。<hr>creditライティング：村田莉野 編集・監修：尾崎誠 写真撮影：<a target="_blank" rel="" class="OYPEnA font-feature-liga-off font-feature-clig-off font-feature-calt-off text-decoration-underline text-strikethrough-none" href="https://www.eichitano.com">田野英知</a>

国家公務員から海外ビジネス、そしてデータサイエンスへ─“人”に向き合い続けるキャリアの軌跡

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DXの第二フェーズへ─   ：製造業における変革とその推進者たちの挑戦【後編

<h2>4.「新しい価値の創造」─DXの第二フェーズへ</h2>「踊ること」だけでは不十分澤村（METRIKA）： 「ここまでの話では、『踊る人とフォロワーを増やし、デジタルをインフラ化することがDXの定着に重要だ』という話をしてきました。でも、それだけでは不十分で、最終的には"新しい価値"を生み出さなければDXは成功とは言えないんですよね。」山田（村田製作所）： 「そうですね。業務効率化はあくまでDXの第一段階に過ぎません。例えば、今まで30人でやっていた業務を3人でできるようになったとしましょう。でも、それで生まれた時間を何に使うのかが問われるんです。DXが目指すべきは、単なる効率化ではなく、新たな市場を作り、企業の価値を高めることです。」太古（ダイハツ工業）： 「まさにそうですね。DXの先にあるのは、新しい製品、新しいサービス、新しいビジネスモデルの創出です。ただ効率化して、余った時間をそのまま放置していては意味がない。『これまでできなかったことが、デジタルの力で可能になる』という視点が重要です。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9960_dccab1fc3e/9960_dccab1fc3e.jpg" alt="9960.jpg" width="8016" height="6012">澤村（METRIKA）： 「では、新しい価値を生み出すには、具体的にどんなアプローチが必要でしょうか？」山田（村田製作所）： 「私は、"顧客体験の向上"がキーになると思っています。例えば、製造業のDXで言えば、単に工場の生産効率を上げるだけではなく、デジタル技術を活用して、よりパーソナライズされた製品を提供することができますよね。データを活用して顧客のニーズを的確に捉え、"顧客が本当に求めているもの"を提供できる企業が、次の時代で勝ち残ると思います。」太古（ダイハツ工業）： 「それに加えて、"データを活用したサービスの拡張"もポイントですね。たとえば、自動車業界では、クルマを売るだけでなく、走行データを活用したサブスクリプション型のサービスや、予防保全を提供するような仕組みが出てきています。DXによって"モノ"から"サービス"へとビジネスモデルを変革することが可能になります。」澤村（METRIKA）： 「なるほど、つまり、DXを通じて"プロダクトを提供する企業"から"体験を提供する企業"へとシフトすることが、これからの競争優位性につながるということですね。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9893_0ec90575af/9893_0ec90575af.jpg" alt="9893.jpg" width="8172" height="6129">澤村（METRIKA）： 「DXの成功事例として、新しい市場を生み出した例はありますか？」山田（村田製作所）： 「例えば、産業機械の分野では、今まで単に機械を販売していた企業が、DXを活用して"設備の予兆保全"という新しい価値を提供するようになっています。これは、IoTとAIを活用し、設備の故障を未然に防ぐことで、"モノを売る"から"安定稼働を保証する"という新たな市場を生み出した好例です。」太古（ダイハツ工業）： 「また、自動車業界でも、"所有"から"利用"へというパラダイムシフトが進んでいます。カーシェアやサブスクリプション型のサービスが普及しつつあり、これもDXがもたらした新しい市場の一つです。」澤村（METRIKA）： 「なるほど、DXによって、"単にモノを売る"というモデルから、"顧客の課題を解決する"というモデルへと移行しているわけですね。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1429_2f8b894fa8/1429_2f8b894fa8.jpg" alt="1429.jpg" width="7292" height="4102"><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/BLOG_BA_2_d35b0df5cf/BLOG_BA_2_d35b0df5cf.jpg" alt="BLOG BA (2).jpg" width="1920" height="600"><hr><hr><h2>5.「評価と持続可能なDX」─変革を続けるための仕組みとは。</h2>DXの評価基準はどうあるべきか？澤村（METRIKA）： 「DXを進める上で、よく話題に上がるのが"DXの評価"なんですよね。『この取り組みは本当に効果があったのか？』『どのように評価すべきか？』という課題は、多くの企業が抱えています。」山田（村田製作所）： 「ええ、特に製造業では、ROI（投資対効果）を求められることが多いですね。例えば、DXプロジェクトを進めた結果、『売上がどれだけ伸びたのか？』『コスト削減効果は？』といった数字を求められます。しかし、DXは長期的な取り組みであり、短期的なROIだけで評価するのは適切ではないと私は考えています。」太古（ダイハツ工業）： 「同感です。DXは"転ばぬ先の杖"のようなもので、短期的なリターンが見えにくいことが多い。でも、それがないと未来の競争に勝てない。例えば、データガバナンスの整備やデータインテグリティの確保などは、すぐに利益を生まないかもしれませんが、将来的には企業の基盤を支える重要な要素になります。」澤村（METRIKA）： 「つまり、DXの評価基準として、短期的な利益だけではなく、"長期的な企業価値への貢献"をどう測るかが鍵になるということですね。たとえば、『新しい市場を創出できたか？』『業務の質が向上したか？』といった、定性的な指標も評価に加えるべきだと考えます。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9905_51624e3234/9905_51624e3234.jpg" alt="9905.jpg" width="7671" height="5753">山田（村田製作所）： 「DXが一過性のブームで終わってしまう企業の共通点として、"DX担当者だけが頑張っている"という状態があります。これは本当に危険で、組織全体としてDXを受け入れる文化がなければ、持続可能な変革にはなりません。」太古（ダイハツ工業）： 「わかります。DXの成功事例を見ると、"フォロワー"を増やす仕組みを持っている企業が多いんですよね。最初の成功事例を作り、それを社内で展開することで、"自分たちもやってみよう"という動きが生まれる。DXは『全員が一斉にやるものではない』ですが、"成功を見せることで自然と広がる"仕組みを作ることが重要です。」澤村（METRIKA）： 「それを考えると、DXの評価は"継続的な変革を生み出しているか"という視点も必要ですね。例えば、社内で"DXの成功事例をシェアする場を設ける"ことで、学習効果を高めるといった取り組みも有効です。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9942_762fd41209/9942_762fd41209.jpg" alt="9942.jpg" width="8178" height="6133">澤村（METRIKA）： 「もうひとつ重要なのが、DXを推進する人材の評価とキャリアパスの問題です。企業によっては、DXに挑戦した人が適切に評価されず、"やっても意味がない"という空気になってしまうこともあります。」山田（村田製作所）： 「それはありますね。DXを推進する人は、従来の評価基準では測れない貢献をしていることが多いんです。たとえば、『データ基盤を整えた』とか、『業務の標準化を進めた』というのは、すぐに売上に直結するものではありませんが、長期的には企業の競争力を大きく高める要素になります。」太古（ダイハツ工業）： 「そういう人たちを評価し、"DXに取り組むことがキャリアアップにつながる"というメッセージを企業が発信することが大事ですね。DXは、IT部門だけでなく、事業部門でも推進されるべきものであり、それを担う人たちが『報われる』環境を作らないと、結局誰もやりたがらなくなります。」澤村（METRIKA）： 「DX推進者の"市場価値"を高めるという視点も必要ですよね。日本企業の課題の一つに、データサイエンティストやDX人材の社内評価が低く、転職市場と乖離しているという点があります。DXに取り組む人が"社内では評価されないが、市場では高評価"という状態になると、優秀な人材が流出してしまう。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9947_89fc5ee538/9947_89fc5ee538.jpg" alt="9947.jpg" width="8050" height="6038"><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/BLOG_BA_3_3670c80b0d/BLOG_BA_3_3670c80b0d.jpg" alt="BLOG BA (3).jpg" width="1920" height="600"><hr><h2>6.「DXの真の成功とは何か？」─未来を創る変革者たちへのエール</h2>DXはゴールではなく、進化し続けるプロセス澤村（METRIKA）： 「これまでの議論を振り返ると、DXは決して『システムを導入すれば終わる』というものではないことが明確になりましたね。むしろ、DXは企業が進化し続けるためのプロセスであり、ゴールのない取り組みなんだと改めて感じました。」山田（村田製作所）： 「本当にその通りですね。多くの企業は、DXを『ITシステムを導入して終わり』のプロジェクトとして捉えてしまいがちですが、それでは持続的な競争力は生まれません。DXの成功とは、新しい価値を生み出し、それを継続的に進化させていくことなんですよね。」太古（ダイハツ工業）： 「そうそう。DXは『変革のきっかけ』であって、最終目的ではないんです。DXを導入しても、その企業が市場で価値を提供し続けられなければ意味がない。だからこそ、DXの成果を短期的なROIだけで測るのではなく、長期的な視点で見ていく必要がある。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9983_d4caf901c5/9983_d4caf901c5.jpg" alt="9983.jpg" width="8238" height="6178">澤村（METRIKA）： 「では、これからDXを進める企業にとって、どんな方向性を目指すべきでしょうか？」山田（村田製作所）： 「私は、企業が"未来の当たり前を創る"という視点を持つことが重要だと思います。現在の業界の常識にとらわれず、"5年後、10年後に何が求められるのか？"を考えて、それをDXを通じて形にする。そうした企業こそが、本当の意味でDXに成功するのではないでしょうか。」太古（ダイハツ工業）： 「その通りですね。私は、企業が"デジタルを前提とした組織"に進化することが最終的なゴールだと考えています。デジタルを活用するのが特別なことではなく、企業活動の一部として自然に溶け込んでいる状態。そうなったとき、DXは真に成功したと言えるのではないでしょうか。」澤村（METRIKA）： 「なるほど。つまり、DXが単なるプロジェクトではなく、企業文化として定着し、"デジタルの活用が当たり前"という状態を目指すことが大事ですね。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9966_a06d2e55f0/9966_a06d2e55f0.jpg" alt="9966.jpg" width="8176" height="6132">澤村（METRIKA）： 「最後に、DXに取り組む"変革者たち"に向け、エールを送りたいと思います。」山田（村田製作所）： 「DXを進めるには、社内外からのさまざまな障壁に直面することがあると思います。でも、変革はいつの時代も"最初に踊る人"から始まるものです。最初は孤独に感じるかもしれませんが、そこに共感するフォロワーが増えていけば、必ず組織を動かすムーブメントになります。だからこそ、"踊り続けること"を諦めないでほしいですね。」太古（ダイハツ工業）： 「私は、DXを推進する人たちには"変革の楽しさ"を知ってほしいと思っています。DXの推進は、決して簡単なものではありませんが、その中で小さな成功を積み重ねることで、組織が少しずつ変わっていく。その変化の瞬間を目の当たりにすると、"やってよかった"と思えるはずです。」澤村（METRIKA）： 「私自身も、企業のDXを支援する立場として、変革の難しさと、それ以上にある面白さを実感しています。DXは単なるデジタル化ではなく、"未来の価値を創造する"という壮大な取り組みです。だからこそ、"一歩を踏み出す勇気"を持ち続けてほしいですね。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9888_3537143d58/9888_3537143d58.jpg" alt="9888.jpg" width="8239" height="6179"><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/BLOG_BA_5_14bdb0bd0d/BLOG_BA_5_14bdb0bd0d.jpg" alt="BLOG BA (5).jpg" width="1920" height="600">

DXの第二フェーズへ─   ：製造業における変革とその推進者たちの挑戦【後編】

DXの第二フェーズへ─   ：製造業における変革とその推進者たちの挑戦【前編

<h2>1. DX の本質とは ─ 組織変革と価値創造の視点</h2>DXを単なるツール導入で終わらせず、”組織変革”に導くためには？澤村（METRIKA）： 「DXという言葉が使われるようになって久しいですが、"デジタルを活用して何をするのか"という本質が置き去りにされている場面も多いと感じます。ITツールを導入すればDXになるわけではなくて、企業の提供価値をどう変えるのか、組織をどう変革するのかが本当のテーマだと思っています。特に日本の製造業では、“カイゼン“という日々の最適化・効率化には強みがありますが、DXで問われているのは“未来に向けた企業のありたい姿“を描き、そこへ飛躍するための変革です。カイゼンは“今この瞬間の課題をどう良くするか“に焦点を当てますが、DXは“未来にどんな価値を生み出すか“を出発点とします。」山田（村田製作所）： 「まさにそうですね。この構造の違いを意識せずに、DXを従来の延長線上で捉えてしまうと、ツール導入や自動化で満足してしまい、本質的な価値創造には至らない危険があります。DXの本質は"変革"にあるはずなのに、"効率化"や"業務改善"にとどまってしまう企業が多い。製造業においても、単なる自動化ではなく、新しい価値創造のためのデジタル活用が求められるんです。そう考えると、DXを成功させるためには企業ごとにビジョンが不可欠ですよね。」太古（ダイハツ工業）： 「そうなんですよね。DXに取り組んでいる企業は増えているけれど、"とりあえずAIを導入しました"みたいな話を聞くことも多いです。でも、どんな未来を目指すのかが明確でないと、せっかくのデジタルも意味を成さないんですよ。例えば、"5年後にこんな世界になる"というビジョンがあってこそ、それに向かって技術をどう活用するかを考えられる。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9919_c03ce98edd/9919_c03ce98edd.jpg" alt="9919.jpg" width="8176" height="6132">澤村（METRIKA）：「DXの取り組みでよく見かけるのが、"DX戦略"という名のシステム導入計画です。ERPを入れました、AIを活用します、データ基盤を作ります、みたいな。でも、それが何のためにあるのかが曖昧だと、現場では『IT部門の仕事であって、自分の仕事ではない』としか思われないんですよね。」山田（村田製作所）：「それ、すごく共感します。データ基盤を作ること自体は大事なんですけど、それが最終目的になってしまうと意味がない。やっぱり、企業が何を目指すのか、"ビッグピクチャー"を持つことが重要ですね。」太古（ダイハツ工業）：「その通りですね。私は常々、DXには"山の山頂を決める"ことが必要だと言っています。どこを目指すのかが決まっていれば、そこに向かうために必要な技術やプロセスが見えてくる。でも、山頂が決まっていないと、どこに向かうのかわからず、各部門がバラバラに動いてしまうんです。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9977_926b586675/9977_926b586675.jpg" alt="9977.jpg" width="7793" height="5845">澤村（METRIKA）：「例えば、"DXを進めます"と経営層が旗を振るとします。でも、それが具体的に何を意味するのかが現場に伝わらなければ、結局は個々の部門で好き勝手に進めてしまう。"ビジョンを示し、それを現場が理解しやすい形に落とし込む"というプロセスが欠かせませんよね。」山田（村田製作所）：「ええ、特に製造業では、デジタルの活用が"本当に現場のためになっているのか"を考えないといけない。現場にとって使いにくいシステムを導入しても、それは単なる"デジタル負担"になってしまいます。」太古（ダイハツ工業）：「そうそう。だからこそ、DXを推進する側の人間が、現場を巻き込んで"デジタルがもたらす価値"をちゃんと伝えることが重要なんですよ。『このシステムを使えば、あなたの仕事がこう変わる』と具体的に示せるかどうかが鍵になりますね。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9958_1445ae3b51/9958_1445ae3b51.jpg" alt="9958.jpg" width="8223" height="6167"><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1_fa812c694f/1_fa812c694f.svg" alt="第1章.svg" width="1920" height="600"><hr><hr><h2>2.「踊る人」と「フォロワー」─変革を生み出すムーブメントとは</h2>「現場で踊れる”アホ”が必要」澤村（METRIKA）： 「DXにおいては、最初に動く人、つまり『踊る人』が重要です。ただし、踊るだけでは意味がなく、その踊りに共感し、一緒に踊るフォロワーが増えなければムーブメントは起きません。最初のフォロワーがついて初めて、"これは価値があるものだ"という認識が広がるんですよね。」太古（ダイハツ工業）： 「いや、本当にその通りで。私も何度も踊ってきましたけど、現場で踊れる”アホ”がいないとDXは動かない（笑）。トップダウンで『DXをやれ』と言われても、現場の人間が動かなければ実態としては何も変わりません。だから、"踊り方を知っている人"がいることが大事なんですよ。」山田（村田製作所）： 「踊る人がいないDXは、結局『計画』のままで終わります。例えば、データ活用やAI導入の計画があったとしても、実際にデータを触り、試し、社内に広めていく人がいないと、何も始まらない。だからこそ、"最初の一歩を踏み出せる人"が組織には必要なんですよね。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9934_a0e012d962/9934_a0e012d962.jpg" alt="9934.jpg" width="8178" height="6133">澤村（METRIKA）： 「『踊る人』が出てくるのは良いことですが、それだけでは不十分です。本当に重要なのは、"2人目のフォロワー"なんです。」太古（ダイハツ工業）： 「そうですね。1人が踊っているだけだと、『あいつは変わったやつだな』で終わる。でも、もう1人、同じように踊る人が現れると、"これは流れになるかもしれない"という空気が生まれる。そうすると、3人目、4人目とフォロワーが増え、やがてDXが社内で広がるんです。」山田（村田製作所）： これは社会学的にも証明されていて、最初のフォロワーこそが"変革の火種" になる。組織においても、最初の 1人が踊り、そこにもう 1人が加わることで、『この変化は本物かもしれない』という認識が生まれます。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9929_871193cf55/9929_871193cf55.jpg" alt="9929.jpg" width="8174" height="6131">澤村（METRIKA）： 「ここで気をつけなければいけないのは、DXを全員に強制する必要はないということです。DXはムーブメントとして広がるものであって、最初から100％の社員を巻き込もうとすると、むしろ失敗しやすい。」太古（ダイハツ工業）： 「そうそう。DXは『全員で一斉にやるもの』ではなく、『やりたい人が先に走り、フォロワーが自然と増えていくもの』なんですよね。企業文化にもよりますが、最初の20％の人たちが強烈に推進すれば、残りの人たちは徐々に追随していきます。」山田（村田製作所）： 「逆に、DXの意義を理解していない人たちを無理に巻き込もうとすると、変革の足かせになってしまうこともある。それよりも、"変化を起こしたい人"を見つけて、その人たちがリーダーシップを取ることが大切です。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9972_3b340953db/9972_3b340953db.jpg" alt="9972.jpg" width="8238" height="6179"><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/BLOG_BA_7cf4419220/BLOG_BA_7cf4419220.jpg" alt="BLOG BA.jpg" width="1920" height="600"><hr><h2>3.「デジタルはインフラである」─DXを定着させるための考え方</h2>デジタルは「専門家のもの」ではない澤村（METRIKA）： 「DXが定着しない理由の一つに、"デジタルはIT部門のもの"という認識が根強いことが挙げられます。実際、多くの製造業では、DXといえばデータサイエンス部門やIT部門の仕事になりがちです。しかし、本来DXは全員が関わるべきものなんですよね。」山田（村田製作所）： 「わかります。データサイエンスやデジタル技術は、特別な知識を持った人だけが扱うものではなく、すべての社員が自然に使える環境を作るべきなんです。例えば、スマートフォンが普及する過程を考えてみると、初めは一部の人しか使っていなかったのが、今では誰もが当たり前のように活用していますよね。DXもそれと同じで、企業のインフラとして自然に使われるものにしないといけない。」太古（ダイハツ工業）： 「そうなんですよ。DXは人を変えるものではなく、環境を変えることで自然と使われるものにしなければならない。たとえば、スマートフォンのOSのアップデートが行われると、私たちは意識せずにその変化を受け入れますよね。企業のデジタル環境も、そうした自然な変化として浸透させることが重要です。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9976_5b75ce4514/9976_5b75ce4514.jpg" alt="9976.jpg" width="8238" height="6179">澤村（METRIKA）： 「DXをインフラとして定着させるためには、"デジタルを使うことが当たり前"という状態を作らなければいけませんよね。例えば、業務でエクセルを使うのと同じように、データ分析ツールを自然と使う環境を整えることが理想的です。」山田（村田製作所）： 「その通りです。デジタルツールの導入に対して、『学ぶのが大変』という声はどの企業でもあります。でも、これは環境の問題なんです。例えば、スマホを使うために特別な研修を受ける人はいませんよね。デジタルが"学ぶべきもの"ではなく、"日常の一部"になれば、DXは自然と浸透する。」太古（ダイハツ工業）： 「デジタルを特別なものにしない、というのは本当に大切な視点ですね。データ活用にしても、『専門家だけが扱うもの』という発想をやめて、すべての社員が自然に使える仕組みを作ることが大事。たとえば、データを誰もが簡単に引き出せる環境を整えれば、特別なスキルがなくても業務の中で活用できるようになるんですよ。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9931_10dd7b5448/9931_10dd7b5448.jpg" alt="9931.jpg" width="8177" height="6133">澤村（METRIKA）： 「最近、市民開発（CitizenDevelopment）という考え方が注目されていますよね。これは、プログラミングやデータ分析の専門知識がなくても、一般の社員が業務に必要なツールやアプリを作れるようにするという動きですね。」山田（村田製作所）： 「はい。例えば、ノーコードやローコードのツールを活用すれば、現場の担当者が自分で業務のデジタル化を進めることができる。"デジタルの専門家がいなくても現場でDXが進む"という状態を作ることが、DXのインフラ化において非常に重要です。」太古（ダイハツ工業）： 「DXが進まない企業の共通点として、『専門家がいないからできない』という考え方が根強いことが挙げられます。でも、専門家がいなくてもデジタル化が進む環境を作れば、すべての社員がDXに貢献できるようになります。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9953_6089f29992/9953_6089f29992.jpg" alt="9953.jpg" width="8223" height="6167"><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/BLOG_BA_1_1_cec4dd4017/BLOG_BA_1_1_cec4dd4017.jpg" alt="BLOG BA (1) (1).jpg" width="1920" height="600">

