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METRIKAからCATALISTへ ―  CEO澤村が語る「変革の触媒として生きる」決

METRIKAからCATALISTへ ―  CEO澤村が語る「変革の触媒として生きる」決意

国家公務員から海外ビジネス、そしてデータサイエンスへ─“人”に向き合い続けるキャリアの軌

METRIKAで活躍するスタッフ（通称、METRIKAN）はどんな人たちなのか、そのパーソナリティを紐解く連載企画。今回は、国税局員からデータサイエンティストと180度違うジョブチェンジをし、現在はMETRIKAでデータサイエンティストチームのマネジメントを担当している大和田に、これまでのキャリア、METRIKAへの参画理由、今後の展望について話を伺いました。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9542_0b62ca5cf9/9542_0b62ca5cf9.jpg" alt="9542.jpg" width="2048" height="1536"><h1>これまでのキャリアと、METRIKAでの役割について教えてください</h1>私のファーストキャリアは国家公務員で、1年間国税局で勤めていました。その後、海外インターンシップでお世話になった日系子会社の立ち上げのために、海外事業立ち上げにチャレンジしました。大学の頃から海外志向が強く、ミャンマー進出コンサルティングの日系企業で海外インターンをした経験があり、その頃の韓国人上司に改めて声をかけてもらったことで海外事業立ち上げにチャレンジしようと思いました。海外事業マネージャーとしてベトナムとミャンマーにそれぞれで2年半勤務しました。ベトナムでは毎日のようにビルが建設され、経済的に急成長する中で、様々なチャレンジをさせていただきました。当時のミャンマーでは、紙媒体で情報を取得するのをすっ飛ばして、スマホで情報を取得する時代で、Facebookでの広告を用いたマーケティングを模索したことが印象に残っています。その模索の中で、これからはデータやテクノロジーの力がないと競争に勝てないな、と強く感じました。それがデータサイエンスのキャリアを志すようになったきっかけでもあります。その後、データサイエンスの新規事業立ち上げやHR系のデータ分析・プロダクト開発等を経て、METRIKAに参画しました。METRIKAではデータサイエンスチームのマネジメントをしていて、現在プロジェクトとしては、<a target="_blank" rel="" href="https://www.metrika.jp/blogs/20250325">横浜ゴム</a>様の打音による空気圧予測、<a target="_blank" rel="" href="https://www.metrika.jp/blogs/20241202">豊田自動織機</a>様をはじめとしたDX人材育成、関西地域のあるSIer企業のマッチングアルゴリズム開発など人材育成・研修関連の案件と分析案件に関わっています。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9563_5b40d1ce67/9563_5b40d1ce67.jpg" alt="9563.jpg" width="2048" height="1536"><h1>METRIKAで働く上で特に魅力を感じている点はなんですか？</h1>METRIKAの最大の魅力は、メンバー各々が尖った専門性を持ちつつも、その境界にとらわれないで働くメンバーが多いので、常に刺激をもらえるところです。様々なテーマの案件をいただけるので、自分の領域の外側を見ることができますし、刺激を受けます。それぞれのメンバーが、外部の視点ではなくお客様目線に立って、お客様がやるべきだと思うことはまっすぐ遠慮なく対等に伝え、パートナーとしてしっかり伴走する。それが顧客からの信頼にも繋がっている理由だなと思います。ただその分、お客様からの期待も大きく、「この人たちとやると何か面白いことができそうだ」と期待をいただくことが多いので、その期待値を超えるためにメンバーが高めあって自分の最高のパフォーマンスを発揮しようと日々取り組んでいます。データサイエンスチームの中でも、メンバーの得意不得意がある中で、それぞれが大事にしているものを尊重し、プロジェクトに向き合える環境づくりをするように意識しています。またMETRIKAの働き方は、基本的にオンラインが中心で時間や場所に制約がないので、非常に自由度が高いと思います。海外に在住しているメンバーも多く、現在事業開発部門にはドイツ、エンジニアリング部門にはアメリカ、データサイエンス部門にはフランスと世界各国からメンバーが参画しています。