DXの第二フェーズへ─   ：製造業における変革とその推進者たちの挑戦【前編】

METRIKA x 横浜ゴム株式会社  「打音から空気圧予測が可能な技術の開発、DXが加速する日本の製造業の未来

METRIKAは横浜ゴム株式会社様と協業し、タイヤを叩いた音から空気圧を一定程度予測するモデルを構築することができました。今後は打音から空気圧を判定するシステムをアプリとして実装し、現場スタッフなどが始業時に簡単に空気圧を確認点検できるようになる見込みです。現場での課題感やさらに進んでいく同社のDXについて詳しくお話しをお伺いしました。 参照プレスリリース：<a target="_blank" rel="" href="https://www.y-yokohama.com/release/?id=4463&amp;lang=ja">METRIKA、横浜ゴム株式会社とAIでタイヤ打音から空気圧を判定する技術を開発 </a><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9292_b0794b3bf6/9292_b0794b3bf6.jpg" alt="9292.jpg" width="2048" height="1536"><h2>Q：はじめに、皆様の自己紹介をお願いいたします。</h2>荒木氏：2006年の秋に入社し、現在は製品企画に携わっております。 最初は販促支援として営業の販売サポートや指導を担当し、その後、製品企画部門で要求仕様書の作成、評価プログラムの検討、外注先のマネジメントなどを行ってきました。湯本氏：1990年に入社し、7年間北米にある子会社の管理業務に従事した後、7年間アメリカに駐在し、マーケティングや商品企画を担当していました。 帰国後は、乗用車用スタッドレスタイヤやSUV系タイヤの商品企画を担当し、ロシア市場での販売が好調だったことを受け、現地で営業責任者を務めました。その後、トラックタイヤの商品開発など幅広い業務に携わっています。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9316_31ddf531b9/9316_31ddf531b9.jpg" alt="9316.jpg" width="2048" height="1536"><h2>Q：今回、実証実験を始めるにあたって、METRIKAと組むことを決めた理由は何ですか？</h2>湯本氏：打音から空気圧を判断する技術の精度が非常に高かったのが、METRIKAでした。 タイヤの打音で空気圧を測定するというアイデアは過去にもありましたが、その話が出た6年前は、AI技術の発展が十分でなく、機械学習や統計学を用いても実現には至りませんでした。しかし、昨今の技術革新により、アイデアを具体化できる環境が整いました。 今回、複数社によるコンペを実施しましたが、他社が精度の向上に注力する中、METRIKAは打音データを正確に抽出し、実用的な手法を提示してくれた点が決め手となりました。野尻：ありがとうございます。CEOの小林は統計学を専門としているため、データが揃っていない段階では統計学、データが揃っている場合はAIや機械学習を活用するというアプローチを採用しています。 また、単に精度を追求するのではなく、目的に合った手法を選択することが重要です。データサイエンスチームとデザインチームが連携し、ステップごとにすり合わせを行えた点をご評価いただけたことを嬉しく思います。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9395_7a8c7112b0/9395_7a8c7112b0.jpg" alt="9395.jpg" width="2048" height="1536"><h2>Q：今回の取り組みを行ったことで、DXについて御社の中でどんな気づきがありましたか？</h2>湯本氏：メーカーのDXで最も効果を発揮するのは物流であり、次いで生産現場だと考えています。製造現場では、経験が必要な業務も多く、DX推進には課題が多いという印象を持っています。荒木氏：私は、すべてをデジタル化するのではなく、アナログな部分も残るのが望ましいと考えています。DX推進は、従来のやり方を効率化するという側面もありますが、従来のやり方自体を見直す良い機会になると思いました。大和田：そうですよね。現場の方々にアプリを使っていただいた際、非常に興味を持って活用に協力的であると感じました。運用段階では乗り越えるべき課題も増えますが、その可能性を感じてもらうことは重要だと思います。湯本氏：今回は、打音から空気圧を測定する技術を活用しましたが、ハンマー、メカトロニクス、AIを融合することで、叩くだけでさまざまな情報が得られるサービスなど、新たな技術の創出が期待できると考えています。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9803_fe5b0546ff/9803_fe5b0546ff.jpg" alt="9803.jpg" width="2048" height="1536"><h2>Q：デジタル人材の育成についてのご状況を教えてください。</h2>湯本氏：「DXを推進するためには、デジタル人材の育成が欠かせません。適性のある人材を選抜し、研修を実施した後、資格取得の機会を提供しています。実際、他社ではDXに適性のある人は100人中何名くらいいるものでしょうか？」野尻：100人いれば、20～30人程度でしょうか。 ハードスキルは後から習得可能なので、適性よりも、チャレンジしてみたいという意欲が重要だと思います。 以前、平均年齢55歳以上の製造現場の方向けにリスキリング研修を行った際、現場に精通している方がデジタルを理解すると「これは使える！」と前向きな反応を示してくれました。最終的には、目を輝かせながら現場に戻り、DX推進に貢献してくれた事例もあります。荒木氏：データサイエンスと聞くと、最初から「自分には無理」と感じる人も多いのではないでしょうか？大和田：確かに。私自身、法学部出身で数学を専門に学んだわけではありませんが、「これができるようになりたい」と思ったことが、スキル習得の大きな原動力になりました。必要に迫られて学び、成功体験を積んでいくうちに自然と興味を持つようになりました。このように、早い段階で成功体験を積めると、より多くの人がDXに関心を持つのではないでしょうか。」野尻：データサイエンスといっても、エクセルを活用して可視化し、「このような傾向がある」と分析するレベルからスタートできます。必ずしも数学の知識が必要な訳ではありません。 早い段階で「この技術でこんなことができる！」という成功体験を積むことが、意欲を引き出すカギになります。野尻：現在、生成AIやChatGPTを業務にどう活用するかの研修も行っています。例えば、データ分析や議事録作成などを組み合わせることで業務がより効率化できるとイメージできれば、一気にDXの重要性が自分ごととして認識されるでしょう。 METRIKAのデジタル人材育成プログラムでは、どの層にどのような変革が必要か、どのような研修が適しているかをすり合わせ、データサイエンスの理解やデジタル技術を活用したアイデア検証の研修を実施しています。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9302_eb8c6e8c21/9302_eb8c6e8c21.jpg" alt="9302.jpg" width="2048" height="1536"><h2>Q：本技術のサービス面における今後の展開について教えてください。</h2>湯本氏：「今回の取り組みは検証段階でしたが、最終的にはサービスとして拡大していく予定です。特に、日本製品の強みは、安全性に優れ、ユーザーが意識しないレベルで生命を守る技術が組み込まれていることです。この価値をDXを活用してさらに強化していきたいと考えています。」野尻：ユーザー自身が意識していないレベルで、安全を守る技術が提供されているということですね。湯本氏：そうですね。日本製品ならではの強みを、本技術やDXの力でさらに強化していきたいと考えています。野尻：「空気圧の検査技術は、今後アプリ化を進めることで、より多くの現場で活用できる可能性があるということですね。」湯本氏：「はい。現在は社内のタイヤ点検システムに組み込まれていますが、今後はアプリとして外販することも視野に入れています。さらに、ハンマーとメカトロニクス、AIを融合させることで、叩くだけでさまざまな情報を取得できる技術の開発も進めていきたいですね。」<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9383_3c26cd3121/9383_3c26cd3121.jpg" alt="9383.jpg" width="2048" height="1536">大和田：「日本と海外でDXの受け入れ方に違いはあるのでしょうか？」湯本氏：「日本では受け入れる人と受け入れない人が半々といった印象です。一方アメリカでは受け入れられそうですが、すぐに模倣されてより優れた技術が生まれる可能性が高いので、戦略的に慎重に進める必要があります。日本のメーカーは、製品を市場に出す前に慎重な検証を重ねる傾向があります。安全性の問題もあり、消費者を実験台にすることはできません。 一方、アメリカは「まずやってみる」文化があり、市場に投入し、改善を重ねるというスタートアップ文化が根付いています。この点が、日本の強みでもあり弱みでもあるといえます。 日本では法的基準に対してさらに厳格な独自基準を設け、ほぼ100%の確実性が担保されて初めて製品化にGOサインが出されます。一方、ドイツをはじめとする欧州メーカーは自社の厳格な基準（クライテリア）を満たすことを重視します。 各メーカーがそれぞれ異なる基準を持っているため、開発や市場投入のプロセスは国ごとに大きく異なりますが、これが文化の違いであり、日本、アメリカ、ドイツという国はものづくりにおいて確固たる理念を持つ数少ない国々です。どの考えが正しいかは正解がありませんが、結果としてこれらの国のメーカーは世界的に成功を収めていると考えています。野尻：「日本のDX推進には、技術だけでなく、どのように現場で受け入れられるかが重要です。単なるデジタル化ではなく、実際に役立つ仕組みを構築し、現場の人が『これがあると便利だ』と感じられるような仕組みにすることが鍵となるでしょう。」<h2>まとめ</h2>METRIKAの技術と横浜ゴムのDX推進の取り組みは、単なる技術導入にとどまらず、業務改善や新たな価値創出につながる可能性を秘めています。ものづくりの精度を守りながらDXを進めるためには、データサイエンスと現場の知見を融合させ、実用的な形で展開していくことが求められます。今後も、DXの可能性を広げる取り組みに期待が高まります。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9494_6d47ea6e66/9494_6d47ea6e66.jpg" alt="9494.jpg" width="2048" height="1536">

METRIKA x 横浜ゴム株式会社  「打音から空気圧予測が可能な技術の開発、DXが加速する日本の製造業の未来」

製造業におけるデータドリブン経営と人材育成  METRIKA COO 澤村俊剛 × 村田製作所 シニアデータサイエン

デジタルトランスフォーメーション（DX）は、製造業にとって避けて通れない重要なテーマとなっています。特にデータを活用した「データドリブン経営」は、企業の競争力を大きく左右する要素の一つです。今回のMETRIKA withでは、製造業におけるデータドリブン経営の価値と実現に向けた取り組みについて、METRIKAのCOO 澤村俊剛氏と、村田製作所のシニアデータサイエンティスト山田一郎氏が実際の導入事例や現場でのデータ活用の課題、そして人材育成の重要性にも焦点を当てながら語り合いました。<h2>Q. 製造業におけるデータドリブン経営とは？</h2>澤村: データドリブン経営という言葉がよく聞かれるようになりましたが、これは単にデータを集めるだけではなく、そのデータを活用して意思決定を行うプロセスを指しています。特に製造業では、データをリアルタイムで分析し、生産プロセスを最適化することでコスト削減や品質向上が図れます。山田さん、村田製作所ではどのようにデータドリブン経営を実現しているのか、お聞かせいただけますか？山田: 私たち村田製作所では、データドリブン経営を推進するために、まずデータを一元管理し、製造プロセス全体でデータの可視化を行っています。これにより、どのプロセスがボトルネックになっているか、リアルタイムで把握できるようになり、生産ラインの改善に直結する施策を講じることが可能になっています。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9629_ca957be618/9629_ca957be618.jpg" alt="9629.jpg" width="8256" height="6192">澤村: 具体的には、どのような成果が出ていますか？山田: 一つの例として、リアルタイムデータの活用によって、生産ラインの稼働率が大きく向上しました。また、不良品率を大幅に低減することができ、結果として製造コストの削減にも繋がっています。このように、データドリブン経営は製造業において非常に大きなメリットをもたらします。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9645_160eb6d492/9645_160eb6d492.jpg" alt="9645.jpg" width="8256" height="6192"><hr><hr><h2>Q. 製造業におけるデータ活用の要諦と課題は？</h2>澤村: データをどのように活用するかは、製造業において特に難しいテーマです。大量のデータが生成される中で、どのデータを分析し、どう活かすかということが問われます。特に、データの収集と分析のプロセスには課題が多いですよね。山田: そうですね。データを収集するだけでなく、それを適切に整理し、分析可能な形に整えることがまず重要です。また、データ分析は一度行えば終わりではなく、継続的な改善が求められます。製造ラインでは、リアルタイムデータをどれだけ迅速に分析し、それを現場にフィードバックできるかが鍵です。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9634_28d016bbc3/9634_28d016bbc3.jpg" alt="9634.jpg" width="8256" height="6192">澤村: データ活用の現場での具体的な課題は何でしょうか？山田: 一つはデータの整備です。製造業では、非常に多様なデータが存在しますが、それらが一元管理されていないことが多く、データの断片化が問題になります。データの断片化はまず持っているデータ分析をして結果を示さないとわからないことが多く、データ分析者がいなければ問題を問題として認識できないため、一元管理するということに対する本当の理解が得られない、費用も掛かかってしまうなどこの問題はさらに深刻になります。また、データの品質管理も大きな課題です。不正確なデータが混入すると、分析結果が信頼できなくなり、意思決定に悪影響を及ぼします。澤村: その通りですね。製造業は特に、データの収集や管理において複雑さが伴いますが、それを解決するためのプロセスが重要です。先ほど山田さんがおっしゃったデータの品質管理は非常に重要です。データドリブン経営を成功させるためには、データの正確性を担保する必要があります。また、データガバナンスやセキュリティも大きな問題ですね。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9647_6a26469ac1/9647_6a26469ac1.jpg" alt="9647.jpg" width="8256" height="6192">山田: 特に製造業では、機密性の高いデータを扱うため、セキュリティ対策が必須です。また、データガバナンスも重要で、誰がどのデータにアクセスできるかを明確にする必要があります。これを怠ると、データの乱用や漏洩のリスクが高まります。澤村: 具体的に、村田製作所での取り組みを教えていただけますか？山田: 私たちは、データガバナンスの強化を徹底しています。特に、データのアクセス権限を厳格に管理し、必要な人だけが必要なデータにアクセスできるようにするなどデータ品質を低下させないための、旧来と異なるデータ管理および管理人材、管理技術が必要になります。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9655_aa31adf734/9655_aa31adf734.jpg" alt="9655.jpg" width="8256" height="6192"><hr><h2>Q. 求められるデータ活用人材とは？</h2>澤村: 製造業におけるデータドリブン経営を推進するためには、データを活用できる人材の存在が欠かせません。特にデータサイエンティストの役割は非常に重要です。山田さん、村田製作所ではどのようなスキルを持ったデータ活用人材を求めていますか？山田: 村田製作所では、単にデータ分析ができる人材ではなく、現場の業務や製造プロセスを深く理解していること、かつ必要があれば現場のプロセスを変えデータを活用できる人材が求められています。データサイエンティストとしての統計学やプログラミングのスキルはもちろんのこと、製造現場のニーズを的確に理解し、データから引き出せる情報がどのような価値を持つかを判断できる能力が必要です。また、ビジネス視点を持って、経営判断に資する情報をデータを基に語ることができることも重要です。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9716_ae8d6131bb/9716_ae8d6131bb.jpg" alt="9716.jpg" width="8256" height="6192">澤村: 確かに、データサイエンティストには技術スキルだけでなく、現場の課題を理解し、解決策を提案できるような実務的な能力も求められますね。人間が“読める形”をしていない膨大なデータを、人間が解釈でき、実際の行動につなげるようにする“情報”に変換することは、とても大変で重要な作業だと思います。実際に、データの技術面に偏ると経営の意思決定と噛み合わないことが多いです。そこで、現場とデータ活用の間に立つ「橋渡し役」としての能力も必要だと感じます。また、理想としては意思決定側の枠組みを変えること自体にも役割を果たすことが求められます。山田: そうですね。特に製造業のような大規模なシステムでは、データサイエンティストが単独でプロジェクトを進めることは難しく、設計者や開発者、現場の担当者との協力が不可欠です。こうした協力関係の中で、データを活かしてどのように業務改善を行うかを設計できる力が重要です。また、データサイエンスが関わった結果、どのように事業に貢献できたかを定量的に把握し、レポートできるような力も必要です。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9743_9acc1e89ae/9743_9acc1e89ae.jpg" alt="9743.jpg" width="8256" height="6192"><hr><h2>Q. データ活用人材の育成の重要性とコンテンツは？</h2>澤村: そのためには、データ活用人材の育成が非常に重要になってきます。村田製作所では、どのような人材育成プログラムを実施していますか？山田: 私たちの育成プログラムは、データサイエンスの知識部分については座学的に学び、後に実際のプロジェクトでデータを活用する実務経験を積ませることに重点を置いています。特に、製造現場におけるデータ活用のポイントになる経験、勘、度胸の項目をどうデータの価値に組み込んでいくかを理解させ、現場での経験を通して成長してもらうことが目的です。澤村: 実践的なプロジェクトへの参加を通じて、より深くデータ活用を学ばせるというアプローチは非常に有効ですね。私たちMETRIKAでも、データサイエンティストの育成プログラムにおいて、理論と実践のバランスを重視しています。技術的な知識だけでなく、どのようにしてデータをビジネスに活かしていくかという視点も同時に教えています。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9711_789bd5a38c/9711_789bd5a38c.jpg" alt="9711.jpg" width="8256" height="6192">山田: 特に重要なのは、データ活用の目的を明確にし、それを実現するためのスキルセットを提供することです。データ活用人材は単に技術者としての能力だけでなく、ビジネスに対してどのような価値を提供できるのかを深く理解し、実現したい世界観、ストーリーとして語り、受け入れてもらうことが求められます。澤村: それでは、データ活用人材を育成するためのコンテンツには、どのような要素が必要だと考えますか？山田: まず、知識を身につけるための基礎コンテンツは当然必要です。例えば、統計学やプログラミングのスキルを習得するための教材や、データ分析ツールの使い方を学ぶためのトレーニングが重要です。しかし、それだけでは不十分で、知識として知っているだけに終わらず、実際の業務の中で使うことのできる技術スキルとするための業務に即したケーススタディや、現場の問題解決をシミュレーションするような実践的なコンテンツも必要です。この段階をしっかり整備することが大切だと考えています。澤村: そうですね。私たちの育成プログラムでも、現場での経験を重視しています。理論を学んだだけではなく、実際に製造業のデータを使って分析し、具体的な改善策を導き出すというプロセスを通じて、データ活用の本質を理解させるよう努めています。また、データサイエンティストとしてのキャリアパスを明確に示すことも、モチベーションを高める上で重要です。山田: キャリアパスの提示は非常に大事ですね。それぞれの企業がどういった人材を求めているか、製造業を理解できるデータサイエンティストなのか、設計、開発などの現場の人材がデータサイエンスの技術スキル・分析技術だけでなくデータリテラシ―をもつパスも考えられる、その中でデータサイエンティストとしてのスキルをどのように磨いていけばよいか、また、将来的にどういった役割を担うことができるのか、それによってどういった処遇・待遇を用意しているのかを企業が自社の企業活動の中で明確に示すことが、優秀な人材を確保するための鍵になります。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9660_63fde6fffd/9660_63fde6fffd.jpg" alt="9660.jpg" width="8256" height="6192"><hr> credit ライティング：村田莉野 編集・監修：尾崎誠 写真：<a target="_self" rel="" href="https://www.eichitano.com/">田野英知</a>

製造業におけるデータドリブン経営と人材育成  METRIKA COO 澤村俊剛 × 村田製作所 シニアデータサイエンティスト 山田一郎

METRIKA x 株式会社 豊田自動織機 「豊田佐吉の志とともに未来へ：豊田自動織機が描くデジタル変革

METRIKA x 株式会社 豊田自動織機 「豊田佐吉の志とともに未来へ：豊田自動織機が描くデジタル変革」

日系エンタープライズ企業がESG分野で、今注目すべき世界の規制動向は

早ければ2025年の事業年度から、日系エンタープライズ企業が直面する大きな課題の一つとして注目されているのが、CSRD（Corporate Sustainability Reporting Directive）です。欧州連合（EU）におけるこの新しい規制は、企業に対して環境、社会、ガバナンス（ESG）に関する詳細な報告を求め、グローバルビジネスにおいてもその影響は無視できません。今回、METRIKAの経営陣と専門家が集まり、CSRDの重要性、その対応における課題、そしてMETRIKAがどのように企業を支援できるかについて、対談を行いました。 目次 1. CSRDとは/CSRDのインパクトをどう捉えるべきか 2. CSRD対応に失敗した場合のリスク/CSRD対応のリーダーシップと課題解決 3. 日本企業のCSRD対応が遅れる理由とその解決策/企業が直面するCSRD対応の壁 4. METRIKAのCSRD対応支援/METRIKAの差別化要素/ESG関連データの収集・統合の技術的強 5. METRIKAの今後のサービス展開<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/Copy_of_6824_80ebdcee73/Copy_of_6824_80ebdcee73.jpg" alt="Copy of 6824.jpg" width="8213" height="6160"><h1>Q1: 2024年から2025年にかけて日本の企業が注目すべきESG分野のホットトピックとしてCSRDという言葉を良く聞きます。CSRDとは具体的に何ですか？</h1>澤村：2023年1月、欧州議会と欧州理事会でCSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive)と呼ばれる企業のESG（環境・社会・ガバナンス）分野における情報開示に関する「企業サステナビリティ報告指令」が発効されました。このCSRDではEU域内・外でビジネス活動を行なっている企業に対するESG情報開示の概要をまとめており、CSRDの対象となる企業は、ESRS（European Sustainability Reporting Standards）という「サステナビリティ情報報告基準」の行動規則に従って、ステークホルダーにESGやサステナビリティ領域における企業活動データを具体的に報告・開示する義務が課されます。METRIKAのESGデータ分析パートナーであるaiESG社のレポートによると、本社機能は日本かつEU域内に子会社機能を有する企業やEU域内で経済活動を行う日系エンタプライズ企業もその対象となり、企業の規模やEU子会社の有無などの条件に沿って、2025年から2028年にかけてその適用が開始されるとのことです。<blockquote>CSRDの対象となる日本企業（ソース：aiESG, inc.’<a target="_blank" rel="" class="OYPEnA font-feature-liga-off font-feature-clig-off font-feature-calt-off text-decoration-underline text-strikethrough-none" href="https://aiesg.co.jp/report/240809_esrs2/">【解説】欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)の最新動向</a>’)<ul><li>EU域内に子会社を持っている日本企業（‘EU域内企業’に該当）<ul><li>NFRD（非財務情報開示指令）の対象である場合：2024年1月1日から適用</li><li>大規模企業群：2025年1月1日から適用</li><li>中規模企業群：2026年1月1日から適用</li><li>小規模企業群：2026年1月1日から適用</li></ul></li><li>子会社機能を有していなくとも、EU域内でビジネスを行い所定の条件を満たす場合（‘EU域外企業’に該当）<ul><li>EU域外企業（EU域内で経済活動を行う多くの日本企業）：2028年1月1日から適用</li></ul></li></ul></blockquote>小島：日本企業にとってCSRDは、これまでの非財務報告とは異なる性質を持っています。いわゆる「ダブルマテリアリティ」を採用し、環境・社会との双方向性を意識した開示・報告を明確にした点に加え、CSRDのフレームワークの具体的な基準を表すESRS（European Sustainability Reporting Standards, <a target="_blank" rel="" class="OYPEnA font-feature-liga-off font-feature-clig-off font-feature-calt-off text-decoration-underline text-strikethrough-none" href="https://jicpa.or.jp/specialized_field/ITI/2024/20240424agh.html">欧州サステナビリティ報告基準</a>）をもとにESGそれぞれのテーマにその開示目的と基準が設定されています。これが意味することは、「企業の内部でESGデータをどのように収集・統合し、効果的に管理するかが重要なポイントとなる」ということ。またサステナビリティに関する内容にアシュアランス、第三者保証も求められており、これらに適切に対処しないと企業の競争力や信頼性に影響を及ぼす可能性があります。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/Copy_of_6905_1dd4a63045/Copy_of_6905_1dd4a63045.jpg" alt="Copy of 6905.jpg" width="8256" height="6192"><h1>Q2: CSRDに対応しないとどのようなペナルティがあるのでしょうか？対応にはどのような体制が必要ですか？</h1>小島：CSRDは対象企業に監査を含むサステナビリティ報告を義務付けていますが、その実施に向けてEU加盟各国で対応する国内法との調整が進んでいます。多くの日本企業がEU本社を置くドイツの場合を例に取ると、連邦政府による2024年7月24日付草案において、例えばドイツ商法（HGB）264d条に規定される「資本市場志向企業」においてこのサステナビリティ開示義務違反に該当した場合、（1）1,000万ユーロ、(2)年間総売上の5%、(3)開示義務違反によって得た経済的利益の2倍のいずれか高い金額を上限とした罰金額が規定されています（*<a target="_blank" rel="" class="OYPEnA font-feature-liga-off font-feature-clig-off font-feature-calt-off text-decoration-underline text-strikethrough-none" href="https://www.bmj.de/SharedDocs/Downloads/DE/Gesetzgebung/Synopse/Synopse_CSRD-UmsG_RegE.pdf?__blob=publicationFile&amp;v=2">ドイツ連邦司法省ウェブサイト掲載の政府草案概要</a>より（2024年7月24日更新時点））。 しかし、それ以上に深刻なのは、市場での信頼を失うリスクです。特にグローバルにビジネスを展開している日系企業にとって、コンプライアンス違反は致命的なダメージをもたらすことがあります。ESGに敏感な投資家や顧客は、対応の遅れた企業を避ける傾向が強くなるでしょう。投資家からの評価が下がり、資金調達が難しくなるだけでなく、現地のサプライチェーンからの排除やビジネスパートナーからの信頼を失うリスクも考慮すべきです。CSRDへの対応は、戦略部門が主導し、環境部門や財務部門と連携して進める必要があります。特に、サステナビリティやESGに関する専門知識を持つ部門が中心となり、明確な方向性を示しながら関連データ収集やレポーティングのプロセスを確立することが必要です。特に、日本企業特有の組織文化やガバナンス構造を考慮しながら、迅速かつ効果的な対応が求められます。また、外部の専門家やコンサルティングファームと連携することで、より高度な対応を実現することが可能です。全社的な協力を前提に、内・外部を跨ぎながら広範囲で対応していくことが求められます。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/Copy_of_6885_d5abfaa137/Copy_of_6885_d5abfaa137.jpg" alt="Copy of 6885.jpg" width="4652" height="3489"><h1>Q3: 日本企業がCSRDに対応する際の主な壁や課題は何ですか？</h1>澤村：日本企業の中には、CSRD対応が遅れることで競争力を失うリスクが十分に認識されていない場合もありますが、ESGへの対応は、今や企業の成長戦略における中核的な要素であり、その重要性を理解しなければ、企業の存続そのものが危うくなる可能性もあります。CSRDの対応で特に難しいところは、財務情報に加えて、ESG（環境、社会、ガバナンス）に関連するリスクや機会を定量的かつ定性的に報告することが求められている点です。例えば、気候変動リスクや社会的影響、取締役会の構成、さらには賃金格差に関するデータも開示対象などです。このようにCSRDの対応範囲が非常に広いので、財務部門だけでなく、環境、労務、ガバナンスなど多岐にわたる部門が協力し、データを集約し一元的に管理するプロセスを構築しなければなりません。特に中小企業にとっては、対応のための工数や専門知識が不足しているケースが多いのが実態です。その対応策として、企業は、まず何をどう対応すべきかを明確にすることが重要です。CSRDは従来の財務報告に加え、非財務情報を中心とした新しい報告体制を必要としますが、多くの企業はその準備が整っていないのが現状です。特にESGデータの収集方法や、そのデータを統合して一元管理するプロセスが確立されていない企業が多いです。さらに、企業内で複数のシステムを使用している場合、それらを統合して一貫したデータ管理を行うのは技術的に難しいことがあります。これが、CSRD対応の大きなハードルとなります。また、企業文化や組織のサイロ化が原因で、部門間の連携がスムーズに進まないことも対応の遅れを招く要因となります。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/Copy_of_6857_cef77b0b01/Copy_of_6857_cef77b0b01.jpg" alt="Copy of 6857.jpg" width="8256" height="6192"><h1>Q4: METRIKAは企業のCSRD等のESGに関する対応をどう支援していますか？</h1>小島：CSRDの内容は、ISSB及びその日本版であるSSBJ等、今後同じく日系エンタープライズ企業が対応を迫られる各種フレームワークとの将来の互換性という視点でも重要です。近い将来、サプライチェーンの中心及び構成員である大小あらゆるエンタープライズが関わる全てのデータを標準化し、任意の報告内容にシームレスに連携・変換する事が必要になっていきますが、その点に関してもMETRIKAの提供価値は大きいと信じています。北岡：我々、データ管理専門集団のMETRIKAは、戦略策定の専門性とデータ収集・統合の技術的強みを活かし、企業がCSRDを含む各種ESGフレームワークに対応するための包括的なサポートを提供しています。私たちの強みは、複数のシステムからなる複雑で大容量のデータを効率的・効果的に収集し一元的に管理するプロセス構築を、クライアント企業が直面する個別の課題に対してカスタマイズされたソリューションとして提供するということです。METRIKAは自動車製造メーカーの中期デジタル戦略立案や、国際空港のデータインフラのフロー設計、大手消費財メーカーの製造・在庫・販売データの統合と最適化など、多岐にわたる業界の現場に精通しており、エンタープライズ企業内部での現場とのコミュニケーションを重視したサポートを提供しています。現場を理解し、そこから得られるデータを効果的に活用できる仕組み構築を支援し、CSRD等各種ESGフレームワークへの対応を全社的に進める体制を整えるお手伝いをしています。また、会計ファームや法律事務所との連携を通じて、開示からアシュアランスまで一貫したサービスを提供しており、投資家やステークホルダーから信頼を得るための高品質な報告ができるように支援しています。これにより、企業の全体的なESGパフォーマンスを向上させることが可能です。大規模になりがちなESGデータ管理技術の面では、METRIKAの持つリアルタイムでのデータ処理能力も大きな強みです。大量のデータを迅速かつ正確に処理・管理することで、CSRDのような厳しい規制にも柔軟に対応できる企業体制を構築します。データの収集方法から報告書の作成までを包括的に対応するMETRIKAのサポートで、クライアント企業はCSRD等の要求に応じた市場の変化や規制の強化にも迅速に対応でき、ステークホルダーからの信頼を確立することが可能です。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/Copy_of_6870_9ca424f3fb/Copy_of_6870_9ca424f3fb.jpg" alt="Copy of 6870.jpg" width="8212" height="6159"><h1>Q5: METRIKAの今後のサービス展開の構想は？</h1>北岡：今後、METRIKAは九州大学発のスタートアップである<a target="_blank" rel="" href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000084901.html">aiESGと協業</a>し、データ収集・統合とESGによる開示・アシュアランスを組み合わせたサービスを展開していきます。これは、AIと機械学習を活用したデータ分析とレポーティングの自動化に取り組み、企業の様々なESG取組への対応を効率化するサービスです。また、大手会計監査法人とも連携を強化し、非財務情報全体の開示を支援するサービスも展開していく計画です。これにより、METRIKAは企業に対して、より価値の高いサービスを提供できると考えています。私たちは、クライアント企業が規制に対応するだけでなく、それを競争優位に変えるための支援を行います。これからの時代、企業は財務情報だけでなく、非財務情報も含めたトータルなレポーティングが求められます。私たちMETRIKAは、企業がこの新しい時代に対応できるよう、総合的なサポートを提供していきます。また、私たちはクライアント企業と長期的なパートナーシップを築き、持続可能な成長を支援していきます。credit 編集・監修：尾崎誠 写真：<a target="_blank" rel="" href="https://www.eichitano.com/">田野英知</a>

日系エンタープライズ企業がESG分野で、今注目すべき世界の規制動向は？

METRIKAのCCO(チーフクリエイティブオフィサー)増田総成が語る、デザインと向き合い課題を解決するというこ

METRIKAで活躍するMETRIKANはどんな人たちなのか。METRIKANのパーソナリティを紐解く連載企画。今回はチーフクリエィティブオフィサー（CCO）としてMETRIKAのクリエィティブ領域を担う増田が、先日開いた個展の企画やこれまでの成果、これからの仕事について語った。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9940_287b8cebe9/9940_287b8cebe9.jpg" alt="9940.jpg" width="2048" height="1536"><h1>先日展示会が開かれてましたよね。今回の展示会に対する増田さんの思いを教えていただけますか？</h1>デザイナー業界では紙といえば「竹尾」というほど、良質な紙を扱う紙の専門商社があります。毎年15名のデザイナーが選ばれ、1年かけて新しい印刷技術や紙の素材などを取り入れて、自分が感じたことを展示するプログラムがあるのですが、今回はそのプログラムに選んでいただいて参加したというのが経緯です。作品を生み出すことが久々だったので、企画が固まるまでは正直難しかったです。笑ただ1年くらい前から絵でも描くかな、どうしようかなと考えていて、自分としっかり向き合う時間がありました。そこで、社会人になってからはアートというよりもデザインで何かの課題を解決するというアプローチが多かったこともあり、背伸びしてアートをやるより今までやってきたことを活かしたいと考えて、ピースペーパーの企画ができました。紙業界はペーパーレスやデジタル化の流れでどんどん衰退していってしまっているのが現状で、お店の人と話していてもFSC認証など環境に配慮した紙作りをすること自体が当たり前になってきています。紙を使うことが後ろめたと感じてしまいかねない時代に紙をポジティブに使いたくなる仕組みを作って、製紙業界を活性化したいというのがこの企画に込めた思いですね。ピースペーパーのアイディアとしては商品を作る際に竹尾の紙を選んでいただけたら、例えば鉛筆などのドネーションツールが発展途上国の学校や教育施設などの寄付先に送られ、教育支援の寄付に繋がるという仕組みです。紙を使うことが環境を破壊するだけではなく、ちゃんと他の人のためになっている。平和の紙という意味で「ピースペーパー」と名付け、白いハト２匹をシンボルにしました。今後は本格的に実装できるように話を進めていく予定ですが、竹尾はデザイナーさんとの接点もあるので、紙を選ぶデザイナーさんにこの仕組みを紹介することができたら、一気に広がっていくんじゃないかなと思っていて。元々僕がWWF（世界自然保護基金）などで環境支援を行っていたこともあり、今後は寄付に賛同いただける企業、導入企業をもっと増やして、紙が必然的に売れていく、そういう循環になっていくといいなと考えています。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9926_57d0a61d68/9926_57d0a61d68.jpg" alt="9926.jpg" width="2048" height="1536"><h1>クリエイティブ、デザイン、アートは近い物だと思っていたのですが、線引きがあるんでしょうか？</h1>近いと感じるかもしれないですが、実は結構違うと私は思っています。クリエイティブは創造するということなのでアートもデザインも1番包括していると思います。デザインとアートは全然違っていて、アートは課題が何もなくても自分と向き合って、自分が作りたい物を作り続ける。そしてそれ自体に価値をつけ、マネタイズします。一方でデザイナーは課題があって、それに対して物を作ることで課題を解決してお金をもらう。以前はアートに興味があった時期もありましたが、自分はコミュニケーションしながら物作りをしたいタイプなので、色々な企業や人の課題を汲んで、それを形にしていくデザイナーの仕事が合っているなと今では感じますね。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9864_310e5739fb/9864_310e5739fb.jpg" alt="9864.jpg" width="2048" height="1536"><h1>METRIKAではチーフデザインオフィサー（CDO）を新設されていると思うのですが、増田さんが担われているCCOとCDOの棲み分けや今後の展望を教えていただきたいです。</h1>METRIKAでのデザインは物を作るだけではなく、課題自体を明確化していって、それを分析したり、一緒に並走するというコミュニケーションや対話も重視しています。前工程の課題解決に向けた要件定義は仕組みとしてのデザインに専門性や経験を持っている<a target="" rel="" href="https://www.metrika.jp/blogs/blog20240226">野尻さん</a>が、後工程の実際のクリエィティブとしてのものづくりや見せ方の部分は私が担当しています。今期特に注力していくのはMETRIKAデザインをサービスとして確立することです。国内ではまだデータやAIなどの技術に対応していくところからスタートする企業が多いですが、海外はすでにテクノロジー面では対応ができていて、プラスαの領域としてデザインに注目が集まっている。今後のMETRIKAの差別化要素としてデザイン領域を一段強化し、グローバル展開を仕掛けていきたいというのが今季の構想です。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9892_f561e7b3fe/9892_f561e7b3fe.jpg" alt="9892.jpg" width="1504" height="1128"><h1>METRIKAのCCOとして2年伴走いただいた中での成果やこれまでのブランディングの意図についてお伺いしたいです。</h1>まず自分がビジネスにおいてクリエイティブをどう捉えているかをお伝えできればと思います。クリエィティブはユーザーに自社/商品/サービスを区別してもらい、ファンになってもらうための活動全てを指すと思っているので、ビジネスにおいても非常に重要な要素になります。ブランディングやコミュニケーションを強化できれば、価格競争が回避できたり、ファンを獲得できたり、自社のカルチャーにあった優秀な人材を採用できたりと色々な効果があります。その観点において、成果はまだ途中かなとは思っていますが、ブランドとしての見え方は一定出てきたのではないかなと考えています。初めにCEOの小林さんとCOOの澤村さんに声をかけてもらった時は、METRIKAは創業期で2人からまさに始まったというタイミングでした。ブランディングをリードして欲しいと言われた時に、白黒のようにキャラクターの真逆な2人だからこそ、合わさることで強みが出るという感覚を表したいなと思いました。あと、データは0と1なので2つしかないその数字の組み合わせは白黒だなと感じ、METRIKAのHPや名刺などのビジュアル面で表しました。小林さんや澤村さんの人柄も含めて、クライアントさんに対する接し方としての誠実さだったり、信頼感が白黒に合わさり、これまでのMETRIKAのブランディングになってきていると思います。ただ、今ではメンバーも40人弱いて、2人の色だけではなくいろんな人のカラーが混ざってどんどんチームになっていく過渡期なのかなと。METRIKAはギルド集団というかアメーバというか、みんなでトライアンドエラーしながら切磋琢磨しながら、やっているのがすごくいいなと思っています。こういうブランドの作り方は自分もはじめてなので、これからどういうブランドを作っていけるか、今も前向きにトライする中でプロセス自体を楽しめていると思います。海外ユーザー向けも含めた新HPの作成を今進めていますが、「写真入れてみた方がわかりやすいよ」とか「海外は黒ベースの方がいいかも」みたいなみんなの意見も出てきていて。なので結構思い切って変えていて、このトライアンドエラーを繰り返して、まずはしっかりブランディングを固めていきたいというのが自分としてのミッションですね。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9888_726562dd75/9888_726562dd75.jpg" alt="9888.jpg" width="1474" height="1106"><h1>24年度、注力していくところについて教えてください。</h1>先ほどお話ししたMETRIKAデザインを注力するのはもちろんですが、初期からずっと掲げているデジタル、ビジネス、デザインの３本柱でやっていきたいですね。先ほどのピースペーパーの話ですが、そのものをマネタイズするというよりかはあの仕組みが循環すれば社会貢献になる、そこがMETRIKAのvalueのThink Good.にも繋がると思ってます。METRIKAではただお金を稼ぎたいというよりも、社会に対して貢献したいと感じているメンバーが多いと思うのでThink Good.の考えをベースに社会に意味のあるプロジェクトをどんどん仕掛けていきたいと思っています。<hr>credit ライター：村田莉野 編集・監修：尾崎誠 写真：田野英知 撮影場所: 株式会社竹尾 青山見本帖 東京都渋谷区渋谷4-2-5　プレイス青山1F

METRIKAのCCO(チーフクリエイティブオフィサー)増田総成が語る、デザインと向き合い課題を解決するということ

「METRIKAコンサルタントの伊賀航が目指す、1人1人が自分の幸せを追求できる社会

METRIKAで活躍するMETRIKANたちはどんな人たちなのか。METRIKANのパーソナリティを紐解く連載企画。今回は、学生時代の起業・留学経験からIT×経営の軸で、コンサルティング、事業開発、起業とキャリアを築いてきたコンサルタントの伊賀航に、これまでのキャリア、人生で大事にしている価値観、将来目指す世界について話を聞きました。1人1人が自分の幸せを追求できる社会を目指す伊賀のMETRIKAへの想いとは。 目次 1、これまでのキャリア、参画のきっかけ 2、実際に参画して感じたMETRIKAの強み 3、経営管理の観点で見るこれからのMETRIKA 4、今後やっていきたいこと<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/0757_afa2e66afd/0757_afa2e66afd.jpg" alt="0757.jpg" width="8256" height="6192"><h1>伊賀さんのキャリア、これまでやってこられたことを教えてください</h1>学生時代に学生団体を作ったところが、自分の今のキャリアの起点です。初めは順調だったのですが、場当たり的に意思決定・行動を実施したことから途中から赤字化してしまいました。どうすれば上手く組織を動かして進めることができたのかということを考えて、周りの人からの情報やWebサイトで調べていくと、経営やマーケティングという言葉があることを知り、経営をしっかり学んでみたいと思い、アメリカのカリフォルニア州にあるUniversity of California, Irvineにビジネスを学びに行くことを決めました。実際に学んでみると、あの時の失敗はマーケティングやビジネスのポイントを理解できていなかったことだと気づきました。経営を学ぶことがシンプルに面白かったので、これを通して何か成し遂げたいと思ったのが20歳の時ですね。2017年当時アメリカの西海岸周辺で留学していたのですが、Snapchatやスマートグラスを使った業務も実証実験的に行われていました。その時にITってすごいなと思って。笑その後アメリカ留学中に就職活動をし、ITと経営が両方できるようなキャリアを積んでいきたいと思い、コンサルティングファームを中心に就職活動をしていました。その後、イギリスのケンブリッジに起業家精神を学び、その経験を活かして、日本帰国後に個人事業主として、海外人材のキャリア支援の事業をスタートしました。個人事業主を続けながら、新卒でNTTデータに入社しました。グローバルに関わる仕事がしたいという念願が叶い経営管理業務についてのビジネスコンサルティングを提供する部隊に配属になりました。当時、クライアントである大手製造業のアメリカやシンガポールなどのグローバルの製造拠点や加工拠点、販売拠点のデータを収集・加工・可視化・分析することで連結での管理会計にて経営管理ができるようにするプロジェクトを担当し、アメリカやシンガポールなどにある製造拠点を飛び回ったりしていました。元々起業したいという思いがずっとあったので、NTTデータ在籍中も続けていた海外人材のキャリア支援の事業を2021年に法人化、その後に規模の大きい顧客ではなく、もう少し手触り感があるプロダクトや事業フェーズに携わりたいと思って、リクルートにキャリアを移しました。リクルートでは既存事業のプロダクトマネージャーをしていましたが、前職で成熟した大規模事業へのコンサルテーションする役割とは異なり、事業会社の一員として共に事業をグロースしていくフェーズをここで経験することができました。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/0680_657d28576c/0680_657d28576c.jpg" alt="0680.jpg" width="8256" height="6192"><h1>METRIKAに参画したきっかけ、実際に参画されて感じたことはありますか？</h1>一番最初の接点は、COOの澤村さんでした。最初は採用支援で何か役に立てたらと話をしていましたが、METRIKAに深く関わるうちに足りないリソースを採用で賄うのはもちろんのこと、コンサルタントとして事業開発に携わるのもいいんじゃないかと思えてきて。METRIKAが面白く素敵な組織だなとすでに魅了されていたこともあり、今は事業開発を一緒にするという立場で参画しています。METRIKAに入って感じたのはやっぱり人がすごいというところ。なんでこんなすごい方々がっていう人たちが集まり続ける。そしてそれを実現するだけの吸引力と、しっかり定着できる事業環境がすごいなと思いますね。現在、自動車メーカー、家電メーカー、総合商社など様々な案件に携わっていますが、共通しているのは裁量の大きさです。なかなかこの規模のプロジェクトマネジメントをさせてもらう機会は他では得られないですし、その分成長があるのですごく面白いです。あと案件の中身ではMETRIKAのコアコンピタンスの一つであるデータが主軸で、そこに紐づいたデータ人材育成や、開発のロードマップの策定、人材配置や採用に関するテーマもありますね。難しいテーマもありますが、METRIKANは顧客志向が強いので、お客さんが素敵な状態になるように一緒に伴走することを必死にやっていくと、自然とお客さんが喜ぶ結果が得られることが多いと思います。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/0749_c488bb2a55/0749_c488bb2a55.jpg" alt="0749.jpg" width="8256" height="6192"><h1>今後伊賀さんがお強みである経営管理の役割を担われることもあると思うので、METRIKAへのアドバイスがあればぜひ教えてください</h1>すでに40名のメンバーがいて、これからどういう姿でありたいと経営陣が考えているかが経営管理にとって非常に重要になると思います。無形商材の企業はマネジメントの色に左右されることが多いので、人の力が重要であるコンサルティング、SIerのような形で拡大するのか開発しているプロダクトで拡大するのか、METRIKAとしての色をどうしていくかはものすごく大事な意思決定だと思いますし、自分としても興味があります。またMETRIKAでは多様な人材を採用し、個を活かすことを前提にしていると思うので、その中でどうまとまりを作っていくかは今後の課題になりそうですね。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/0672_8ebe3d6c3c/0672_8ebe3d6c3c.jpg" alt="0672.jpg" width="8256" height="6192"><h1>伊賀さんのこれからやりたいことを教えてください</h1>自分のビジョンの話になりますが「1人1人が自分の幸せを追求できる社会」を目指したいと２０歳頃から変わらず思い続けています。留学した際にそれまでのレールから一度外れるような感覚になったことがありました。その時にどういう人生にしたいかをめちゃくちゃ考えたところ、行き着いたのが医師だった自分の父親が体現していた「社会にとっていいことをする」ことでした。かっこいいなと思いましたし、そこが自分の意思決定に今でも根付く軸になっています。METRIKAにはその仕事が本当に顧客のため、社会のためになるのか、また結果的に自分に対して善く生きれているかというThink good.のビジョンがあると思いますが、Think Good.を含めた5valuesが自分としてはすごくしっくりきていますし、これが本気で体現できた際にはより良い社会になるなと確信があります。METRIKAへの自分自身の貢献でいうと、１つ目はシンプルにMETRIKAが今後描いていく社会を見ていきたいし、自分がパフォーマンスを出し続けてそこに一緒にいられるようにしたいですね。そしてもう1つはHR面でMETRIKAを強くしていくというところですね。CHRO の河内さんと話していて評価してもらっていると感じるところは、自分のコンサルタントの経験を活かして、嘘偽りなくMETRIKAのコンサル職の魅力を伝えて採用に繋げられることなので、これからも自分のパフォーマンスを発揮し続けたいと思います。<hr>credit ライティング：村田莉野 編集・監修：尾崎誠 写真：<a target="_blank" rel="" href="https://www.eichitano.com/">田野英知</a>

「METRIKAコンサルタントの伊賀航が目指す、1人1人が自分の幸せを追求できる社会」

地方自治体に求められるDX人材：産官学協働におけるナレッジ共有の重要

様々な領域で活躍する人と対話するMETRIKA with。 今回は、CEO小林が、庁内のDX人材育成に取り組む藤沢市デジタル推進室の本間唯人氏と、藤沢市にあるインキュベーション施設SFC-IVのインキュベーション・マネージャー廣川克也氏と鼎談を行いました。 お堅い、保守的といったイメージが先行することが多い行政におけるDXの現状はどうなのか？地方自治体に求められるDX人材の育成や、DXマインドの醸成、社会に改革（トランスフォーメーション）を起こすために必要な仕組みについて、産（METRIKA）官（藤沢市）学（SFC-IV)それぞれの視点から議論しました。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/Copy_of_5564_b3bc6150be/Copy_of_5564_b3bc6150be.jpg" alt="Copy of 5564.jpg" width="2048" height="1536"><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/Copy_of_5528_1b4f32cece/Copy_of_5528_1b4f32cece.jpg" alt="Copy of 5528.jpg" width="2048" height="1536"><h1>1、行政としての責任を果たしながら、主体的に協働し、変革していく難しさ。</h1><blockquote>藤沢市がこれまで行ってきたまちづくりや、行政のDXの現状と課題について教えてください。</blockquote>本間：藤沢市は、「最先端テクノロジーを活用した安全安心で暮らしやすいまち」をまちづくりコンセプトの一つに掲げており、その取り組みの一つとして、全国に先駆けて10年前よりスマートシティ（Fujisawa SST） の開発を進めてきました。また、国から「さがみロボット産業特区」に指定されており、先端技術の実証フィールドとしての実績も積み重ねてきました。そのほかにも、住民がLINEを使って道路の破損個所を通報できるシステムを導入したり、大雨の際に冠水しやすい道路にセンサーを設置し、危険箇所をリアルタイムに把握するなど、インフラの修繕や整備のためのパトロールの効率化を図って、住民の利便性・快適性向上につながる取り組みを行っています。昨今の自治体の課題として、自然災害、人口減、少子超高齢化などがあり、先端技術を用いた課題解決や、協働によるイノベーションの創出が期待されています。しかし行政の力だけでは実現に限界があるため、企業や住民と課題・目的を共有しながら手を携え、それぞれが主体的に取り組んでいく必要があります。藤沢市では「共創」をテーマに掲げ、今後注力して伸ばしていきたい「DX」を担当するデジタル推進室と、職員の人材育成を担当する職員課でどのように住民や民間企業の方々と協働できるのかを手探りで進めています。しかしながら、根本として、行政の仕事は市民の皆さんの生命や財産を守ることが仕事です。その責任感が故に、市役所の中には、外部に対し過度な警戒心を抱いてしまったり、現状問題なく出来ていることをリスクや手間を負ってまで改革する必要はないのでは、というような考えを持つ人が少なからずおり、市役所外との協働や共創のチャンスが、庁内で止まってしまっていることも多くあります。テレワークのときも、仕事を持って帰ってやるなんて、と浸透するまでに時間がかかりました。SSTの立ち上げも日本で早い段階で行いましたが、まちづくりにおいて行政と企業との関係が薄かったという課題がありました。公務員＝安定のイメージがあって入庁した人は新しい発想や、革新するという考え方が難しいのかもしれません。しかしそれでは、「共創」どころか、社会の変化についていけず、先端技術を用いたイノベーションの創出なんてできないのではないか。そんなところに課題意識を持っており、市役所では現在それらを主体的にできる人材を求めています。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/Copy_of_5556_9be416214e/Copy_of_5556_9be416214e.jpg" alt="Copy of 5556.jpg" width="2048" height="1536"><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/Copy_of_5552_9a907cd8bf/Copy_of_5552_9a907cd8bf.jpg" alt="Copy of 5552.jpg" width="2048" height="1536"><h1>２、イノベーション創出の出発点となる「広く開かれた共有の場」をいかに作るか</h1><blockquote>革新的な発想が難しい中で、主体的に協働・共創し、イノベーションを生み出していくためにはどうすれば良いのでしょうか？</blockquote>小林：小さくても良いので相手の課題を汲み上げることが重要だと思います。METRIKAのこれまでのDX人材育成支援の例では、現場の方に「デジタルは使える」と実感してもらわないとDX化は進まないことがほとんどです。実際にツールを使ってもらって、小さくても良いので抱えている課題を１つ１つ解決することで、実際に効果を感じて納得してもらうことが大事です。ただしデジタルは手段に過ぎないので、その課題が解決できるなら、状況によってはデジタル化する必要はないと思っています。廣川：事実を伝えることも大事だと思います。藤沢市の人口は今後数年は増加見込みですが、2035、40年くらいから人口は減少する予測です。市役所のお客様は市民なので、市民が減ると言うことは税収、つまり売り上げが減る業界にいるという現実を見て、行政職員の方々にも、市民の方々にも、危機感を持ってもらうことが必要です。そうでないと行動は変わりません。また、専門家でなくてもいいので、市民にDXを説明できる、アプローチできる人がどれだけ組織の中にいるのか、増やしていけるのかが大事です。SSTやSFC-IVは最先端が集まる施設ですが、評価されてるのは、建物や施設と人をつなぐソフトウェア・インタフェース支援の部分です。SSTもテクノロジーとしては素晴らしいけれど、街の人がどうすれば幸せなのか、どうしたら便利に思ってもらえるのかを理解して、ハード面や仕組みを作れる人がDX人材だと思います。また、そのために、スキルを持っている企業やスタートアップに投資をするという取り組みを、根拠を持って説明ができると市民からの支持も得られるのではないかと思います。官（市役所）が最後の砦というより、最初の投資家として投資するということができるようになってくると良い流れが生まれてくると思います。本間：市役所には、廣川さんの仰ったような座ぐみを提案された時に、やりたい気持ちはあるけどどう頼ったらいいかわからない、どう自分たちの仕事に繋げたらいいのかわからない人が多いのかなと思っています。最近市役所の自由に使えなかった掲示板で個人が発信できるようになったり、コミュニケーションポータルの開発が進んだりという動きが出てきましたが、自ら発信したり、広く話そうという文化はまだ浸透しきっていません。産官学連携や外部と繋がって仕事に取り組んでいる人はいますが、その知識や経験を共有する場や機会はまだ少ないので、その動きをさらに大きくするためにナレッジ共有の場を設けることは重要だと思います。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/Copy_of_5538_8c87a858c6/Copy_of_5538_8c87a858c6.jpg" alt="Copy of 5538.jpg" width="2048" height="1536"><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/Copy_of_5520_a9711e6eff/Copy_of_5520_a9711e6eff.jpg" alt="Copy of 5520.jpg" width="2048" height="1536"><h1>３、産官学で課題を共有し、理解を深める。連携してDX人材を育て、変革に繋げる。</h1><blockquote><h6>産官学での交流は3者とも初めての機会でしたが、いかがでしたか？今後取り組んでいきたいことはありますか？</h6></blockquote>小林：僕ら METRIKA は、今日のような課題の共有はすごく有り難いと思いました。おそらく普通の民間企業は、藤沢市役所のような官公庁の詳細の状況まではなかなかわからないので、こういう課題の共有はもっとして欲しいと思っているはずです。今回の鼎談もそうですが、お役所は我々のようなベンチャー企業だと受け入れてくれないのではという不安は少なからずありました。しかし、こうしてお互いの文化をリスペクトした上で、抱えている課題を共有する場を持つことで理解が深まり様々な問題を解決できるチャンスになったのではと思います。基本的にその課題が民間で解決できるなら、僕はそうしたほうが良いと思っています。しかし、良い街を作るためにはそれだけでは不十分です。誰もが使うインフラのようなものは公が主体となった方が良い仕事も多くあり役割分担が重要です。廣川：起業家育成施設であるSFC-IVをイノベーション創出にうまく使ってくれたらと思います。普段使わない筋肉を使ってもらうということはすごく大事です。SFCにはいろんな人がいて、挑戦を求めている学生も多いです。また、企業とのコネクションも多く持っているので、何かあったときに軽く相談にきてもらえばと思いますし、そういう関係性を作っていきたいですね。本間：今求めている人材もまさに「変革とチャレンジ」というところで、そういう繋がりは今後もっと作っていきたいと思っています。恥ずかしい部分を曝け出して、頼ったほうがうまくいったり、一回やってしまえばできてしまったりということも多いと思うので、この鼎談を皮切りに、スモールスタートで役所内の研修や、市民講座でスタートアップについての解説でMETRIKAを呼んだり、協働の機会を作っていけると良いですね。

地方自治体に求められるDX人材：産官学協働におけるナレッジ共有の重要性

「METRIKAの国外事業開発責任者  馬頭康輔が語る、自らの強みを活かして、理想の世界をつくるということ

METRIKAで活躍するスタッフ（通称、METRIKAN）はどんな人たちなのか。社員のパーソナリティを紐解く連載企画。今回は、海上自衛隊でパイロットを務めたのち、シンガポールに渡り、法人を設立してベンチャー海外支援事業を展開するなど、異色のキャリアを築いてきた国外事業開発責任者の馬頭康輔（ばとう こうすけ）に、これまでのキャリア、人生で大事にしていること、将来の野望について話を聞きました。生死隣り合わせの環境下での経験で得た強靭なマインドを持つ馬頭が見据える次の世界とは。 目次 1、これまでのキャリアとMETRIKAに参画したきっかけ 2、人生の軸を作った自衛隊での経験と、根底にある強い思い　 3、自身の強みと今取り組んでいること 4、これから取り組みたいこと<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/7314_b2227516c8/7314_b2227516c8.jpg" alt="7314.jpg" width="8256" height="6192"><h1>これまでのキャリアと、METRIKAに参画したきっかけについて教えてください。</h1>パイロットの夢を追い渡米。その後シンガポールで12年実務経験を積み、独立。高校の時はハンドボールをしたくて大阪の強豪校に入学し、練習に明け暮れ、インターハイで全国2位になりました。大学に入学した後も、ハンドボール三昧の学生時代を過ごしました。卒業後は英語科の教員として勤務したのですが、3歳の頃からパイロットになるという夢を継続して目指していました。念願叶い、海上自衛隊に入隊し、海自パイロットとして計5年間空を飛んでいました。しかし途中から艦艇要員へ配置換えとなり、パイロットとしてまだまだ飛び足りないと思っていたので、艦艇勤務後に退官し、最速で日本のライセンスに書き換えができるアメリカのFAAという国際免許を取得するために単身渡米。取得後帰国し、JCABへの書き換え手続きの間にまた教員として働きながら、日本でのライセンスを取得しました。日本のパイロットライセンスを取得したことで目標が1つ完結したことと、元々国防に興味があって海上自衛隊に入隊したこともあり、退官後は外から何の役に立てるだろうかと考えていました。退官する前の教官から背中を押してもらったこともあり、国防をハードは武力、ソフトは外交とで考えた時に、私は外交の方から応援しようと思い、ビジネスの世界に足を踏み入れることにしました。ただ、国家公務員という役柄上、ビジネスについては何も分からなかったので、 まずは営業から始めようと考えたことと、海外で実績を作りたいという思いがあったので、海上自衛隊の時にまだ行ったことのなかったアジアで、妻と一緒に暮らせるシンガポールに、当時は英語もあまり話せず、働き口もない状態でとりあえず出てきました。入国後は仕事の応募面接を30社くらいして、運良く上場日系メーカーへ現地採用され、そこで法人営業として働きました。私は営業に向いていたみたいで、1年で 7000人ほどいた社員の中で1番の営業成績を取り、2年目からはM&amp;Aや PMIの担当を担う事になり、計5年間営業とPMIに携わりました。PMI完了後の次のステージを探していた矢先に、営業先であった当時世界最大の海運会社にご縁を頂き転職することになりました。その海運会社では新規事業開発部門を任される事になり、7年で計13社の社内ベンチャーを立ち上げました。実務経験が増えてくると、社外からも色々とお声がかかるようになり、当時は子会社の社長としてアサインされていたものの、海上自衛隊同様、私はもっといろんな人の力になりたいという思いがあったので、永住権取得を機に独立をしました。そのタイミングでMETRIKA COO澤村さんと出会い、死生観や熱いパッションが合致して、ぜひ一緒にやりましょうという話になりました。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/7277_16c3e72baa/7277_16c3e72baa.jpg" alt="7277.jpg" width="8228" height="6171"><h1>大胆な意思決定をされてきたようですが、その際の「軸」は何だったのでしょうか？</h1>ビジネスの世界でも最後まで生き残る自信がある。人生に大きな影響を与えた自衛隊時代。結論から言うと、自分自身「感覚」が鋭い方かなと思います。 面白い方に流れる、ワクワクする方に進みたいという元来の性質があって パイロットの夢の完遂というところはそうでした。ですが、その次の海上自衛隊に行った時に、生死が隣り合わせの環境にずっといたので、そこで死生観がかなり変わり、「人生一度きり」というもう一つの軸ができました。この自衛隊の時の経験が、今の自分に大きな影響を与えていると思います。自衛隊って朝起きて出勤する前に身支度を整えていくんですよ。任務に就いたら帰ってこれない可能性がある、そういう危険な前線に行かないといけない、誰かが犠牲にならないといけないことをやっているので、死ぬというゲームオーバーが常に隣り合わせの覚悟がありました。それがビジネスの世界だと、ミスしても倒産しても、謝って、もう一度やり直せば何度でもリセットできるわけじゃないですか。一般的な会社勤めとは全く違う環境で過ごしていたので、1日1日を誰よりも大事に生きていますし、要所要所で常に自分の人生と向き合った上で決断をしています。究極を言えば、死なないのであれば何をしても誰にも絶対に負けないという自信がありますね。私は基本的に、まずやってみないと分からないので、何でもイエスと答えることをポリシーに持っています。最初はできなくても、改善を重ねていけばできるようになるというのがわかっているので、自分は必ず出来る、生き残る、そのメンタルの強さは自衛隊時代に一番鍛えられたと思います。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/7240_3187d4b5f9/7240_3187d4b5f9.jpg" alt="7240.jpg" width="8256" height="6192"><h1>今まで培われたご自身の強みは、METRIKAで現在取り組んでいることとどう繋がっているでしょうか？</h1>スマートな人と荒くれ者、上流と下流を繋ぎ、戦略を戦術に落とし込む。持ち前の強さを生かす。新規事業や立ち上げもですが、実務の方が強いと思っています。 コンサルの方は綺麗に戦略を書くと思うのですが、戦術まで落とせる人ってなかなかいなくて。それはなぜかというと、やはり綺麗事だけでは物事は進まないからだと思います。私は、戦術面は国防として携わっていましたし、戦略面も中国の孫子や、ヨーロッパの戦略家などの歴史を座学を通じて勉強していました。 このような自衛隊での経験を活かして、上流と下流の両方を結びつけられることは強みだと思っています。船舶会社にいた時の同僚は、フィリピン人の船員がほとんどで、監督と呼ばれるオフィス業務をする同僚も船員上がりの猛者たちで、海賊のような荒くれ者なんです。エリートの人たちってなかなか自分と違う意見を持っている人たちをあまりよく思わないじゃないですか。ですが、私はそもそも荒くれ者たちの源流を持っているので、入っていけるんですよね。スマートな人たちと、荒くれ者たちを両方を繋げられるというところが私の強みだと思います。METRIKAでは、私が得意とする戦略から戦術まで一貫して関わるプロジェクトに携わっています。また、12年シンガポールに在住しネットワークがあるので、新規マーケット開拓も行っています。METRIKAに入って良かったことは、優秀な頭脳が多いことです。METRIKAの人と一緒に話してると、自分自身の足りないところをたくさん発見でき、自分になかったアイデアを吸収できたり、話していて自分を高められるので、 面白いですね。また自衛隊の話になってしまうのですが、自衛隊は本当に優秀でタフな人が多いんです。特に幹部は非常にスマート、なおかつ精神的にもタフ、 心も熱いという人たちで、なかなか辞めた後にそのような種類の人には巡り会えないだろうなと思っていたところに出会ったのが澤村さんです。シンガポールで初めて会った時も、彼もすごく熱い人なので、こんなところに同志がいたのかという感覚で、ずっとその話で盛り上がってしまいました（笑）。METRIKAで取り組んでいることを聞いて、力になれるならぜひ一緒に私も参画したいなと思いました。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/7204_4f8e38437c/7204_4f8e38437c.jpg" alt="7204.jpg" width="8256" height="6192"><h1>今後取り組んでいきたいことについて教えてください。</h1>恵まれない子達に平等にチャンスを与えられる世界を作りたい。少し飛躍していますが、野望があって、世界中のお金を集めて、恵まれない子供たちに、しっかり分配できるシステムを作りたいんです。そのステップの一つとして、自分の会社を立ち上げ、日系ベンチャー企業のシンガポールでの新会社設立をサポートしています。組織図のイメージ的には、自分がCEOとして各ベンチャー企業に、代表取締役といった名前を貸し出して会社現地法人を立ち上げ、私がその法人を、組織・ビジネスから全て組み立てるということをしています。例で言うと、ミシュランのビブグルマンを受賞したシンガポール口コミ1位の「縁」(Enishi)というラーメン屋にも関わっています。うちのラーメンは日本円で一杯2500円と高いですが、One for Oneプロジェクトと言って、その一杯分（50％）をアフリカに届けるというプロジェクトの始動を予定しています。栄養失調で亡くなる人たちが世の中に大勢いて、この情報をもっと世の中に広め、貧困を無くしたいと思っています。 恵まれない子たちの方が実はハングリー精神が強くて、社会課題を経験している分、将来すごい人物に化ける素質があると思っています。彼らに平等にチャンスを与えたい、逆ピラミッドを作りたいと言う想いで、この事業に参画しています。このシステムが世界に広がれば、企業貢献もできるし企業価値もブランディングとして上がると思っています。METRIKAの仕事で言うと、METRIKAの人たちは優秀で聡明な頭脳の持ち主が多いので、自分が持っている視点と、自分は持っていないけど、他のメンバーが持っている視点がパズルのピースのようにはまるとすごいものが出来上がるという感覚があるので、今後は自分しかできないそこのピースを埋めに行きたいですね。<hr>

「METRIKAの国外事業開発責任者  馬頭康輔が語る、自らの強みを活かして、理想の世界をつくるということ」

「METRIKAインターン生 和泉麻耶が語る、学びを生かして今後取り組んでいきたいこと

METRIKAで活躍するMETRIKANはどんな人たちなのか。METRIKANのパーソナリティを紐解く連載企画。今回は、環境経済学を専攻し、METRIKAではインターン生として活躍する和泉が、今までの自身の経験、インターン生としての活動、これからの仕事について語った。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/7350_c3df4a05e7/7350_c3df4a05e7.jpg" alt="7350.jpg" width="8256" height="6192"><h1>春から社会人となる和泉さん、大学生活やこれまでの経歴について教えてください。</h1>資本主義と環境保護の両立のヒントを見出した留学での経験大学では経済学、中でも環境経済学という分野を専攻していました。行き過ぎた資本主義経済のままでは先に地球環境に限界が来てしまうため、経済活動と環境保護を両立し、経済面でも自然環境面でも豊かな生活を維持するにはどうしたら良いのかを考える学問です。専攻したきっかけは、元々自然の多い田舎の出身で土砂災害など身近に地球温暖化が進んでいるという感覚があったことや、 高校で世界の貧困や、戦争、紛争、人権問題、環境問題ついて学ぶ授業が多くあり、往々にしてそのような問題が解決されないのは利益が生まれないからという背景を感じ取っていたことです。そのような社会問題の解決の基盤となるのは経済だろうと思い、環境学と経済学の両方の興味ある分野が学べる大学を選びました。また、文部科学省の「トビタテ！留学JAPAN」という留学支援制度を活用して、1年間ドイツへの留学も経験しました。ドイツは日本と同様の産業立国でありながら、世界的に見ても先進的な環境政策を取り入れている国で、どこに違いがあるのか、何か日本での取り組みのヒントになるのではと思い、現地に赴きました。留学中は現地の大学で労働経済や国際経済の授業を受けつつ、 自主活動でコンパクトシティの視察や、慈善リサイクルのボランティアなど、地元の環境政策を体験しました。ドイツでは、スーパーのビニール袋は早くから廃止されていたり、RECUPというテイクアウト用のリターナブル容器が普及していたり、ペットボトルや缶など、リサイクルしたらデポジットのお金が返ってくる仕組みもあり、すでに経済活動に環境への配慮が組み込まれていることが当たり前になっていることを新鮮に感じました。現地に住んでいる子供達にインタビューした際にもそのような環境への取り組みの意識が当たり前に根付いている国だなと感じたことを覚えています。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/7379_e38be7c8be/7379_e38be7c8be.jpg" alt="7379.jpg" width="8256" height="6192"><h1>METRIKAにジョインしたきっかけやインターンでの学びを教えてください。</h1>求めれば色々な機会、経験を得ることができる刺激的な環境留学から戻った際に、社会人になる前に社会の仕組みや今後必要となるマナーや知識を習得したいと思い、インターンをしようと考えていました。そんな折に、所属していたゼミの教授の紹介で、当時ゼミ生とサステナビリティレポートを一緒に進めていたゼミOBでCOOの澤村さんと出会い、インターンとして参画させてもらうことになりました。METRIKAでは、最初は営業ロープレから入って顧客との商談、採用、広報と幅広く担当させてもらいました。働き出す前に自分が実際はどんな仕事が向いているのか知りたくて入ったこともあり、色々な職種を経験したいと伝えていたので、それぞれの職種としての働く意義や、この領域なら自分が価値発揮できるかもしれない領域を見つけた感触を得られたことは大きな収穫だったと思います。また、プロジェクトに参加させていただいた時は、会社の経営陣がどのように中期経営計画を進めているか、現場でDXを推進することの大変さなど、様々な状況を知る機会が多くあり、すごく良い学びで、楽しかったです。また、METRIKAメンバーのように自分の会社を起業していて、METRIKAでも前線で働いて、という多様な働き方をしている方達に出会えたのも大きな財産だと思っています。一人一人の戦闘能力が高いので、刺激が多いですし、社会人のロールモデルとして、仕事に対する向き合い方など、学ぶことが多くありました。一方で、大変だったこともありました（笑）。METRIKAでは、基本的に成果が求められます。費用対効果や、本当にお客様のためになっているのかを考える機会はこれまでなかったので、それを意識しながら業務に取り掛かるのは、普段使わない脳みそを使っている感じで、慣れるまでは大変でした。また、 営業の際には、顧客企業の事業領域はもちろん、業務改善、自動化などのトレンドを常にキャッチアップし続ける必要があり、進めていくのがすごく難しかったです。他にも忙しく働くメンバーが多い中で、ちょっとこれやっといて、とざっくりしたまま指示が降ってくることもよくあり、その仕事の背景や目的がわからないことが多かったので、自分で考えて聞いてみて、理解して、なるほど、とまず自分なりにやってみる。社会人として当たり前にできておいた方が良いスキルをたくさん経験することができました。METRIKAのインターンは良い意味で飽き性で好奇心の強い人にお勧めだと思います。手を挙げれば色々な仕事の機会があるので、これからやりたいことや、なりたいイメージが決まってる人で、でも自分は何が向いてるのかわからない、探していきたい、そういう人にお勧めかなと思います。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/7387_fbc2a1969c/7387_fbc2a1969c.jpg" alt="7387.jpg" width="8256" height="6192"><h1>今後METRIKAでやっていきたいことや、社会人として目指していきたいところはありますか？</h1>多様性のある日本にしていくために私にできること春からはメディア系の企業でグローバル事業に携わる予定です。大学でサステナビリティ領域に深く関わっただけに、今回メディア系に転向するのは、自分の中ではターニングポイントだと思っています。留学中にロシア・ウクライナ戦争が勃発し、嘆き憤る両国の友人たちや、前線に送られる戦車、近隣国からの大量の避難民を目にしました。地理的に離れていることも理由にあると思いますが、日本のメディアは現地の惨状をほとんど報道していないことに違和感を覚えました。留学中の情報収集源は主に海外メディアで、これでは日本の存在感が海外ではなくても当然だと思いました。また、以前から日本では異文化に対して排除というか、閉鎖的な感じがあるなと思っており、島国なので当然でもありますが、異文化に対して、寛容な社会になってほしいなという思いがずっとありました。そのため、日本でももっと海外の出来事に目を向け、理解が深まればという思いが生まれ、そういった世界を実現するために、メディアという手段を通して何かできるのではと思い、入社を決めました。METRIKAは世界の各地で活躍しているメンバーが多いですし、すごくオープンな会社なので、そこも自分が働く価値観に合っていたと感じます。私自身の性格的にも何か一つに注力するというよりも色々なことに興味を持つタイプなので、METRIKAを離れても、渋谷区のビーガンのプロジェクトなど社会に良い影響を与えるものをはじめとして、ぜひこれからも関わっていきたいです。<hr>

「METRIKAインターン生 和泉麻耶が語る、学びを生かして今後取り組んでいきたいこと」

「METRIKAの二刀流 野尻梢が目指す、デザイン×エンジニアリングが融合したその先の理想

METRIKAで活躍するMETRIKANはどんな人たちなのか。METRIKANのパーソナリティを紐解く連載企画第8弾の今回は、エンジニアとしてのキャリアを歩みながら、アート領域やユーザデザインの設計に情熱を注ぐ野尻が、これまでのキャリア、METRIKAを通して成し遂げたいことについて語った。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1492_72066b90e0/1492_72066b90e0.jpg" alt="段落① 1492.jpg" width="2560" height="1920"><h1>野尻さんがエンジニアやアートに興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか？</h1>中学時代の挫折と父の存在。「感動するものを作りたい」模索した学生時代出発点は、父親がシステムエンジニアだった影響です。Windows95が広がって、一般家庭でインターネットが使えるパソコンが整った小・中学生の時点で、父はすでにシステムエンジニアとして働いていました。そのような環境もあって、コンピュータを代表とするテクノロジーを使うことが、世の中のベースになっていくんだろうなっていうのを、前提として思っていました。あとは、私が生粋の「スラムダンク世代」で、小学生の頃からバスケットボールにハマって、バスケをすることが生きることだというくらいに熱中していた中学生の時に初めての公式戦の直前で怪我をして人生初めての挫折を経験しました。腐りかけたところである映画を見て心動いたことで「感動は生きる力になるんだな」とアートに興味を持ちました。自分も感動するものを作りたい。ただ、アーティストになるのはしっくりこなくて、アートとテクノロジーを掛け合わせたい、その方法を模索したいと思ったのが、その時でした。それまでは全然勉強してこなかったのですが、納得したり意義を見出したら頑張るタイプだったので、高校は猛勉強して進学校に進み、同時に美術学校にも通いました。その後、大学は工学部を選びました。裏話ですが、併願していた芸大受験の面接で、面接官の教授とアート論について意見が対立して面接会場を追い出されたことがあって（笑）自分が未熟だった部分は多分にあるのですが、その時に同じアート論を持てないと入学できないということに違和感を感じ、大学進学という形では芸術の道を選ばすに工学部に進むことにし、その頃は映画でテクノロジーといえばコンピューター・グラフィックと安直に思っていたので、その仕組みを構築するコンピュータビジョンなどの画像工学を学びました。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1500_9a4a13f083/1500_9a4a13f083.jpg" alt="段落② 1500.jpg" width="2560" height="1920"><h1>以前はご自身で会社を経営されていたとのことですが、どのような経緯だったか教えてください</h1>アートではなくデザインで。心が動く仕組みをコミュニケーションツールとして社会システムに活用するアートとテクノロジーの掛け合わせの形を模索している中で、現在YYARTS（ワイワイアーツ）を経営している山口裕美さんの本を立ち読みして感銘を受け、会いに行こうと思い、その本の中で紹介されていたNPOに入ることで実際にお会いしました。それがきっかけで裕美さんからアートの役割や可能性について多くのことを学びました。いきなりアートマネジメントの領域に入るには、私はまだ社会自体を知らないので、先にテクノロジーを習得するためにシステムエンジニアとして独り立ちするなかで社会の仕組みを理解しようと考え、5年間で一人前になることを目標に過酷な働き方をしました笑 結局はプログラミングからマネジメント、技術営業と幅広く挑戦する機会をいただいたおかげで7年間ほどでシステムエンジニアの職を離れることになりました一通りこの領域ではやりきったと思ったので、アートマネジメントの大学院を探していた時に、イギリスの大学を何校か見て回りました。しかし、歴史があることはよくわかるものの、どうもしっくりこなくて。その時に昔デザイナーの東泉一郎さんがおっしゃられた言葉を思い出したんです。東泉さんとは、先ほどのNPO団体の集まりでお酒の場を共にしたことがありました。デザイナーという肩書きではあるものの、教育制度の改革やJAXAとの共同研究などに携わられていて、みんなでなぜデザイナーという肩書きなのですかと伺ったことがあります。その時に「エンジニアリングは論理の積み重ねで答えを導くけれど、それだけではゴールに辿りつかないことがある。そこで論理をぽんっと飛躍させることができるのがデザインなんです。だから僕はデザイナーなんです。」と返ってきたのを思い出しました。それで「ああ、私はデザイナーになりたいんだな」と思いました。そしてそのイギリスで、慶應義塾大学のメディアデザイン研究科の大学説明会を見つけ参加しました。私が思っている「デザイン」の定義と同じだなと感じ、帰国2週間後の入学試験を受験し、入学しました。自分がアートにこだわっていた理由を言語化できたのは、メディアデザイン研究科に入ってからですが、現代アートの仕組み、現代アートというコミュニケーションの方法に興味があったのだと気づきました。映画を見て感動するといった、それを受け取った側が作り手の問いかけを受け取りながら自分の体験や状況、考えを統合させて受け取る余白があることでより心地よくメッセージを受け取ることができるという仕組みが、コミュニケーションのツールとして優秀だなと思いました。アーティストのような作り手になるというよりは、そのメッセージのやりとりの形を、コミュニケーションツールとして確立し、もっと社会に有効活用したいのだなと気づきました。ここまで自らの考えが整理できた修士過程在学時に、YYARTSの立ち上げに誘っていただきました。いま考えると、これが人生の第二フェーズへの入口で、誘っていただいたことにとても感謝しています。日本におけるアートが置かれている現状、アートの力、アートに期待できること、答えがひとつでない複雑な現代を生きるビジネスマンほどアートとの向き合い方が有効であることなども学びました。その後、YYARTSのグループ会社としてインバウンドの会社を立ち上げるのでそこでエンジニアとして手伝って欲しいと言われ、立ち上げを手伝いました。その会社からスピンアウトする形で、自分が代表のDSInnovationというデータを活用する会社を立ち上げました。そこでは、訪日観光客向けに、ポケットWi-Fiを通して収集されたパーソナルデータやビッグデータを活用してアップデートし、個々の観光客に最適なサービスを提供するインバウンド事業や、企業内データのデータ活用プロジェクト、データサービスの立ち上げ、慶應メディアデザイン研究科との共同研究支援などを行っていました。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1457_cc338928d0/1457_cc338928d0.jpg" alt="段落③ 1457.jpg" width="2560" height="1920"><h1>METRIKAにジョインしたきっかけは何だったのでしょうか？</h1>一人では限界があっても、METRIKAであれば、各工程で深いところまでやり切れるメンバーが揃っている。METRIKAに興味を持ったのは、自分が代表をしていた会社と考え方が近かったからですね。一番のキーは、テクノロジーベンチャーなのにデザインという言葉をわざわざ使っているところです。メディアデザイン研究科には、マネジメント、ポリシー、デザイン、テクノロジーの四つの柱があるんですけど、メトリカもテクノロジー、ビジネス、デザインの３つの柱を掲げていて、デザインの意味も自分の定義と同じだと感じました。テクノロジーをベースとしながら、それは手段であり、こだわるべきは顧客にとって価値ある仕事かという視点がとても共感できました。他にも、私はただモノを作って終わりではなくて、何を作るべきかから、作って、それがどう活きるか、最初から最後まで、一気通貫でやるべきだとずっと主張してきたんですが、言ってることは正しいし、わかるけど、できるの？と消極的な反応をされることが多かったです。それがMETRIKAは、それをやるべきだときちんと言い切っていて、こちらも自分の考えと合致しているなと感じました。そして一通り全部やるには中途半端になってはいけないとも思っていて。いい仲間に恵まれながらも、今まではほとんど全部一人でやってきていて、一人だとここまでしかできないなと思うこともありましたが、METRIKAは各専門分野でクオリティ高くパフォーマンスできるメンバーがちゃんといて。データ分析は小林さん、事業開発なら澤村さん、デザインなら増田さんという形で層が厚いなという感覚がありました。夢物語じゃなくて、ちゃんと顧客にとっての統合的な成果を追求しながら、各工程だけでも充分に深いところまでこだわり、実績をあげられるんだろうなと、METRIKAであれば顧客への提供価値をもっと良質にできると感じました。<hr> <img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1396_80c4cdd0b1/1396_80c4cdd0b1.jpg" alt="段落④ 1396.jpg" width="2560" height="1920"><h1>METRIKAでの野尻さんの現在の役割と、今後取り組んでいきたいことを教えてください</h1>デザイン×テクノロジーの力で、パーソナルデータの活用とユーザ目線のサービスを広げ、コミュニケーションの断絶を無くす新しいサービスを作るためのワークショップ、ビジネスの組み立て支援や、新しい技術と事業者のコラボレーションなどを担当しています。元々自分で会社を経営していた時にも、ユーザー体験のリサーチ設計であったり、みんながアイデアを出しやすくするようなワークショップの構成など、近いことも経験してきました。最初はワークショップの支援のみでしたが、最初に設計したワークショップが好評で、事業化に焦点を当てたワークショップも今後やっていくことになりそうです。他には、現在担当している自動車部品・車両メーカーのお客様のプロジェクトで、毎週・隔週行っているよろづ相談会です。相談会はベテラン向けと新人・若手向けの２プロジェクトが走っています。DX をちゃんと推進するためには、現場のことを知り尽くした方々がデジタルを使いこなすことが何よりも意義があるため、そのための支援を行っています。 澤村さんが人事、ビジネスなど、小林さんが統計、データ分析など、私がシステム開発、ユーザー体験、リサーチの領域などのようにそれぞれの強みを活かした支援をさせていただいています。METRIKAは2024年でもう4年目を迎えますが、最初から４年目以降はデザインに力を入れようと話していたので、デザインとテクノロジーとビジネスの３領域を融合させる案件に取り組んでいきたいと思っています。日本最大空港の案件でPMOをした際に、ユーザー体験の設計と事業化、それを支えるデータ基盤を開発したいがために、大手コンサルファームに発注したものの、結局はデザインチームとテクノロジーチームに分かれてしまい、うまく連携出来なかったということを体験をしたことがあります。一つのチームでやって欲しいから、わざわざ大きい会社に発注しているのに、別々の領域の人達がそれぞれで動いていて。テクノロジーとデザインでは、見てる目線も、使う言葉も違うため、両者がチームとして噛み合っておらず、案件としてデザイン×テクノロジーの両立が求められるものは増えてきているのに、現状ではまだやり切れていないと感じています。ここまで堅実にAIやテクノロジーに強い会社が、デザイン事業を、その領域だけでも事業が成り立つほど実績をあげている事例はほとんどないので、METRIKAの三つ巴の強みをうまく使って、全部が噛み合うことで生まれる面白く意義のあるプロジェクトを通して世の中に価値提案をしたいと思っています。また自分が関心をずっと強く持っている、データを自分のために活用させるパーソナルデータの切り口でいうと、今後は個人と事業者、さらに社会全体のコミュニケーションの仕組みをもっとバランスよくしていきたいと思っています。例えばGoogleはサービスを提供していて、ユーザーはデータを提供して、というように、お互いがいるから成り立っているサービスなのに、プラットフォーマー優位で進んだり、逆に今はデータの扱いをめぐってユーザーの声が大きくなって事業者が批判されたり。パーソナルデータとそれを生かしたサービスのパワーバランスが取れておらず、お互いがうまくコミュニケーションができていないと思っています。コミュニケーションの断絶を無くしたいというのが、一番根底の個人的思想としてあって、博士課程の研究領域としては中でもこのパーソナルデータの活用という文脈での解決に着目しています。生きることって簡単ではないです。でも「善く生きる」をヴィジョンに掲げているMETRIKAであれば、私が好きな宮崎駿さんの言葉 ー 『この世は生きるに値する』 ー と思えるような人を一人でも増やすことができるのではないかと楽しみにしています。<hr>credit ライティング：和泉麻耶 編集：村田莉野 写真：田野英知 撮影場所: Art gallary YYARTSArt gallary YYARTSについて 山口裕美（やまぐち・ゆみ） アートプロデューサー。 アーティストが孤軍奮闘する日本の現代アートの現状の中で、常にアーティストサイドに立ったサポート活動を続けている。日本の現代アートを世界に向かって発信するその活動から「現代アートのチアリーダー」の異名を持つ。写真内作品について 福井利佐（ふくい・りさ） 1975年静岡県出身。多摩美術大学グラフィックデザイン専攻卒業。切り絵アーティスト。1999年 JACA日本ビジュアル・アート展 特別賞。精緻な観察による描写のきめ細やかさと大胆な構図で、観る者を圧倒させるような生命力のある線の世界を描き出す。 参考URL：<a target="_blank" rel="" href="http://yyarts.co.jp/risa-fukui-letter-pictures/">http://yyarts.co.jp/risa-fukui-letter-pictures/</a>

「METRIKAの二刀流 野尻梢が目指す、デザイン×エンジニアリングが融合したその先の理想」

【連載 METRIKA with】金融業界における非財務領域の可視化のトレンドと、 ソニーフィナンシャルグループ (

【連載 METRIKA with】金融業界における非財務領域の可視化のトレンドと、 ソニーフィナンシャルグループ (株) の非財務情報の取り組みについて

「METRIKAのルーキー 笠柳翔が目指す、興味の赴くものに挑戦し続けるということ

METRIKAで活躍するMETRIKANはどんな人たちなのか。METRIKANのパーソナリティを紐解く連載企画第7弾の今回は、METRIKA、リクルート、そして友人との会社経営の3つの組織での経験を持ち、ストイックに自己研鑽に励む笠柳が、これまでの自身の経験、興味関心、将来の野望について語った。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/image3_cdbd7b8c46/image3_cdbd7b8c46.jpg" alt="image3.jpg" width="1585" height="1494"><h1>今年の春に大学を卒業されたばかりかと思いますが、これまでのキャリアについて教えてください。</h1>原動力は好奇心。アメリカ生活とインターン経験で広がった世界高校までは、部員が120名くらいいるサッカー部で、勉強とサッカーの2つに注力してきました。特に英語が好きで、大学1年生の時は、学校で一番難度の高い英語のクラスにいて、色々なプログラムが取れたので、留学生と交流したり、TOEICをとったり、夏休みにアメリカに行ったりと、経験する中で人種やジェンダーなどの世界が広がりました。大学2年生後半にインターンを始めて、1年半以上働いたインターンは掛け持ちも含めて4つありました。最初はどの会社で経験を積めば良いかわからなかったので、Wantedlyで見て、自由な社風の企業を中心に受けましたが、2社目以降は、自分がインターネットやデジタル領域が好きだったので、その軸で選んでいきました。1社目2社目では、ブランディングやCXデザインをしたり、インターンがいない環境で社員とマーケティングをしたり、PMをしたりと、様々な働き方を学ぶことができました。働いていく中で、グローバルで勝負してるアジア発ユニコーンがはどんなものなのか純粋に知りたくなって入ったのが3社目のByteDanceです。今まで働いてきた会社の1年分の売り上げを1、2ヶ月で達成するような環境で、ユニコーンの開発力や、成長の仕方を体感できたのがすごく楽しかったです。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/image5_0aec69cc57/image5_0aec69cc57.jpg" alt="image5.jpg" width="1999" height="1500"><h1>METRIKAにジョインしたきっかけやMETRIKAの魅力を教えてください。</h1>METRIKAは色んな面白い人と大企業並みのアセットがあり、新しい技術やプロダクトを見れるのですごく面白いMETRIKAはサンフランシスコにいた時に見つけました。4年生の7月〜10月くらいにビザを取る形で、サンフランシスコにいたんですがByteDance（日本）を見て、じゃあ次グローバル（アメリカ）でシステムはどうなってるんだろうっていうのをみたいなと思って、友達とプロダクトを作りながら、Y combinatorとかPlug and Playとかのアクセラレータを回ったり、投資家と話をしている中で、改めて自分で物を作りたいなという思いがすごく出てきて。休学したひとつの目的として、学生のうちにインターンでエンジニアを経験して、社会人になってからも繋げたいなという思いがあったので、サンフランシスコにいる最後の1ヶ月でインターン先を調べて、ちょうどクリプトがアメリカですごい流行ってたので、「ブロックチェーン・開発」のインターンで調べたら澤村さんの記事が出てきて、そこから応募したのが最初です。実際に面接で話をしてみると小林さんが統計系で高い技術力がある方だったので技術レベルの高さや、大学教授などアカデミックな人もいて一緒に働く人たちが面白そうだなと思って参加しました。METRIKAではエンジニアとして開発業務を担っています。METRIKA内でいろんなプロダクト、領域を見れるところが面白いなと思います。小さいプロダクトというよりは、大企業と組みながら進めているケースが多くて、スタートアップらしくなくてとても魅力的で良いと思いますね。エンジニアとして働く上では、様々な技術が必要なので、プロダクトをやりつつも、他の新しい技術を学んでいく必要があります。今は分散型データ基盤技術を用いたMETRIKA HUBの開発で、Apache SupersetっていうOSSをハードフォークしてという経験などスタートアップらしからぬ大企業並のアセットと環境があるなというのはすごく感じています。METRIKAでの仕事は、現在働いているリクルートでエンジニアとしてすごい経歴を持っている同僚たちに話しても、技術的に面白いことやってるねと言われるので、開発力も高いですし、野尻さんのようにエンジニアですが会社経営を理解している方もいるなど技術的にも人的にも魅力だなと思います。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/image4_6e29add1a2/image4_6e29add1a2.jpg" alt="image4.jpg" width="1999" height="1500"><h1>METRIKAとリクルート、それぞれでの仕事内容をどのように活かしていきたいですか？</h1>METRIKAとリクルートそれぞれで、エンジニアとしての基礎固めと経験を積むリクルートではプロダクトグロースコースっていうPDM*とかPMの促進、その中でも新規事業開発室にいるので、様々なアプリから集まった位置情報のデータを使って、行政や消費者向けに新しい事業を立ち上げていくということをやっています。METRIKAとリクルートは両方ボトムアップで意見を上げられる風通しのいい環境だと思います。リクルートではPMとして働いていて、データエンジニアと開発エンジニアと話す機会も多いので、どれだけ開発のことがわかってるか、手を動かせるのかというのは個人的にすごく大事だと思っています。逆にMETRIKAの仕事では、METRIKA HUBのPIツール開発でリクルートでやってることもこれまでやってきたことも含めて、活かせるところは活かして、自分の基礎を固めていくところかなと思います。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/image1_ba382445ec/image1_ba382445ec.jpg" alt="image1.jpg" width="1186" height="1186"><h1>今後METRIKAでやっていきたいことや、社会人として目指していきたいところはありますか？</h1>組織に縛られず、自分の興味のある分野で勝負して理想を形にしていきたい2段階目標があって、1段階目は、エンジニアとしてまずは仕事がこなせるようになっていきたいですね。ファンプラスの案件では、まだフロントとバックエンドの軽微のバグの修正やテストコードを書いたりしていますが、今後は新規で一人で開発ができるようになりたいです。2段階目としては、開発力はこれから伸ばしていくとして、それ以外でも自分が会社に貢献できることをやっていきたいという思いがあります。ボードメンバーに人を紹介してご飯に行く機会をつくったり、ビジネス的なところは、これまで大学で経験してきたところでもあるので、会社に貢献できたら良いなと思います。今後の目標は3年後くらいまでは決まっていて、後ろの壁の張り紙には、3年後の25歳になるまでの目標と今年の目標と、それぞれ3ヶ月単位でどこまで進んでいたらいいのかが書いてあります。まず今やってるMETRIKAとリクルート、そして都市の食と農と流通を大きく変えたくて友達と起業している会社の3つは、3年かけてしっかり形にしたいと思っています。直近注力したいのはエンジニアリングと英語を伸ばしていきたいですね。25歳になった時、2つのパターンを考えていて、1つ目が、プロジェクト・ビジネス系、エンジニアリング、グローバル、デザインアートの領域に興味があるので、社会人学生で芸大に入って、リクルートをやめて、自分の会社とエンジニアとして技術力を磨いていくこと。2つ目が、CS（コンピュータサイエンス）でアメリカの大学院、アイビーリーグなどのトップ校にいきたいなと思うので、基礎のところから学んでみたいことです。どちらにしても、これまでもそうしてきたように、組織に縛られているというよりかは、自分の興味のあるところでやりたい、頑張りたいなという思いがあります。<hr>

「METRIKAのルーキー 笠柳翔が目指す、興味の赴くものに挑戦し続けるということ」

「METRIKAの何でも屋 北岡が語る、幅広いキャリアを歩んだ先にMETRIKAで成し遂げること

METRIKAで活躍するMETRIKANはどんな人たちなのか。METRIKANのパーソナリティを紐解く連載企画第三弾の今回は、自身でもMETRIKAのなんでも屋さんと話す北岡が、これまでの異色のキャリア、仕事で大切にしていること、METRIKAで成し遂げたいことについて赤裸々に語った。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/image3_1_e45dc64e94/image3_1_e45dc64e94.jpg" alt="image3 (1).jpg" width="1999" height="1500"><h1>１、お米の研究からコンサルファームへ、狭い価値観を脱したタイミング</h1><blockquote>北岡さんはご自身でもMETRIKAの何でも屋と形容されるほど幅広い領域に対応されていますよね。これまでのキャリアはどのような変遷だったのでしょうか？</blockquote>私は生まれてから大学までずっと名古屋で、大学では学部生の時にお米、特に浮イネの研究をしていました。大学院では、お米から少し離れて植物の研究をしていました。浮イネは普通の稲とは違い水かさが上がるに連れて根が伸びていくという特徴があります。カンボジアなどの降水量の多い地域でも稲が生き延びられる仕組みを遺伝子解析で特定し、米の収量が高いコシヒカリ等の品種と掛け合わせることにより、洪水地域の食料問題解決に繋げられるよう研究をしていました。卒業後、私は農業のファームから総合コンサルのファームに移ることになります。きっかけは大学の時に入っていたディベート部です。入学当初は、ESSという国際交流のサークルに所属していて、外国人とパーティーで交流するのがメインの活動だったのですが、もっとビジネス的な場面でやる英語をやりたいと思って、その中でディベートのサークルを立ち上げて活動していました。ディベートはパーラメンタリーと呼ばれるイギリス議会を模した形式でして、「安楽死に賛成かどうか」とかSFチックな「人間の欲望を完全に抑えた世界と、そうじゃない世界があった場合、どちらがいいんだろう？」等のテーマがありました。当時はマレーシアや香港 等で開催された国際大会に参加をしたりもしていました。名古屋出身の方ならわかると思うんですが、名古屋の大学生は東京の就活事情にあまり詳しくなくて、トヨタ関連会社に就職したらゴールみたいな感じでいる人も多いイメージです。私もそういう世界観で大学まではいましたが、ディベート部で、東京、京都、九州と全国各地を飛び回ったり、他国に行く中で、それだけの価値観の世界に閉じ籠っていては何も成せないなと感じるようになりました。そして先輩から「ある程度はディベートの世界で成果も出せているので、コンサルの世界に行ってみたら活躍できるんじゃない？」と助言をもらい、当時はコンサルは何をやっているのかわからないながらも、とりあえずビジネスのことを幅広く学べそうだなという流れで総合コンサルファームに入りました。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/image5_1_2e0310ae3c/image5_1_2e0310ae3c.jpg" alt="image5 (1).jpg" width="1999" height="1500">コンサルに興味を持った背景として、大学、大学院での研究時代の時に感じた、「興味のある領域や真理追求を、自分の世界に没頭して突き詰めたい」という感情と、「独りよがりだと虚しいだけだから、社会や世の中に影響を与えていきたい」という感情の両方を満たせそうに感じたからです。その2つの感情の間を埋めてくれるのは、個々が興味を持って「面白い」と感じられるものを資本主義の中で世のため人のためになるようにビジネスの形に落としてあげることなんだな、と感じたのもありまして。一旦コンサルではビジネス専門性を高めるというのが当時のキャリア戦略でした。正直、外資コンサルは相当厳しいイメージかつ、就活/インターン/アルバイトにあまり触れてこず外界との繋がりが疎遠なまま閉じ籠りっきりだった自分としては、チャレンジングすぎて人生終わるかもしれないなという感覚もありました。ただ数年でクビになったとしても、他で戦えるスキルは得られるだろうと楽観視もしていました。 コンサルの仕事は次々と異なるプロジェクトの中で新しいテーマと出会えて面白かったですが、特に若手のうちは与えられたプロジェクトに左右されて自分の色が出しづらいことも多く、覚悟していたより環境がぬるかったり、やることがすでに決まりきっているプロジェクトも多く「そもそもこれをするのが正しいのだろうか？」という葛藤も多々ありまして、次のキャリアに向けて他の事にも手を出すようになっていきました。挑戦の一つとして「異文化コミュニケーション」をテーマにした本の出版を手伝いました。私はビジネスもアカデミアも好きなので、その双方の人を繋げられたらいいのではないかと考えて制作したものです。インドのお弁当（ダッパーワーラー）販売会社の論考を私は寄稿しています。ざっくりいうと、DXやデジタル化がもてはやされているが、地域の土地勘のある人の力を活かしてビジネスモデルを設計することで当時のITオペレーションよりも高い品質でのオペレーションが実現できる、という事例についてまとめたものです。最近も、生成AIに対して、「人間はこれからどのような仕事をしていくことになるのか？」という議論が展開されることも多いですが、そうした議論に通づるところもある論考です。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/image4_0e1ec40c8f/image4_0e1ec40c8f.jpg" alt="image4.jpg" width="1999" height="1500"><h1>２、広告業界で学んだロジックではなく人の感情を動かすということ</h1><blockquote>ここまでのキャリアも研究、コンサル、本の出版など様々なことをされていますが、その後は広告業界とまた違った経験をされていますよね。どんなきっかけがあったんでしょうか？</blockquote>これもまた、私の業務外での挑戦の一つとして、コンサル転職希望者向けの社会人コンサルブートキャンプを運営していました。この時に転職先である広告代理店役員の方から声をかけられて参加しました。正直、当時は広告業界のこともあまり知らず入社しました。今思うと華々しくて、遊び好きな人が多いイメージなので、全く自分とは合っていませんでしたね。選考時も他の候補者は、高級バックやジュエリーのブランド、マーケティングの話をしている中で、蚊取り線香のキンチョーが伝染病の多い国に展開したビジネス戦略の話だとかをしていたのを覚えています（笑）ただ、広告業界の扱うブランド・マーケティングの分野はロジカルとは対極でありつつも、大衆を操作できる凄いものであるというイメージを持っていました。私はどちらかというと人より感受性が低い方の人間であると自覚しているので、人の感情が何なのか？人の感情はどういう仕組みで動いているのか？というのは大学時代から興味があり、よくわからないながら転職を決めました。その広告代理店自体は数万人の社員がいますが、自分が所属していたのは、その中の40人の少数のコンサル部隊です。いざ入社すると、やっぱり自分は異質な存在だったように思います。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/image9_1_48f12ef7d4/image9_1_48f12ef7d4.jpg" alt="image9 (1).jpg" width="1999" height="1500">基本的にお客様は本部長、取締役、社長や会長になることが多く、圧倒的な能力と個性を持ったマネージャー陣がチームでの裁量を持っているために、師匠に弟子入りして学ぶ子弟制の様な職場でした。皆さんが知っているような大手消費財のマーケティング、地方テレビ番組の企画、製薬会社のグローバルのブランドコンセプト策定 等、新卒の時は味わえなかったスケール感の大きいことに一気に取り組めるようになりました。新卒時の会社は、プロジェクト体制の分業が進みすぎていて、全体としては大きいプロジェクトであっても形式的な動きしかできなかったりしていたので、「面白さ」という点でもより良い経験ができたと思います。プロジェクト内容に幅がある一方、やはり感性や情緒が主戦場になって、世の中のファッション・流行りものを本当に好きでやっている人達の中で、自分が真正面から戦うのは厳しいとも感じました。そんな中で自分が行き着いた領域は、ブランド・マーケティングといった感覚的に意思決定されがちな分野をデータでゴリゴリ分析して、市場ポテンシャルや施策の影響予測、消費者の反応 等の客観的事実でチームをサポートする立場でした。２年ほど働く中で自分の強みの活かし方を模索し、さらに自分に合った形で強みを伸ばせる場所への転職を検討するようになりました。丁度、東大の物理出身で理系研究者を目指していた知り合いの方が立ち上げた会社から声がかかり、創業時はある程度理念的には方向性が合っていそうだったので入社することになりました。データサイエンティスト向けのコンペの開催、DX人材のマッチングなどをしている会社です。データサイエンティスト/研究者のように全く領域の違う人々を繋げること、その中でプロジェクトをすることに楽しみを覚えました。 その後、会社の方向転換もあって業態も変わっていき、専門性の高い尖った人材との協働機会も減っていく中で退屈さを感じていたところ、CEOの小林さんから声をかけて頂いたのがMETRIKAと出会えたきっかけです。澤村さんや増田さんなどの各領域で成果を挙げてきた方々に出会えた他、様々な領域で尖った人材との共創提案やプロジェクトを通じて、METRIKAでできることのポテンシャルをより一層感じ、のめり込んでいきました。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/image2_1_22a9749cfe/image2_1_22a9749cfe.jpg" alt="image2 (1).jpg" width="1999" height="1500"><h1>３、METRIKAでの役割と今後成し遂げたいこと</h1><blockquote>幅広いキャリアで様々なご経験を積まれてきたんですね。北岡さんの現在のMETRIKAでの役割や今後成し遂げたいことについて教えてください。</blockquote>役割としてはなんでも屋ですかね（笑）、悪く言うと器用貧乏でもあるなと思いますが、統計・データ周り、広告周り、ビジネス周り、ブランド周り、色々広くやってきたがゆえに、データやビジネス、デザイン、ある程度の範囲では穴を埋められる存在だと思っています。データ分析ができ、かつ違う分野も理解ができる、その間の橋渡しが自分に求められているんだと使命感を感じています。例えば、とある部品メーカーさんのプロジェクトでは、目下求められていることとしては細かいデータフローの業務改善が強かったりするんですよね。でもその一方で、その会社はすでに業界トップクラスの取り組みができていて競合企業も多様な領域に着手できている中で、本当に取り入れるべきは社会トレンドやこれまでの会社の変遷を踏まえて、その会社として当該領域でどうビジョンを持つのか？という話だったりします。この両者を繋げてプロジェクトを成功に導くために自分の役割が必要なのだと感じています。METRIKAの魅力は、自分が知らない分野のエキスパートとともに働くことができる点です。ある特定の分野に秀でた方がとても多いので、うまく組み合わせて、それぞれの人が持っている良さをうまく橋渡しし、新しい良さを生み出すことができる、そんな関わり方もできます。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/image7_1_acbc872687/image7_1_acbc872687.jpg" alt="image7 (1).jpg" width="1999" height="1500">対クライアントへの価値提供でいうと、正しいことを言うだけでなく、遊びや寄り道の要素も入れながら顧客自身が心から解決したいと思える課題の解決に伴走するパートナーとなりたいです。コンサル業界にいたときに感じたのですが、「社長がこうだから。本部長がこうだから。」と、本人の意思と反していても、「サラリーマンだからね」と諦めている方を沢山見てきました。また、そういう方々に御用聞きで無難な他社事例を提案しているコンサル会社の方も沢山見てきました。それだと、お互い型にはまっていることをただやるだけになってしまうし、嫌々仕事してつまらないと思うんですね、さらにそれって組織の中に無理してやらなきゃいけない雰囲気を伝番させてしまうじゃないですか。で、本質的にやるべきでないことに会社の貴重なお金が流れていったりする。なので、クライアントが解決すべき課題に対して言いづらいこともしっかり言う。プロジェクトとして価値につながるのであるなら、憎まれ役もお調子物も買って出る。そんな姿勢で挑み続けたいですね。正しい事、役員/お客さんにただ聞こえの良いことを伝えるだけではなくて、ちゃんと企業の課題と向き合う、それだけでなくプロジェクトに遊びの要素を入れることで、関わってくれた方々も楽しく刺激的でいられて、馬鹿真面目にプロジェクトを進めていた場合には思いもしなかった結果を得られる、そして関わってくれた全員の幸福度が上がっていく、大変かもしれないですがそんな仕事をこれからもし続けていきたいです。

「METRIKAの何でも屋 北岡が語る、幅広いキャリアを歩んだ先にMETRIKAで成し遂げること」

「COO澤村が語る、企業の戦略参謀として価値発揮するということ

METRIKAで活躍するMETRIKANはどんな人たちなのか。METRIKANのパーソナリティを紐解く連載企画第二弾の今回は、COOでビジネスサイドをリードする澤村がこれまでのキャリア、行動の根底にある価値観、METRIKAの目指すところを語った。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1631_38f30253cc/1631_38f30253cc.jpg" alt="1631.jpg" width="11648" height="8736"><h1>10年間人材業界で活躍されてきたと思いますが、転身し、メトリカを創業しようと思ったきっかけはなんですか？</h1>大きなことを言うようですが、日本の企業を、社会を元気にしたいと思っていて。ものづくりの世界では日本はNO1だと思うんですが、次の3年5年のスパンで考えた時に、今のままではまずいという危機感がありました。逆に、いま日本がデジタル化の波を乗りこなすことができれば、ものづくりという強みにレバレッジを掛けられるはずとも考えていました。そんな時に支援先のベンチャーでCDOをしていた小林に出会い、２人で起業したいと声を掛けてもらったことがきっかけです。また自身のキャリア全般に通じる考えですが、自分というリソースをどこに配置すれば、一番活かすことができるか、頭の中で常に盤面を考えるようにしていて。独立して人事コンサルになることもできましたが、人事、新規事業、経営戦略を大手で10年やってきた経験と元々の自分のパーソナリティを考えると、自分の価値を最大限社会に還元できるのはベンチャーの中に身を置くことだと思いました。METRIKAのお客様はその業界で日本を代表する企業ばかりなので、要求水準は極めて高いですが、クリアしていくとまたMETRIKAがやれることが増えていく。創業してからのこの2年間、正直辛いと感じることはなかったです。むしろ、いつも自分が思った正しい道を直線距離で走れるので、素直でいられています。楽しかったが故に成果もついてきていますし、今はMETRIKAを大きくすることが世の中にとって最も価値を還元できると思って、全力でやっています。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1615_89d95ad423/1615_89d95ad423.jpg" alt="1615.jpg" width="11648" height="8736"><h1>人材業界に入ったのはなぜですか？</h1>元々マクロで物事見るのが好きでした。どこを学んだら希少価値が高く、競合優位性を持てるかを考えていて、大学に入る時は次に時代のニーズが高まるのは確実に環境分野だなと思い、地球環境問題やエネルギーマネジメントゼミに入り、非財務情報への取り組みが中長期で株価に与える影響について研究していました。そんな中でキャリアや僕の人生観に大きな影響を及ぼしたのは東日本大震災です。当時は大学3年生で、地震発生後に石巻でボランティアをしていて。日常って当たり前ではなく、自分ではどうしようもなくある日突然理不尽に奪われるということを目の当たりにしました。よく生き急いでいるなんて言われることもあるんですが、今日明日死ぬんじゃないかと思って生きているのは、その時の影響が大きいと思います。そして、研究分野が株式に関するものだったので、証券などの世界に進むことも考えていたのですが、東日本大震災のような極限状態の時には、株価がどうかとかに詳しくても目の前の人は救えないと感じました。炊き出しに並んでいただく方々と会話していると、だんだん元気が無くなっていくんです。お腹は満たされるけれど、自分が働いて稼いだお金ではないもので自分が生きるということに、だんだんと虚しさを感じると言ったある方の言葉で、「はたらく」ということは、人間の生きる理由に密接に関わっているのだと感じました。そこで「はたらく」について知ろう。経営で最初に考えるべきことは、人なので、それについて知ることができれば、きっと未来の自分に役立つだろうと人材業界に入りました。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1648_5e8d4122ce/1648_5e8d4122ce.jpg" alt="1648.jpg" width="11648" height="8736"><h1>どのような子ども時代を過ごされたのですか？</h1>自分ではそのつもりはないのですが、影響があるとしたら、幼少期から経営者になることを刷り込まれてきていたというのがあるかもしれません。実家が関西で70年続く中小企業を経営していたので、ニュースを見ていても、「お前はどう思う？どう捉えてどう行動する？報道や教科書に書いてあることが本当だとは限らない、物事の本質は人に教えてもらうものではなく、自分で考えて会得するものだ。」と教えられてきました。また親があまりゲームを買ってくれなかったので、子どもの時はひたすら山を駆け回っていました。中でも家の裏山で秘密基地を作る遊びでは番はまっていて、弓矢を作ったり、落とし穴を作ったり。弓矢に関しては素材だったり、形だったりでどれが一番飛ぶか組み合わせを科学することや、なぜトンボは同じ位置でホバリングできるのだろうとか疑問に思い、生物の図鑑を見ながら解剖して筋肉の構造を調べたりしていました。中学受験して中高一貫校に入りましたが、部活で挫折してからはネットの世界の住人たちの方が話があうとネットゲームに没頭するようになりました。特にシミュレーションゲームが好きでした。大航海時代の提督や戦国の武将になって、どうやって戦略を立ててエリアを集中に収め雇用を増やし、利益を増やすかという感じのゲームを1日12時間くらいしていて。朝までゲームをして、学校で寝るという毎日を繰り返していました。そんな日々が続いたある日、学校の先生に退学直近だと呼び出されました。そろそろゲームからは足を洗わないと現実社会に戻ってこれないと思って、色々な部活を見るなかで、剣道部に入りました。小さな部でしたが、尊敬できる先輩にも出会い、試合に勝つよりも先に部を立て直すことを任されて、剣道部のリブランディングをするような経験もしました。大学生の時には塾講師とアパレルでアルバイトしていたんですけど、経営者に恵まれずに両方潰れてしまって。家業も同様ですが、なぜ成功する会社がある一方で潰れる会社があるのか、どうすれば市場で勝てるのかを科学したいと思うようになって、現場で気づいた分析をノートに書き溜めていました。そういうのが今の仕事にも繋がっているのだと思います。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1628_516220ce5c/1628_516220ce5c.jpg" alt="1628.jpg" width="11648" height="8736"><h1>これまで澤村さんご自身のお話しを色々聞かせていただきましたが、澤村さんの思うMETRIKAの強みはなんでしょうか。</h1>METRIKAの強みは、全員が本質に対して素直に、正面から向き合っていることです。大きな組織に身を置いていると、本質に向き合うことがいかに難しいか私たちは知っています。ベンチャーの強みは、やはりスピードです。これが「正しい」と思ったことに対して、直線距離を最短で駆け抜けることこそが価値です。METRIKAのメンバーはそれぞれが大きく異なるキャリアやスキル、文化的な背景を持っていて、その多様性も強さだと思っています。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1654_afc713224d/1654_afc713224d.jpg" alt="1654.jpg" width="11648" height="8736"><h1>新規事業や経営戦略に携わるプロジェクトが多いと思いますが、意識していることは？</h1>いつも考えているのは、意思決定の一つひとつが、組織を取り巻く環境にどんな影響を与えるかということです。将軍や参謀が間違った戦略をとった場合、その被害は甚大です。どれだけ現場が頑張ったとしても、戦術で戦略のミスは取り返せません。自分が立案をする際には、デジタル、テクノロジー、ビジネスの３つの視点を切り替えて戦略を考えています。そのためには判断の中心として、何より顧客の現場をよく知ることが大事だと思っていて、フレームワークやケースにただ当てはめるのではなく、組織を構成する一人ひとりがどんな想いを持っているのか、その集合体である文化はどのような状態にあるのか、一緒に語りあうことが大事だと思います。日本の企業を強くするための戦略参謀の立ち位置を、もしMETRIKAが担えたらこれほど嬉しいことはありません。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1685_4b28154336/1685_4b28154336.jpg" alt="1685.jpg" width="11648" height="8736"><h1>仕事でのこだわりやマイルールはありますか？</h1>あんまりないと思っていましたが、自分が売るもの、提案することは自分が完璧に理解していないと嫌で、自分が使ってみないと気が済まないタイプだと最近気づきました。お客様と本心で語って、対話するのに、ドメインの知識はマストだと思っていて、我々はこの領域でトップクラスですと胸をはって言えるためにも自分たちの武器を磨き続けないといけないし、そのケイパビリティのある人たちがMETRIKAでも活躍いただけていると思います。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1691_8f9031b720/1691_8f9031b720.jpg" alt="1691.jpg" width="11648" height="8736"><h1>これからやっていきたいことは？</h1>METRIKAの目標は21世紀を代表する企業になることです。いま自分は妻の仕事の都合でシンガポールに住んでいるのですが、国外に居住したことでより世界を舞台に戦いたいと思うようになりました。創業して3年目ですが、すでにドイツからのフルリモートメンバーがいたり、アメリカ進出も進めています。王道こそ正道だと信じているので、何かトリッキーなことをするというよりも真正面から戦いたいと思っています。そのためには何よりも一緒に働く人が重要ですから、一緒に仕事をしたいと思える、さまざまな分野でトップの人達を集めたアベンジャーズを作っています。 またどうすれば企業が成功し、どうすれば失敗するのかはライフワークとして興味があるので、最終的には渋沢栄一のように死ぬまでに100社創ってその真理を探っていくと言うのが個人としてやりたいことですね

「COO澤村が語る、企業の戦略参謀として価値発揮するということ」

【METRIKA talk：一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン代表理事 坂野 晶さん】社会の仕組みにアプローチし

データサイエンス・AIを武器にデータと戦略を紡ぐMETRIKAが、様々な領域で活躍する人々と対談する「 METRIKA&nbsp; talk」今回は一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン代表理事 坂野晶さんをお招きし、COO澤村と、行政と企業が持つそれぞれの環境問題へのアプローチ方法や、データが環境問題に関してできることについて話します。<img src="https://media.graphassets.com/resize=width:1416,height:1064/IbZiyd4ISKjECLjJW0AR" alt="" title="7484 (1).jpg"><h1>大好きな鳥を絶滅から救うために、環境問題の道へ</h1>澤村：はじめに、坂野さんが環境問題に興味を持ったきっかけを教えてください。坂野：幼い頃から鳥が好きでした。特にインコやオウムが大好きで。そんな中、ニュージーランドにいる世界最大のオウム「カカポ」という鳥を知りました。でもカカポは、人間の入植によって絶滅危惧種になってしまった生物なんですよね。「一番好きな鳥が地球上から消えてしまう。救わなきゃ」という気持ちから、環境問題に興味を持つようになりました。澤村：個人的な興味が起点となっているのですね。坂野：単純ですよね（笑）。でもそこから、環境問題を仕事にする難しさにも直面しました。絶滅危惧種の保護を直接的にする仕事、自然保護官なども考えたのですが、それは大事な仕事である一方、なぜ絶滅危惧種が生まれるのかについての根本的な解決にはならないなと。もっと人間活動のあり方自体を変える必要があると思ったんです。そこから大学では、社会の仕組みの決定に関与する「政策」をやろうと、環境政策を専攻しました。澤村：僕も大学で、環境経済学を専攻していました。ESG投資について勉強していたのですが、国内でこれを仕事にするのはあと10年くらいかかるだろうなと思って離れたんです。僕たちの世代は、もしかしたらそういう人も多いのではないかと思います。坂野さんは、これまでどんな働き方をされてきたのですか？坂野：大学卒業後は一般企業で2年間働き、そのあとは大学時代の友人の縁で徳島県上勝町の「NPO法人ゼロ・ウェイスト・アカデミー」に参画しました。上勝町は2003年に国内初の「ゼロ・ウェイスト宣言」を行った自治体です。ごみは専門外でしたが、地域の環境政策に実践で取り組める機会だと思ったんです。 ⁠その後、2020年に独立し、一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパンを設立。全国で廃棄物削減や資源循環の政策づくりと実装、特に自治体との仕事として、まだ表面化していない市民の声を行政に聞かせ、仕組みを作り、実装するまでのお手伝いをしています。 ⁠直近では株式会社ECOMMITという循環商社のベンチャーに取締役として参画しました。 ⁠ECOMMITは誰かにとって不要とされたものを回収・選別・再流通することで循環型社会を作る事業を行っています。トレーサビリティとデータ化までを自社で行い、収集したデータはダッシュボード上で自動集計され、リユース・リサイクル率の算出や、CO2削減量のレポーティングに活用できます。 ⁠ゼロ・ウェイスト・ジャパンで取り組んでいる自治体での取り組みは息の長いものも多く、一方ビジネスであればより早く資源循環の仕組みを作ることができると感じ、企業でも仕事を始めました。<img src="https://media.graphassets.com/resize=width:2048,height:1536/L6CHtiNSTqZY0k1ytku1" alt="" title="7432.jpg"><h1>行政は大きな流れを、企業は意思を持ったアクションを。</h1>澤村：環境問題を世界的にみると、やはり欧米は進んでいるなと感じます。彼らは個人単位で危機意識を持ち、それを政策に反映するからどんどん自分たちでルールメイクしていってる。日本は今そこに乗っかっているだけかつ、市民の声を聞いているだけなので仕組みは作っていけなさそうだなと......。坂野さんはそのギャップをどのように捉えていますか？坂野：環境問題における国外との温度差の一つには、人口バランスが大きく関係していると思います。加えて陸続きで移民も多いため諸外国からの影響を受けやすい。私たちは小子高齢社会の島国かつ、経済圏が国内でほぼ完結していますよね。そのため企業も行政も内側ばかりを向いている。言葉を選ばずにいうと、平和ボケしているのだと思います。澤村：確かに。行政だけでなく企業のサステナビリティ担当者と関わる機会が増えているのですが、トレンドの変化は追い風になっているものの、まだまだ取り組みが進んでいないとも感じます。一方で、日本は国のルールが変わればすぐに状況が動いていく文化だと思うんです。以前ある経営者の方が「環境問題は玉突き事故のようだ」と仰っていたのが印象に残っていて。自分がどれだけ頑張っても解決に進まず、むしろ頑張るだけ損をしてしまうのが環境問題だと。もちろん個人の努力は必要ですが、それがまだコストになってしまう社会であるのが現状です。全体で動いていく必要がありますよね。坂野：そうですね。たとえばCO2に関しては、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて国の政策が動いています。政策手法は様々ありますが、例えば財源の割り当て方が変われば産業全体が変わっていく推進力になります。企業はそこで、しっかり自分たちの意思を持って取り組んでいくことが大事だと思います。澤村：経済活動を行う団体として、環境問題へのアクションによって生み出される価値を明確にする必要がありますよね。坂野：その通りです。むやみに全部やろうとすると本当にコストがかかってしまうだけ。そもそも会社として何を大切にしているのか、なんのためのアクションであるかを自分たちで理解している必要があります。たとえばプラスチック削減に関しても、最近は色んな企業が横並びでやっていることなので「私たちがそれをやる意味とは？」と問いを持つことは大切だと思います。もちろん大前提として取組はするべきなのですが、一方で、優先順位という意味ではもしかしたらその企業がもっと他に優先してやるべきトピックがあるかもしれないので。澤村：環境問題にも色々ありますもんね。生物多様性や水資源、鉱物資源。もちろん企業には環境問題だけではなく、人的資本経営に関する課題など、取り組むべきテーマがたくさんあります。漠然と全てに取り組むのではなく、まずは選択と集中をする必要がありますね。行政が国の仕組みを変えて大きな川の流れを作ることも必要だし、それぞれが意思を持って問題に取り組んでいくことも、大事なのだと思います。<img src="https://media.graphassets.com/resize=width:2048,height:1536/6LpjknKAS2igSehaxQvg" alt="" title="7423.jpg"><h1>「繋ぐ」ことで、環境問題にアプローチしていく</h1>澤村：先ほどから話のベースになっている「行政」と「企業」において、やはり連携していく必要がありますよね。坂野：どちらも、その組織内だけで頑張ろうと思っても無理があります。私が理事を務める一般社団法人Green innovationでは、世代縦断・分野横断で行う人材育成プログラム「Green Innovator Academy」を主宰しています。もちろん育成だけではなく、行政と企業の仕切りを取り払い、繋がりを持つことができるコミュニティとしての機能もあるんです。澤村：そういうコミュニティから環境問題の理解者が生まれ、企業や行政に影響をもたらしていくのでしょうね。僕自身も、環境におけるローカルリーダーがもっと必要になると考えています。坂野：私もまったく同じ考えです。澤村さんは、どのようにしてその考えに行き着いたのですか？澤村：さまざまな自治体の方とお話しをして、やはりうまくいっている場所とそうでない場所の違いはリーダーがいるか否かだと思ったんです。特に広島県は知事も担当者の方も、パッションを持ち自分事として環境問題に取り組まれている姿勢が素晴らしいなと思いました。適切な危機意識と共に、ビジネスチャンスとして向き合うスタンスも持っておられました。坂野：そうですよね。やはり現場を知るリーダーが必要です。たとえば専門家を派遣したとしても、彼らはハイレベルなところに留まってしまうことが多いです。自治体の現場では専門家がいないことはもちろんですが、計画だけ立てても実行できるキャパシティがない。口を出すだけではなく、ちゃんと文脈をわかっている「実行者」がいることが大切です。なので私たちはよく、推進人材と専門人材という言葉を切り分けて使っています。澤村：なるほど。METRIKAはデータの会社なのですが、そこで僕たちが出来るのは「繋ぐこと」だと思っています。仰るとおり専門家は一つの事象に集中することが多いので、それらを繋いで全体としての成果を可視化することはデータが担うべき部分だろうなと。企業でも行政でも忖度なしで事実を表す数字があれば、次のアクションに繋げていくことができるのではと考えています。坂野：政策をつくる際にもデータは必須です。どうしても万人の声を聞くことができず、偏っているのではと批判されやすい政策立案において、データや仕組みを使いながらマイノリティの声を拾っていくことで新しい政策ができていくことが大切です。澤村：はい、データによる成果の可視化は重要だと思います。また、環境問題への取り組みはどうしても外部不経済を正すという観点で政策の方針や補助金の割当など、行政の影響が大きいですよね。民間においても、補助金頼りではなく、取り組みがしっかりと事業として成立して、それこそサスティナブルなものになっていないといけません。課題が大きいからこそ、地球環境分野に取り組む企業同士が連携して、大きなうねりを作っていきたいですね。<h1>今後目指している事</h1>坂野：現在３つの組織で取り組んでいること、ECOMMITで循環型社会を創っていくためのインフラを整える、Green Innovator Academyで領域横断で実行者になれる人材を育成する、ゼロ・ウェイスト・ジャパンで地域ごとの実践事例を増やしていく、この３つ巴の取組で、社会のトランジションを加速したいですね。

【METRIKA talk：一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン代表理事 坂野 晶さん】社会の仕組みにアプローチしながら、個人は意思のあるアクションを。 ⁠坂野晶と探す、地球環境への向き合い方。

【METRIKA with：株式会社バクテリコ 菅沼 名津季さん】腸内細菌の力で人々の健康をサポートするbacter

データサイエンス・AIを武器にデータと戦略を紡ぐMETRIKAが、様々な領域で活躍する人々と対談する「 METRIKA&nbsp; talk」今回は、腸内細菌で人々の心とカラダの健康を創るbactericoの代表 菅沼名津季さんをお招きし、METRIKA CEO小林とCOO澤村、CCO増田の3人で、データサイエンスと医療を掛け合わせて解決したい社会問題について語ります。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/file_2_1_9712c7c301/file_2_1_9712c7c301.jpg" alt="file_2 (1).jpg" width="10091" height="7208"><h1>⁠あまり知られていない腸内細菌の重要性</h1>増田：bactericoさんについて教えて下さい。菅沼：bactericoは「腸内細菌とともに人々の健康と幸せを創る」というミッションを掲げて、腸内細菌をメインとした研究やサービス提供を行っている会社です。腸内細菌の研究は比較的新しい分野なので、研究の余地がまだまだあると言われています。腸の中にどんな菌がいて、どんな風に作用するのかが、ちょっとずつ解明されてきている段階です。増田：そもそも腸内細菌とは、どういうものですか？菅沼：腸内には1000種類以上の細菌が住んでいると言われています。それぞれが善玉菌、悪玉菌、日和見菌に分類され、チーム対抗椅子取りゲームをしているイメージです。腸に入ってくる餌を食べることによって増殖し、数の力でゲームに勝とうとしています。澤村：昔から、医食同源と言いますよね。食べるものによって腸内の状態が変わり、それが他の体の健康や、脳に対しても大きな影響を与えていると。菅沼：腸は私たちが生きてゆく上で無くてはならない存在です。脳を持たずに生きている動物はいるけど、腸を持たずに生きている動物はいません。なぜなら、栄養がとれないと死んじゃうから。生物の体は、腸が初めにできたと考えられています。<img src="https://media.graphassets.com/resize=width:6552,height:8736/VtheOMMlRZKigE7NBgyI" alt="" title="file_5.jpg"><h1>⁠病気になる前に、病気を防ぐ</h1>澤村：データサイエンスの領域にいるMETRIKAと、腸内細菌を主とする医療の領域にいるBactericoが協力すれば、解決できる社会問題がいくつもあると考えています。増田：というと？澤村：いくつかありますが、一つ目は「未病」に取り組むこと。未病は、発病はしていないけどその病気の兆候がみられるような状態です。通常は、何か症状が出てから病院に行きますよね。でも未病段階で病気を察知し、防ぐことができれば、それに越したことはありません。しかし、人々の未病にまつわるデータが圧倒的に少ないのが現状です。なぜなら、未病の段階で病院に行くことがないから。見つかるとすれば、年一の健康診断くらいしか機会がありません。増田：確かに、健康状態のデータを取ることって普段ないですよね。澤村：なので未病段階で病気を防ぐためには、自分の健康状態を常に把握しておく必要があります。増田：なるほど。澤村：加えて、未病に影響するものはたくさんあります。たとえば、生活習慣やお仕事、ストレスに家族構成......。色んな要素が組み合わさって影響しているからこそ、ビッグデータが必要です。医療のデータと個人のデータを統合することで、できることが広がっていくんですよね。そこは、METRIKAがお手伝いできる領域です。菅沼：一方、データを取ることは手段であり、そこに科学的見解を加えて、実際に人々の行動へと落とし込んでいく作業が必要です。そこはbactericoができること。なので、一緒に挑戦できたら素敵だと考えています。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/file_8_1_1_16134b0c58/file_8_1_1_16134b0c58.jpg" alt="file_8 (1) (1).jpg" width="8965" height="6404"><h1>⁠自分の健康状態をカジュアルに自分で管理する</h1>澤村：二つ目に、僕は病院が個人のデータを持っていることにも違和感があって。自分のデータなんだから、本当は自分で管理できるような仕組みを作りたいんです。菅沼：以前は定住が普通で、それぞれの家族に地元のかかりつけ医がいました。だから個人のデータが、病院にあってもよかったのです。でも今は他拠点や、海外に出ることが当たり前になりました。旅先で病院にいかなきゃいけない、なんてこともあると思います。小林：自分でデータを管理しつつ、必要なときにすぐ取り出せる状態が最も効率的で、理想的な状況です。しかし一般的にみると、医療もデータも、専門的で難しい領域です。増田：まさしく。どちらも「先生お願いします」状態になってしまうんですよね。自分で管理することに対しても、どうすればいいのかわからない。自分のデータを見たところで、全然理解できないだろうし。澤村：本当にその通りです。なので「自分で自分の健康状態に関するデータを持つ」をカジュアルな状態にまで持っていくことには、クリエイティブの力が必要になります。菅沼：実際にこんなものもあります。腸内細菌を採取するためのキットなんですが、可愛いですよね。ここを便に挿すだけでつかえるんですよ。増田：おしゃれですね！デザインもちゃんとしているし、持ち歩けそう。子どもも喜びそうですね。菅沼：非常用として、バッグに忍ばせておくこともできますよね。他にもシートの色が酸性かアルカリ性で反応することで、腸内細菌の状態を教えてくれるおしりふきを作ろうとしています。分かりやすくて面白いでしょ。小林：健康診断の結果ですら理解するのが難しいのが現状です。でもそこで諦めるのではなく、その話題がカジュアルにSNSで話されたり、多くの人がもっと健康に対して興味を持てるくらいのレベルまで寄り添えると、ベストだと思っています。<img src="https://media.graphassets.com/resize=width:5522,height:7363/Gxx8oka0SSpxnreA1VaQ" alt="" title="file_4 (4).jpg"><h1>⁠髪を切りながら、健康に、美しくなれるサービス</h1>澤村：ここまで健康についてのデータを取ること、持つことについてお話ししていましたが、一番重要なのはその方法ですよね。でも正直な話、普段の生活で健康を意識することってあまりないと思います。僕も仕事で全然寝られない日や、生活習慣がボロボロになってしまう時期があります。自分を酷使した代償が10年以上後に返ってくると思うと、少し怖い（笑）。増田：わかる（笑）。澤村：でも当たり前ですけど、日々の健康って仕事の生産性に直結してきます。疲れにくくなるとか、目覚めやすくなるとか。肌や髪の状態だって、色んなところに影響を与えているはずです。なので、自分がどんな健康・美容状態になりたいのかと理想を形成するところから、実現までをノンストップで提供できたらいいなと思っています。増田：健康や美容を促進することで、生活、ひいては仕事にも良い影響がでてくるのはモチベーションになりますよね。具体的なアイディアはあるのでしょうか。澤村：自分の健康状態を常に把握するならば、日常に落とし込むのが最適だと考えています。そうすると、美容室がちょうどいいと考えています。最近は外出も減ったので、日々のなかで習慣的に訪れる場所として最適だと思うんです。髪の毛を切りにいくと、ついでにここ1ヶ月の食生活や健康状態もわかるような仕組みがあればいいですよね。「タンパク質足りてないですね」とか「ビタミン良い感じですね」とか、そういう会話が美容室で行われるのが理想です。増田：ということは、髪の毛がデータになるんだ。菅沼：体は全て、腸で吸収したものが根本となって作られています。なので髪の毛も、腸内細菌の状態が多く関係していると思います。澤村：加えて、感情のベクトルが揃ってるんですよ。髪を切ることは手段で、目的は綺麗になりたい、清潔感を保ちたいという部分にありますよね。外見を整えることと内面を整えることは隣り合わせなので、外と内、髪と腸を整えにいきませんかという文脈で、繋げることができるのではないでしょうか。菅沼：やっぱり外側が綺麗な人は内側が綺麗です。美容の7割は内側から作られると大手化粧品メーカーの方からお伺いしたことがあります。増田：髪を切ってもらうときによく「この人みたいにしてください」と言う方がいるけど、それなら内側からも自分を変えていこうってことですよね。澤村：そうそう。極論、憧れの芸能人に似せた髪型で切ってもらったあとに、この芸能人の腸はこのくらい整っているから、腸もそこに近づけていきましょう。そのために、食事の改善、肌質や髪質の改善はこのように行っていきましょうと提案していきたい。小林：日常生活の中で体の内側に目を向ける機会は少ないからこそ、美容室で体の内側まで提案してもらえると、自身の健康状態を考えるきっかけになっていいと思います。自分の状態やなりたい理想を、髪の毛で知ることができるとすごく面白い。<img src="https://media.graphassets.com/resize=width:7631,height:5451/lt44e60ESAuseuI83QCp" alt="" title="file_7 (1).jpg"><h1>⁠現状をより良くしていくための努力を</h1>澤村：その流れでもう一つ考えているのは、メンタルヘルスの領域です。特に日本は早急に取り組むべきですよね。増田：メンタルの状況を自分で把握するのは、体の健康よりも難しい気がします。だから自分の悲鳴が聞こえないまま頑張っちゃって、気がついたら病んでしまう人が多いと聞きます。澤村：どこかに兆候はでているはずなんです。でもそれを外に見せないような方が、メンタルを壊しやすいのだと思います。なので数値として自分で把握できる状態や、可視化する機能が必要だと考えています。菅沼：私も、うつ病をなくしたいという想いがずっとあります。腸内細菌がアルツハイマーや鬱病、アレルギーにも関わっているという研究があるのです。もちろん他の病気も、腸内環境を良くすることで防ぐことに繋がると考えています。増田：研究者の方が言うと、説得力がありますよね。小林：人間の体はわからないことばかりです。一方でそれは、様々な可能性があるという裏返しでもあります。菅沼：研究をやりながら、一つずつ解明していくしかありません。「間違っているかも」っていう懸念を抱えながらも、進んでいかないと何も変わらない。なので研究もデータの発展も、現在できるベストを尽くすことが一番大切だと思っています。

【METRIKA with：株式会社バクテリコ 菅沼 名津季さん】腸内細菌の力で人々の健康をサポートするbacterico。 データを使うことでMETRIKAと一緒に変えていきたい医療の未来。

【METRIKA talk：増田 総成さん】 ビジネスにもっとデザインの力を。 デザイン×データで探究する新たなクリ

データサイエンス・AIを武器にデータと戦略を紡ぐMETRIKAが、様々な領域で活躍する人々と対談する「 METRIKA&nbsp; talk」今回は RABBIT inc. 代表 / METRIKA CCO（Chief Creative Officer）の増田総成さんを交えて、CEO小林とCOO澤村の3人で、ビジネスにおけるデザインの重要性や、データとの可能性を語ります。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/7640_ecf8a1e345/7640_ecf8a1e345.jpg" alt="7640.jpg" width="4000" height="3000"><h1>「生み出す」よりも「続く」ことを。普遍的なデザインを追求する。</h1>澤村：増田さんがクリエイティブに進んだきっかけは？増田：小学生のときに絵画コンクールで描いた象の絵を褒められたことでした。そこから絵を描くことが好きになり、習い始めました。他にもスポーツや書道など色々やっていたのですが、ずっと最後まで続けていたのは絵の習い事だけでしたね。小林：象の絵を描いたことが、WWFジャパンでのキャンペーン施策に繋がっているんですかね。増田：そうかもしれませんね（笑）。澤村：増田さんは多摩美術大学でグラフィックデザインを学ばれたんですよね。なぜその学科に？増田：当時多摩美の中で一番人気があった学科だったからです。後はデザイン学科ってシンプルにかっこいいなと思って（笑）油絵や日本画といったいわゆるファイン系アーティストやイラストレーターになることへの憧れもありましたが、僕はずば抜けた画力や突出した個性があるタイプではないことを自覚していたので、どちらかというと人と一緒にものを作るデザイナーが向いていると思っていました。澤村：自己表現をつきつめるアーティストとビジネスのなかで人に寄り添うデザイナーは別ということですよね。進路を決めたターニングポイントなどがあったのですか？増田：ターニングポイントではないですが、デザインをやりたい！と思ったきっかけは、実は「チョコボールのキョロちゃん」なんです。約60年間ずっとあのキャラクターでやり続けて、今はキャラクター自体が商品になっていますよね。広告は2〜3ヶ月で変わっていくのが普通なのですが、僕はキョロちゃんみたいに普遍的に残るものを作りたいと思ったんです。自分の中に「生み出す」ことよりも「続く」ことに軸があると気がついて、それが今行っているブランディング事業にも通じているのだと思います。澤村：普遍性のあるデザインには、何が必要なのでしょうか？増田：ブランドがすでに持っている魅力を発見することだと思います。デザイナーって、何かを新たに作ることよりも、すでにあるものを整理する役割の方が大きいんですよね。ブランドの魅力は、それぞれの企業が持っている。でも、それが隠れていたり、小さくて見えなかったり、見えにくい状態で置かれていたり、逆に目の前にあるのに気づかなかったり。そんな時に、ブランドの魅力を整理して再発見できるデザイナーが必要なんだと思います。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/7693_0cb800e74a/7693_0cb800e74a.jpg" alt="7693.jpg" width="4000" height="3000"><h1>ビジネス＋テクノロジー＋クリエイティブの三角形を社会に広めていく</h1>澤村：僕はもともと、アーティストになりたいと思っていました。でも無理だと気がついて諦めたんです。そこからビジネスへとシフトしたきっかけに、アンディ・ウォーホルの「成功したビジネスは、すべからくアートである」という言葉があります。ビジネスをやることで、まだアーティストになれる道が残っている！と思ったんです。彼は特に、ビジネスの仕組み自体をアートとして見ていて。統計や数学もアートやデザインとプロセスが似ていると思うんですよね。増田：確かに。最近は「デザイナーだから」という固定概念も薄れて、色んな人が色んな分野で活躍できる時代になりましたよね。でも美大卒だと、デザインとビジネスを掛け合わせてガッツリやっている人はまだまだ少ないという印象です。澤村：僕が増田さんをMETRIKAにスカウトした理由はそこなんですよね。笑創業二ヶ月くらいで、「ビジネスをやる僕とテクノロジーをやる小林がいるんだから、三人目は絶対クリエイティブだ」と思いました。そこで信頼している知人に、形があるものをどう出すかではなく、形がない所からどう作っていけるかを相談できるクリエイティブ人材を紹介してほしいとお願いしました。世の中のデザイナーさんのなかでも、経営の部分から話せる人はそんなにいないぞと言われつつ、大学時代からの友人であり、戦友として紹介いただいたのが増田さんだったんですよね。増田：デザインを突き詰めるのもすごいことですが、僕は性格的に何か一つを極めるタイプではありません。グラフィックデザインと掛け合わせて武器になるような、もう一つの要素を持っている人になりたいと思っていました。それがビジネス領域の知識だったんです。ビジネスの話ができるデザイナーのほうが、デザインそのものの価値も上げることができるだろうなと。澤村：METRIKAではデジタル人材の育成も行っていますが、それにはビジネスとテクノロジー、そしてクリエイティブの要素を併せ持つことが必要だと考えています。その三角形を企業のなかにどれだけ増やしていけるかが重要です。もちろんMETRIKAにもそれが必要だと思ったから、増田さんにどうしても来て欲しかった。今一緒にお仕事をしているクライアント企業さん、さらには社会全体の中にそういう人材を増やしていきたいですね。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/7644_785da48a6b/7644_785da48a6b.jpg" alt="7644.jpg" width="4000" height="3000"><h1>データと掛け合わせ、まだデザインがないところにもデザインの力を。</h1>澤村：増田さんは、データ会社のMETRIKAとデザインが組み合わさることにどんな可能性を見出していますか？増田：本当の意味で「社会に寄り添う」ことができるようになると思っています。学校から銀行まで、データは幅広い領域を創り上げることに携わっていますよね。そのようなデザインだけでは解決できない社会全体にも、データを掛け合わせることで到達できると思うんです。小林：まさにそうなってくるといいですね。特に今、BtoB企業の中にはクリエイティブが足りていないと感じています。実際にMETRIKAに増田さんが入って下さってから、Webサイトや名刺制作など至るところでデザインのパワーを感じています。澤村：名刺は特に営業アセットとしてすごく機能していて、お渡しすると必ずといっていいほど褒めていただけます。名刺から僕らの人柄やこだわりを感じ取ってもらえるので、そこからコミュニケーションが生まれます。また、BtoC企業でも、直接エンドユーザーが見えない大企業の子会社などは、どうしてもお客さんとの距離が遠くなるため、クリエイティブが後回しにされがちです。でもそこに、デザインが入り込む大きな余地があると感じています。親会社のほうでも「カスタマーファースト」を常に謳っている企業が増え、データサイエンスの中にデザインという言葉が頻出してきています。今までの”デザイナー”には制作する人という意味合いが強くあったのかもしれませんが、これからは顧客体験をデザインするデザイナーがまず初めにいて、それを実現するためのビジネスやテクノロジーが必要になるというように、順番が変わっていくのでしょうね。小林：増田さんはその新しいデザインのスタンダードを作っていくと思います。増田：新しいデザインのスタンダード。いいですね。デザイナーという職業の価値の底上げにつながることは、前のめりにやっていきたいです。澤村：最後に、METRIKAで増田さんが実現したいことは？増田：個人的にはグラフィックや映像を中心に今までやってきたので、デジタル領域で作品を作ってみたいです。もちろんコンセプトがある上でですけど、METRIKAとしてのクリエイティブは、データとの掛け算が絶対に必要だと思っています。先程、ビジネス・テクノロジー・クリエイティブ三角形の話もありましたが、澤村さんと小林さんからは出てこないようなアイディアを僕が提供しながら、何か新しいものを一緒に作れたら面白いのではと思っています。

【METRIKA talk：増田 総成さん】 ビジネスにもっとデザインの力を。 デザイン×データで探究する新たなクリエイティブの可能性。

【METRIKA talk：河内 聡一】 データドリブンな意思決定がなぜ必要か？世界で戦うために求められること。 M

データサイエンス・AIを武器にデータと戦略を紡ぐMETRIKAが、様々な領域で活躍する人々と対談する「 METRIKA&nbsp; talk」今回はMETRIKAの顧問に就任した河内聡一さんを交えて、これから日本企業がどうデータを扱っていくべきか、また今後の展望についてお伺いしました。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/DSCF_8117_c8f0d07ee0/DSCF_8117_c8f0d07ee0.jpg" alt="DSCF8117.jpg" width="2048" height="1536"><h1>市場調査から製品は生まれない。ユーザーの半歩先を読む感覚</h1>澤村：まずは河内さんのこれまでやってきたことからお伺いさせてください。ソニー株式会社（以下：ソニー）にいらっしゃった頃は、海外でのお仕事が多かったですか？河内：30歳からフランスのソニー現地法人で働いていました。出張で初めて訪れた時に、街や人々に興味を持ったんです。当時GDP世界4位の経済大国なのに、資本主義的な経済的利益だけでなく自国の歴史・文化を大切にしていて、人々が人生を楽しんでいるという雰囲気がすごく良いなと。そこで社内で手をあげて、その当時フランス語は話せなかったのにフランスに行くことになりました。やりたい人にやらせてみようという文化が根付いている会社でしたね。澤村：当時、ソニーの主力商品は？河内：テレビ、オーディオ、ビデオなど、主に家電ですね。でも私が赴任した1990年代は、ヨーロッパ全体の景気がとても悪く、渡仏したら製品在庫が山のように積み上がっていて、どうしようと思っていました（笑）。澤村：激動の時代ですよね。河内さんはどのような役割を担っていたのですか？河内：商品の発注からディーラーとの商談まで。一番下っ端なのに担当カテゴリー全ての責任を背負っている状態でした。350人いる会社のなかで、日本人が6人しかいなかったんです。澤村：日系企業でその比率は珍しいですよね。河内：でもそれが成功の秘訣だったのかもしれません。現地の優秀な人材を登用して、どんどんローカライズしていくことを当時からやっていました。澤村：その後のキャリアは？河内：6年間悪戦苦闘してフランスの業績がようやく上向いてきた後、アメリカでマーケティング責任者として働いていました。その後帰国したあとは、エリクソンとの携帯電話事業の合弁会社にて商品企画部長を務めることになったんです。当時の大きな仕事は、カメラ搭載携帯の文化をつくり製品を進化させることでした。小林：その頃はまだ、カメラの付いた携帯があまりなかったんですよね？河内：画素数がデジカメレベルのメガピクセルのものはなかったですね。でも当時の携帯のカメラの画質じゃ満足できなくなる人たちが、値段も質も高いものを求めていくだろうと考えていました。なので出来上がった製品は、”カメラに携帯がついている”という売り出し方をしていました。カメラ業界からはものすごく非難されたんですけどね（笑）。澤村：確実に今に繋がっていますよね。ソニーでは、どうやって次の市場を読んでいったんでしょうか？河内：マーケティングリサーチから新しい製品が生まれることはないと思っていました。商品企画として次に何が求められるのかを読む感覚と市場を創造する仕掛けが大事ですね。ウォークマンにしても、発売当時は外で移動しながら音楽を聞く人なんかいませんでしたから。澤村：ユーザーの一歩先を行っていますよね。河内：もしかすると、”半歩先”が正しいかもしれません。一歩先だとユーザーがついてこれなくなるので。「ちょっとそれ欲しいかも」くらいの感覚が目の付け所です。それでいうとメガピクセル搭載の携帯も、”写メ”で満足できない人たちに向けたものでした。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/DSCF_8170_dd18c431be/DSCF_8170_dd18c431be.jpg" alt="DSCF8170.jpg" width="2048" height="1536"><h1>会社には背伸びしたくなるような環境があるべき</h1>澤村：河内さんはその後、FeliCa Networksの初代社長に就任されていますよね？？河内：はい、NTTドコモさんとの合弁会社ですね。ソニーの天才エンジニアが開発したFeliCa技術を、iモード携帯に組み込んでエコシステムを構築してみようという話から始まった会社でした。澤村：「おサイフケータイ」の始まりですよね。今でこそケータイで決済ができるのは当たり前のことになりましたが、当時は革命的でした。小林：今や我々の生活に欠かせないSuicaも、ここが始まりですもんね。しかし個人的に、FeliCaはもっとグローバルへ進出してほしいと思っています。河内：まさしく、グローバル展開を目指してましたが、国際標準化の障壁などもあり、実現には至りませんでした。他にもチケットを一括で管理できるようにしたり、キャッシュカードを搭載したりと、色々やりたいことはあったんです。小林：まだまだ可能性がたくさんありますね。河内：FeliCa技術が素晴らしいのは、導入後20年以上経ってこれまでセキュリティ事故がないことです。澤村：その後Googleへ転職されたきっかけもお伺いしたいです。河内：知人から「これからのGoogleは河内さんみたいな人が必要なんです。」と言われ社員の方を紹介され、お会いしたところ、昔のソニーみたいな雰囲気だなと思いました。全員が背伸びしながら仕事をしている感じ。そうすると会社も個人も成長できるんですよね。会社のVisionに共感し導かれるように実力以上の役割を果たし、生き生きと働いている姿がとても魅力的に見えて、転職を決めました。小林：背伸びをする環境は、METRIKAでも大事にしていきたいと思っています。河内：そうですよね。人間って基本的に怠け者じゃないですか。だからこそ背伸びしたくなるような環境が必要だと思っています。私がフランスに行ったことも、そう思わせてくれるソニーの環境があったからこそ。アメリカ赴任やFeliCa Networksの社長就任は自分の決断ではありませんが、振り返って見ると当時の上司がそういう環境を与えてくれたことに感謝しています。しょうがないな、と思いつつもやってみるとまた自分が成長していることに気がつくんですよね。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/DSCF_8216_1b971c75d3/DSCF_8216_1b971c75d3.jpg" alt="DSCF8216.jpg" width="2048" height="1536"><h1>データを基盤に、日本から世界へ</h1>澤村：河内さんがこれからやっていきたいことは何ですか？河内：ソニーの海外拠点で働いているとき、日の丸を背負っている気持ちがありました。日本企業が現地のユーザーを魅了する製品を出しビジネスを拡大し続けることが、結果として日本の国力に貢献していると感じていたんです。これからはその日の丸を背負っていく人たちをお手伝いしたいですね。僕があのとき感じた高揚感を味わってもらいたいなとも思います。澤村：その思考に辿り着いたきっかけがあったのでしょうか？河内：フランス赴任の大先輩であり、ソニーの社長、会長兼CEOだった出井さんの存在が大きいです。退任後もご自身で起業し、亡くなるまで数多くの様々なベンチャー企業への投資や支援をされていました。大企業のCEOまで務めて、悠々自適のリタイア生活でお好きなゴルフを楽しまれてもいいのにですよ（笑）。その姿を見ていて、自分もできる範囲で何か貢献したいなと考えたんです。そんな時METRIKAからお話しをいただいて、ご縁かなとも思いました。澤村：素敵です。では最後に、これからMETRIKAと一緒にやっていきたいことを教えてください。河内：日本企業のDXサポートは、期待している事の一つです。海外に進出しても成功できていないひとつの要因は、経営に関するグローバルな視点が欠けているからだと思うんですよね。特にデータを基盤とした会話ができていないと感じています。小林：先程「マーケティングリサーチを商品開発に活用しない」と仰っていたことと、少し矛盾しているのが興味深い部分ですよね。河内：そうですね。データは過去のことなので、そこから何をやるか決めるのが人間の仕事ですよね。過去をデータで客観視し分析し、その結果に基づいて戦略や施策を決めるという、データドリブンな経営が充分にできていない企業が多いと感じます。小林：お話しを聞いていて、「大学で本を読む」とはどういうことかを思い出しました。「ただ内容を理解するのは”見ている”だけで、読むのは本を閉じてから」と教わったことがあります。思い出して再現し、ロジックの流れを理解することが”本を読む”ことだと。データも、見るだけではなく使いこなすことが必要ですね。河内：それに、その結果失敗しても良いと思っています。データから作り出した仮説がそのまま当たることの方が珍しいので。仮説が無いまま進んでいる状態が、危ないと思っています。小林：なおかつ、データを元にしない議論は、立場での議論になりがちですよね。立場が低い人の意見が尊重されなくなってしまうと思います。河内：まさしく。METRIKAは、大手のAI・データコンサル会社ができないことをやるべきだと考えています。企業に寄り添いながら綿密なデータ分析から緻密な戦略構築・施策実行まで伴走できることは、今の日本社会に必要なサポートだと思いますね。そういう基盤を持って海外に出ていくことを我々が後押しできるのであれば、ぜひお手伝いしたいなと思っています。またCEOの小林さんとCOOの澤村さんの関係が、ソニーの創業者である技術の井深さん、営業の盛田さんの両輪経営の関係に似ていて、とても可能性を感じています。

【METRIKA talk：河内 聡一】 データドリブンな意思決定がなぜ必要か？世界で戦うために求められること。 METRIKA 顧問 河内聡一が見据える、日本の未来。

【連載 METRIKA with: 株式会社NOD 溝端友輔さん】テクノロジーでデザインの可能性に挑戦するNOD。建

データサイエンス・AIの力で企業の問題に向き合うMETRIKAが、別領域で活躍する人々と対談していく「連載 METRIKA with」。今回は空間デザインをメインに人々のアイディアを最大化していくNOD代表 溝端友輔さんをお招きし、METRIKA COO澤村と、それぞれが共通して大切にしている価値観や、建築の未来について語ります。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/file_2_2388252aa9/file_2_2388252aa9.jpg" alt="file_2.jpg" width="5822" height="4159"><h1>「らしさ」を大切に、その人のアイディアを最大化していく</h1>澤村さん：簡単に、自己紹介をお願いします。溝端さん：2019年に設立したNODという会社で、空間を使ってクライアントさんのアイディアを最大化するお仕事をしています。大きく言うと建設業ではありますが、上流の企画から入るので、アウトプットは空間デザインに限りません。戦略だけお手伝いすることもあれば、ウェブサイトを作ることも。最近は特に3Dプリンティングに力を入れていて、新しいものづくりや空間作りの可能性を日々探っています。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/Screenshot_2023_01_16_at_9_30_43_3917e8ed51/Screenshot_2023_01_16_at_9_30_43_3917e8ed51.png" alt="Screenshot 2023-01-16 at 9.30.43.png" width="914" height="640">澤村：空間を作るのは、目標達成の手段なんですね。溝端：そうなんです。どんなものを作るかに関しては、自分の欲求に従ってものづくりをすることが多いです。自分を含めた関係者が、いかに楽しめるかが大事。自分達が行きたいお店を作るとか、欲しいものを増やしていきたいんです。澤村：なるほど。溝端さんの欲しいものって？溝端：「らしさ」が滲み出ている場所には関心があります。その人にしか作れないような空間や食べ物、体験を最終アウトプットとして生み出していけるような設計をしています。僕が関わることで、その人らしさを最大化したいんです。澤村：クライアントさんと一緒に創り上げていくんですよね。METRIKAも同じです。コンサル業ではあるけれど、僕達が何かを教えるとか、正解を提示することはなくて。だって一緒に新しいことをやっているんだから、どうすればいいかを僕らが知っているわけがない。答えを言い切れないからこそ、議論を深めながら正解を探していく作業を一緒にやっている感覚です。もはやパートナーですよね。そういう仕事のほうが成果も出やすいと感じています。そうじゃなければ、METRIKAがやる必要もないかなと。溝端：確かに、「なぜ僕らがやる必要があるのか」は大切ですよね。相手に自分らしさを求めるなら、自分達も「らしさ」を発揮していきたい。澤村：自分達が関わることによって唯一無二性を生み出していけること、それが付加価値になり世の中に伝わっていくことをやりたいなと感じています。 <img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/file_3_5b1490fc4d/file_3_5b1490fc4d.jpg" alt="file_3.jpg" width="5823" height="4160"><h1>3Dプリンターで実現できる、より「らしさ」が輝く未来</h1>澤村：3Dプリンターに興味をもったきっかけは？溝端：もともと興味はあったけど、あまり良い印象を抱いてはいなかったんですよね。データをコピペして作るものだから、強度が低い上にお金も必要なイメージで。でも1年半前くらいから、空間を作るプロジェクトのなかで実際に3Dプリンターを使う機会が増えてきました。技術的に難しいことでも3Dプリンターならできちゃうし、色んな素材を使えるところが面白いなと思い、のめりこんでいきました。澤村：淹れたあとのコーヒーとか、卵の殻ゴミとかも素材として使ってますよね。溝端：はい。使う必要がなくなればまた素材に戻すことができるので、必要に応じて他へと再利用することが可能になります。素材レベルで半永久的に使い続けることができるものが作れるんです。技術面に関しても、大きなイノベーションだと思います。普通の建築では施工性を優先すべき場面でも、3Dプリンターなら自由度高く造形することができます。本当にやりたいことを、そのまま形にできるんです。澤村：違う素材で同じものを作ってみるのも面白いですよね。コーヒーを素材にしたときも、深入りと浅煎りで色が変わったり。3Dプリンターは最新テクノロジーですが、そういう肌触り感を大切にしている部分があるなと思います。溝端：最新テクノロジーなのに、作品に人間味がでてくるのはおもしろいですよね。特に最終アウトプットまでの距離も短くなるので、誰でも等しくものづくりをすることが可能です。今までは発注する側だったプロジェクトのオーナーさんが、デザイナーさんのサポートを受けながら自分で作成に関わっていくことができるようになります。そこで僕が将来的に実現したいのは、3Dプリンターでの人の創造性の最大化です。ものを消費するために買うのではなく、誰もが自分でデザインをして、生産をして、使うという環境づくりまでをやってみたいと思っています。澤村：自分で考えて作ると、愛着も沸きますもんね。溝端：最近のものって、耐久性が良すぎたり、クオリティが高すぎるものが多いじゃないですか。でも何十年も使い続けるより、その時々に自分が欲しいものが買えるようになったらいいなと思うんです。なぜなら人の価値観って、ライフステージによって変わるから。澤村：確かに。作っては壊すの繰り返しが環境に悪いなら、耐久性が良いものを作ろうとするのは理解できるけど、壊したあとも素材にもどるのであれば、「短く使う」という新しい価値観があってもいいのかなと思います。大量生産大量消費じゃなく、環境に配慮した状況で人々の価値観に寄り添うことが3Dプリンターならできるような気がします。溝端：人って、意外と我慢しながら生活してますよね。もっと欲望のままに選んだりすることができるようになれば、面白くなるんじゃないかなと思います。澤村：何かを作るときって、既に型があるじゃないですか。でもそこを取っ払った方が、それぞれが「らしく」生きることができるようになると思っていて。そのときに、AIとかデータサイエンスが得意なパーソナライズの力が活きると思います。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/file_4_767a40a018/file_4_767a40a018.jpg" alt="file_4.jpg" width="5824" height="4160"><h1>建築×データ。最新技術により取り戻されていく人間らしさ</h1>溝端：3Dプリンターによって、建築や造形デザインとデータの距離が近くなりました。ものづくりのプロセスとして、データを作るところからスタートします。データとものの関係性がより密接になり、物理的な経年変化に加えて、そのデータを誰がどう生み出し、使ったのかというデータのビンテージ性がもう一つの価値として見出されてくると思います。加えて、僕達は現地の素材から作品を生み出すというオンサイト性を重視しています。そのためには、どこにどんな素材があるのかというデータも必要です。都市全体で3Dプリンターを流通させ、素材に関するデータをアーカイブしておけば、もう新しくものを買わなくて済むようになるんですよ。澤村：地産地消を促進できるし、廃棄の問題を解決できる可能性がありますよね。あとこれは僕の解釈ですが、昔の建築では、無理するのがかっこいいという価値観を感じていました。イタリアで焼いたタイルをわざわざ輸入したり、その土地では採れない大理石を無理やり敷き詰めたり。でも地球環境全体で考えると、はたしてそれはかっこいいことなのかなと思うんです。もともとはその土地に即した住居や、陶芸品を作って生きてきたわけなのになと。なのでこれからは、人間がテクノロジーをつかうことによって、より自然な姿に戻っていくことができるのではないかと思っています。溝端：3Dプリンティングや都市作りを通じて、人間らしさを取り戻していくことができるというのは、僕も面白いと思っています。近代の工業化では、場所に制限されることなく、同じものを大量に作ることが重視されてきました。でも技術がもっと進めば、それを保ちながらも人間らしさを大切にしていくことができると思います。澤村：METRIKAはAIやデータサイエンス、NODは3Dプリンターと、どちらも新しいことをやっているけれど、どちらも人間の本来性を大事にしたいと思っていますよね。温かみのあるサービスやプロダクトを開発したいと思っているところが共通の価値観だなと思います。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/file_1_b55061c189/file_1_b55061c189.jpg" alt="file_1.jpg" width="7006" height="3941"><h1>新しいことへの挑戦。NODとMETRIKAがこれから実現していきたいこと</h1>澤村：今僕がやりたいのは、国宝に登録されているお茶碗のデータを取り込んで、3Dプリンターで印刷すること。そこにかける釉薬で遊ぶことで、同じデータからでもそれぞれが唯一無二になると面白いなと。加えて、新宿にある都庁前に茶室をゲリラ出現させて、そのお茶碗を使いながらベンチャー経営者のみなさんとお茶会をしたい。名付けて、勝手にダボス会議（笑）。溝端：技術的には全然可能だと思いますよ（笑）。澤村：最近よく、大手企業だけではなくベンチャー企業側からの意見を、もっと国へと主張していくべきだと考えています。制度や、政治に対して。そのための茶会をぜひ3Dプリンターで実現させたいですね。他にも一緒にやりたいのは、3Dプリンター×食の事業。特に基準外野菜に対してアプローチしていきたいです。基準外野菜は、成長のしすぎや変色が原因で市場に出回らず捨てられてしまうもの。しかし見た目は違えど、味や栄養価はなにも変わらないんですよね。だからと言ってB級品として流通させると、A級品の値段が下がってしまう。それを避けつつ基準外野菜を活かしていくために、野菜を粉末化することで、3Dプリンターでものづくりをする際の素材として保存したいんです。保存期間が伸びるので付加価値付けができているし、フードロスの問題を解消できるなと。溝端：ぜひやりましょう。澤村：ひとつ壁があるならば、ユーザーの価値観がまだ追いついてきていないことでしょうか。溝端：市場から新しく作っていく取り組みになりそうですよね。澤村：そうなんです。3Dプリンターへの理解がある人が、やっぱりまだ少ない。でも人の価値観を変えることは難しいので、自分達のまわりにいる進んだ価値観の人をまず巻き込んで、市場を作ってしまうほうが簡単かなと最近は考えています。ライフスタイルを含めた生き方が似ている人達でアーリーアダプター集団みたいなものを作っちゃえばいいと思ったんです。溝端：10人くらいに使って貰えば、そこから市場を作っていくことが可能ですもんね。澤村：アーリーアダプターがどこにいるかってわかりづらいから、そこと事業者を繋いでいくこともやっていきたいですね。でもやっぱり、新しい価値観や商品を面白いと思えるかどうかってすごく大事だと思っていて。自分の知らないものを拒否したり無視することは人間として普通の行動です。でも「なにそれ面白いじゃん！」って前のめりになってくれるパートナーや、クライアントさんと一緒にお仕事できると、良いものをどんどん世の中に作り出していけると思っています。

【連載 METRIKA with: 株式会社NOD 溝端友輔さん】テクノロジーでデザインの可能性に挑戦するNOD。建築×データの領域へMETRIKAと共に踏み出すことで、取り戻していきたい本来の人間らしさ

【KDDI総合研究所 副所長木村さん×METRIKA COO澤村】ライフスタイルを起点とする共創プログラ

デジタル戦略・データ分析・AIアルゴリズム開発を軸に、企業の問題に向き合うMETRIKAが、別領域で活躍する人々をお招きする「連載 METRIKA with」。今回はKDDI総合研究所 副所長の木村寛明さんをお招きし、METRIKA COO澤村と小西の3人で、未来のライフスタイルを創造する研究拠点「KDDI research atelier」や、現在一緒に運営している共創イニシアチブ「<a target="_blank" rel="" class="css-17w50bj" href="https://future-gateway.jp/">FUTURE GATEWAY</a>」を立ち上げた思い、これから社会実装を目指す新しいライフスタイルについて語ります。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/blog002_1_9aeb34a6ab/blog002_1_9aeb34a6ab.jpg" alt="blog002-1.jpg" width="5546" height="4159"><h1>未来を待たない先進的生活者とともに。新たなライフスタイルの一般化を目指す「FUTURE GATEWAY」</h1>小西：まずはKDDI research atelierについて教えていただけますか？木村：KDDI research atelierは、2030年を見据えてライフスタイルがどのように変化していくのかを想像し、その実現に向けた課題をテクノロジーで解決していくことをミッションとしています。KDDI research atelierを本部拠点としながら、先進的なライフスタイルを実践されている生活者の方々と一緒に、「FUTURE GATEWAY」（以下：FG）と呼ばれる共創イニシアチブを立ち上げ、未来のライフスタイルの創造を目指してワークショップを開催し、そこで出てきたアイディアをプロジェクト化し、実フィールドでの検証を進めています。小西：METRIKAは、FGの立ち上げからご一緒させていただいていますよね。どのような背景で立ち上がったのでしょうか？木村：私たちが保有する先端技術を活かしながら、未来のライフスタイルから逆算して新しいサービスの開発ができないか考えていました。しかし我々だけの目線で考えていると、生活者が欲しいものよりも企業の考えを優先したものになってしまうと悩んでいました。もっと生活者起点で未来を考え、プロジェクトを立案していく必要があると思っていたんです。澤村：最初に木村さんからそうやってご相談をいただいたとき、のび太くんのような人が必要だと思ったんです。あれが欲しいこれが欲しいと、自分の欲しいものを思いつくことができる人。加えて、世の中の少し先を走っている人。だって2022年時点で欲しいものを、今から作り始めても遅いですよね。小西：のび太くん......。確かに。澤村：そんなことを二年前くらいに、ここの会議室で僕たちは話していたんですよね。そこから運営チームをつくり、のび太くんのような先進的生活者の方々に「t’runner（以下：ランナー）」と名前をつけて、FGを始めたんです。木村：実際にやってみると、今までの私たちであれば立ち止まってしまうような場面でも、ランナーの方々がアイディアを繋いでいってくれるんです。生活者との橋渡しをしてくれているような状況ですね。彼らは常に現場目線なので、生活者の欲しいものをつくっていくマーケットインの状態でプロジェクトを進めていくことができます。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/blog002_2_da8e46d90a/blog002_2_da8e46d90a.jpg" alt="blog002-2.jpg" width="5697" height="4273"><h1>共感や実践を通じて、ローカルに広がっていく新しいライフスタイル</h1>小西：さまざまな会社がある中で、なぜMETRIKAだったのですか？木村：当初は澤村さん以外に、他のコンサル会社さんなどにもご相談をしていました。そこで事業的な位置付けや、これからのライフスタイルについて考えていくうちに、独自性が鍵となることを確信したんです。他とは違う、でも実は生活者が求めていることをやっていかないと次に進んでいけないなと。澤村：コンサル企業が、先進的なライフスタイルを調査分析し、こういうことをやりましょうと提案するのはもちろん可能なことです。でも実際に僕たちみたいにそのライフスタイルを実践している人に話を聞く方が、やっぱり熱量が高いんですよね。そこにコミュニティを作れば、もっと色んなアイディアが生まれていきます。小西：私もFGのワークショップに参加して、これまでになかった視点を得たり、わからなかったことが見えるようになりました。それにFGで色んなお話しを聞いていると、いち生活者としてワクワクします。木村：採択したアイディアやライフスタイルを、どう広げていくかは重要な課題のひとつでした。でも先進的な生活をしている方々は、自分のネットワークを持っている人たちばかりなんです。なので彼らがやることは、自然と周りに伝わっていきます。SNSで活躍するインフルエンサーのようにではなく、もう少し密な関係性のなかでローカルに広げていくことが可能なんですよね。それを実際にコミュニティ化することで、共感してくださる方が増えるのかなと考えていたんです。小西：ランナーの方とお話しすると、私も真似してみたいなと思えるんです。実は完全食を始めたり、会社を辞めて新しい働き方を試してみたりと、かなり影響されています。実際にやってみることで、そのほうが自分らしく生活できていることに気がつくこともあります。最終的に、このプロジェクトに関わる前より幸福になっているんですよ。澤村：当事者が言うと説得力がありますね（笑）。木村：FGでのプレゼンの場「サバンナピッチ」では、原体験に基づいて実現したいライフスタイルの提案をされる方が多いですよね。そうなるとやはり説得力があるし、KDDI reseach atelierのメンバーでも小西さんのように影響を受ける人が増えてきました。小西：ランナーを中心に、みんなが共感して熱狂して、一緒に課題を解決していく。一つひとつのプロジェクトがベンチャー企業みたいですよね。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/blog002_3_0a34550bf6/blog002_3_0a34550bf6.jpg" alt="blog002-3.jpg" width="5604" height="4203"><h1>ビジネスとクリエイティブ、そしてテクノロジーを携えてプロジェクトを進めていく。</h1>小西：METRIKAがFGに関わっていく中で、面白い化学反応はありましたか？木村：澤村さんは我々とはまったく観点が違うので、社内の人間だけでは見えなかったものが見えてくることがあります。本質をすぐに見いだされるので、相談事へのアドバイスを明確に頂けることがありがたいです。澤村：8年以上大手企業にいたので、企業としての考えを理解することも、そこから外に出たからこそ言えることもあると思います。それに実は僕自身も、多拠点生活者であったりポートフォリオワーカーであったりと、ランナーと近しい生活を送っているんです。自分の失敗体験も含めて、実際に色んな立場からプロジェクトを理解できるのは、FGに関わる上でよかったことですね。小西：METRIKAでは、FGでのワークショップとランナーインタビューもずっと担当していますよね。澤村：以前FGのインタビューについてご意見を伺った際に、普通にライフスタイル調査を行うときにでてくる候補者リストに比べて、インタビュー候補者の質が高いとおっしゃってもらえたのは嬉しかったです。ライフスタイルイノベーターだね、と。木村：でもMETRIKAさんのメイン事業は、もう少しアカデミックに近いデータ開発ですよね？澤村：そう思われがちなのですが、METRIKAの根幹にあるのは社会課題の解決や現状のライフスタイルへ切り込んでいくことなんです。データサイエンスは、あくまでもその手段だと考えています。結局どんなデータも、それを使う方が喜んでくれないと意味がないので。なのでFGに関して言うと、現在揃っている材料をこれからどう活用していくのか、高い視座から考えていくことが必要だと思っています。そのために必要なのは、ビジネスとクリエイティブ、テクノロジーの要素を常にチームに組み込むことだと考えています。木村：私がFGとMETRIKAで一緒にやりたいこととしては、見える化の促進があります。たとえば現在FGで進めているクライマタリアン（気候変動を考慮した食生活）のプロジェクトでは、食品ごとに排出されている温室効果ガスの量を見える化していきたいと考えています。もちろんデータを羅列するだけでは誰も興味を持たないので、そこはクリエイティブやテクノロジーも活用していきたいです。小西：ビジネス、クリエイティブ、テクノロジーのどれが欠けても成り立たないんですね。一方で、FGの課題についてはどのようにお考えですか？澤村：新しいライフスタイルを社会実装していくためのパートナーリングが大切になると考えています。現在FGで、美容室と一緒に新しいライフスタイルをつくっていくプロジェクトが立ち上がっています。そこで実際に表参道の美容室へ相談しに行ったのですが、かなり熱く賛同してくださって。ただし「お客様の期待を裏切らないように、自分達の世界観は保ちたい」とのご意見も頂きました。こうやって、自分たちが何を大切にしているか、どんなポリシーで日々の活動を行っているか言語化できる方々と一緒であれば、足並みを揃えてどんどん進んでいくことができると思います。小西：その部分も、クリエイティブやテクノロジーが入る余地ですよね。澤村：そうなんです。そこに加えて、プロジェクトを一緒に行うことで美容室に利益が上がること、しっかりとマネタイズできるようなモデルを組む必要があります。かつ、FGに参加することで、もっとたくさんのお客様が「その美容室に行ってみたい」と思えるようにしたいですよね。木村：このプロジェクトが成功して認知されるようになると、FGであれば何か新しいことができるのかもしれないと可能性を感じていただけると思います。今後も、社会課題の解消に繋がる新たなライフスタイルの一般化を目指し、多様なコミュニティやプロジェクトを増やして、ポートフォリオを強いものにしていきたいです。澤村：僕たちが一緒に活動していくランナーや、ライフスタイルイノベーターって、お金のために活動している方々ではないと思うんですよね。その方々が実際に何をしているのか、何を大切にしているのかを観察し、実際にビジネスに繋げていくことができればと思っています。一人で両方できなくても、チームとして役割が明確であれば、FGは持続的になるのだろうと思っています。

【KDDI総合研究所 副所長木村さん×METRIKA COO澤村】ライフスタイルを起点とする共創プログラム

【創業者インタビュー】METRIKAを通じて実現したいこ

データ分析やAIを用いて、企業のやりたいことを実現していくMETRIKA。今回はCEOでありデータ分析を専門とする小林と、COOとして現場に落とし込むことを得意とする澤村が、METRIKA創業のきっかけや現在の仕事に対する想い、これからの展望を語ります。<h1>「この人と一緒にやりたい」からはじまった</h1>小林：METRIKAは「グレーな課題を、シロクロに。」というビジョンを掲げ（2022年1月末時点）、データ解析やAI活用を中心に、 企業の課題解決をお手伝いする会社です。最大の特徴は、データ分析だけではなく、事業への落とし込みやシステム開発までを一貫してお手伝いすることです。多くのデータ分析のプロジェクトでは、問題解決の具体施策までを期待しているのに対して、多くのデータサイエンスの会社はデータ分析にしか意識がないことが多くもどかしかったです。この問題を解決するために立ち上げたのがMETRIKAです。僕はずっとデータ分析を専門に行っていたのですが、ビジネスの立ち上げに強い澤村と一緒にチームを作ってやっていきたいと思ったのが創業のきっかけでした。澤村：小林とは前職時代に出会い、仲良くなりました。そしたらある日突然「自分で会社を立ち上げようと思っている。澤村さんの名前をCOOの欄に書いておきました」と言われて。多少強引でしたが（笑）、そこからMETRIKAがはじまりました。小林：もちろんやりたいことがあったから起業しようと思ったのですが、それ以上に、一緒にやってみたいと思える人がいたことが本当のスタートだったのかもしれません。僕らのやりたいことの先で、企業のやりたいことが実現し、結果として社会が前進していくと良いなと考えています。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/BLOG_001_1_9eb3aaa6cc/BLOG_001_1_9eb3aaa6cc.jpg" alt="BLOG-001-1.jpg" width="5823" height="3882"><h1>企業のデータを可視化し、人間の判断をサポートする</h1>澤村：METRIKAの目指す部分は、企業にあるデータを統合し、人間の意思決定をサポートする土壌を作ることです。日系企業では今だに、KKD（経験、勘、度胸）で事業が回されている部分が多いんですよ。でもデータがあれば、AとBどちらの道に行くか迷っているときに「データからみると、Aに行った方がいい」と、最適な意思決定に必要な情報を補完できます。小林：「最適」な意思決定には答えが１つしかないように聞こえますが、もちろん問題や部署によって「最適」は異なります。個別の最適解を得ることはできるかもしれませんが、それが何十、何百ある大きな企業だと、全てを考慮した最適化問題は複雑で解を得ることはおろか問題を設定することすら難しいです。それでもデータを使うと、今より良い方向が見えてきて、全体として「最適」な意思決定が得られると信じています。澤村：一方で「データはAって言っているけど、Bに行く」という人間ならではの判断も間違いじゃないと思うんです。自分たちの決断を信じて進むなら、それが一番正しいことだと考えているので。データやAIの良いところと、人間の思い切りの良さをどちらも尊重することで、強い意思決定ができると思います。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/BLOG_001_2_a18705336f/BLOG_001_2_a18705336f.jpg" alt="BLOG-001-2.jpg" width="5821" height="3881"><h1>異なる領域にいた二人が、違う考え方で同じ結論に辿り着く理由</h1>澤村：現在（2022年1月末時点）の役割分担に関しては、データ分析が小林、事業開発は僕が担当しています。小林：と言っても、実は役割がきっぱりと別れているわけではないんです。最初に比べれば澤村のデータリテラシーも上がってきているし、僕も現場について勉強しています。お互いのやっていることが流動的に繋がっていることは、METRIKAとして結果を出せているひとつの要因だと思っています。僕ら二人が違うとすれば、データの見方は少し違うかもしれませんね。澤村は前職で現場をずっと経験しているので、データ分析を専門にやってきた僕には気づかないことが見えていたりします。データをどうやって事業に落とし込むのかを、僕が意識している以上に教えてくれるんです。澤村：もっと言うと、データの背景がすごく気になってしまって、数字が数字に見えないんです。たとえば、営業の部署から得たデータがあるとすれば、それは営業の方々が頑張って作り上げたものですよね。そのデータを作り上げた方々が喜んでくれるような結果を、提供したいと思っています。小林：でも実は、二人で違う見方を持っていても、意見が割れることはほとんどありません。なぜならばデータで可視化されることは、何かまったく新しいことではなく、日々の行動の積み重ねから生まれるからです。それって、現場でわかることとデータから読み取れる情報は同じなんですよね。澤村：確かに意見は割れないですね。そこでおもしろいのは、同じ結論へと至るまでに、それぞれが違う登り方をしていることです。僕は現場を経験してきているので、考え方がどうしても現場や事業者側に寄っていきます。一方で小林は、そのときの状況や社会のトレンドのなかにその企業が存在するのであれば、こちらに行くべきだろうという考え方です。<h1>明確なデータとフラットな視点から、業界の固定概念を変えていく</h1>澤村：現在のクライアントさんは、製造業さんや、テレビ局さん、あとは大手の印刷会社さんや通信会社さんなど。ばらばらすぎて、どう説明したらいいのかわかりません（笑）。ひとつの領域に特化しているデータサイエンスの企業もありますが、METRIKAではあえて領域を絞らずに、さまざまな業界とお仕事をさせていただいています。僕たちのやりたいことである「企業内のデータを統合し、最適な意思決定を見えるようにする」ことは、何かの領域に特化したことではないからです。小林：もちろん１つの業界に特化していないため毎回わからないことばかりです。でもそのときは自分で勉強したり、クライアントさんに教えてもらいながら、一緒に作り上げていきます。僕や一部の研究者にとってはデータ分析事態が目的になることもありますが、多くの場合はデータ分析はビジネスをより良くするための手段に過ぎません。クライアントさんがこれまで築きあげてきた事業に寄り添うなかで、外部の人間として「こういう風にも考えられませんか？」と提案していけると思っています。澤村：固定概念がないからこそ、本質に迫れることがあります。ずっとその業界で働いていると「こうあるべきだ」と決めつけてしまうことが結構あると思うんですよ。でもフラットな視点からデータを見ていると「こっちのほうがシンプルかも、効果がでるかも」と新しく発見できることがよくあります。もちろん変化を起こしていくことが難しいのは重々承知ですが、クライアントさんも僕らが言うことに共感してくれることが多いです。お互いに信頼を保ちながら問題に向き合っていくので、安心感を持っていただくことができると思います。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/BLOG_001_3_cc8147809d/BLOG_001_3_cc8147809d.jpg" alt="BLOG-001-3.jpg" width="5758" height="3839"><h1>信頼がなによりも大事。クライアントの横に座りながら、一緒に問題解決を。</h1>小林：クライアントさんとプロジェクトを進めていくとき、僕はデータ以上に信頼が大事だと思っています。というよりデータも、基本的に信頼がないと使わないんです。それはデータそのものへの信頼かもしれないし、データを作った人への信頼かもしれない。なのでクライアントさんと「一緒に」ということは、常に意識しています。澤村：小林の言うとおりで、特に現場に信頼されないパートナーにはなりたくないと思っています。経営層とだけ話して上から現場に指示を伝えていくのではなく、クライアントさんの横に座って一緒に並走していける会社を目指したいと思っています。小林：最終的に、自分が楽しくやっていることが社会をよくすることに繋がっていけばいいと思っています。クライアントさんが良くなると僕も嬉しいですし、それは小さな改善かもしれませんが、その積み重ねで日本をよくすることに貢献できると考えています。

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