プロジェクトが忙しい時には遅くまで働くこともありますが、そのおかげで時間の使い方には裁量がある形で動いています。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9607_9853f3741c/9607_9853f3741c.jpg" alt="9607.jpg" width="2048" height="1536"><h1>METRIKAのプロジェクトの中で直面したチャレンジがあれば教えてください</h1>METRIKAでは難易度の高いプロジェクトが多いですが、その中でも様々なデータを扱ったものはよりチャレンジングだと感じました。音声データや熱データという、物理や化学の理系知識が求められるテーマに取り組んだのは初めてで、分析プロセスの理解で苦労もありましたが、それ以上に新しい発見や学びが多い貴重な経験でした。METRIKAには文系バックグラウンドのメンバーも多くいます。理系出身のメンバーは実験や定量的な検証を得意とし、文系出身者はビジネスストーリーの構築が得意だったりするので、それぞれが補完し合う形でプロジェクトを推進しています。こうした多様な視点を活かしながら、METRIKAでは分析だけでなく、ビジネス全体のデザインに始まり、仮説構築から施策への落とし込みまで一貫して関わることが多いのが特徴です。まだまだベンチャー企業なので、契約関連や開発環境など整ってないところは確かにあります。裏を返すと、自分がやりたいことや想いがあればそれだけチャンスを作っていくこともできるので、整っていない中でも自分で考えて動ける、そこに面白さを感じることができる方にはおすすめです。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9619_e4522a1f01/9619_e4522a1f01.jpg" alt="9619.jpg" width="2048" height="1536"><h1>働くうえで大切にしている価値観と、それを実現するための取り組みについて。</h1>大学時代に初めて東南アジアを旅行した際、「生まれた場所が違うだけで、貧しい環境に置かれている人がいる」という現実を目の当たりにしました。その体験をきっかけに、恵まれた環境で育った自分に何ができるのかを真剣に考えるようになり、自分の強みである「データを活用したビジネス」を通じて、そうした人々に価値を還元できる存在になりたいという思いを持つようになりました。その第一歩として、まずは日本企業のデータ活用力を高めることに貢献したいと考えています。これまで高品質なプロダクトを海外に提供してきた日本企業が、さらにデータ活用の力を高めることで、結果的に他国への支援や価値の還元にもつながると信じているからです。現在は、さまざまな業界のデータに触れながら自分の引き出しを増やすべく、情熱を持って日本企業を支援しているMETRIKAで日々業務に取り組んでいます。また、変化の激しいデータサイエンス分野で継続的にスキルを高めるため、社内のデータサイエンスチームでは月に一度、各メンバーが知見を共有する勉強会を開催しています。今後はさらに、技術力向上を目的とした社内コンペティションなども企画し、メンバー同士が刺激し合いながら成長できる環境づくりを進めていきたいと考えています。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9525_da06764cb7/9525_da06764cb7.jpg" alt="9525.jpg" width="2048" height="1536"><h1>応募を考えている、将来のMETRIKANへアドバイスをお願いします。</h1>METRIKAには、「やりたい」という想いがあればそれを実行に移せるだけの柔軟さと土壌があります。優秀なメンバーが集まっているだけでなく、お互いの挑戦や成長を支え合う文化が根付いているのもMETRIKAの大きな魅力です。誰かが「こんなことをやってみたい」と声を上げたときには、チーム全体でネットワークを活かして支援する、といった場面も多く見られます。また、エンジニアにとっては、どのプロジェクトに関わるかがスキルアップに直結します。METRIKAでは、可能な限りメンバーの興味やチャレンジしたい分野に沿ってプロジェクトがアサインされるよう工夫しているため、面談などでぜひご自身の関心や目指したい方向についても共有していただければと思います。そして何より、METRIKAで活躍している人たちに共通しているのは「学びに前向きであること」です。技術の変化が早いこの業界では、常にアンテナを張って新しいものに取り組む姿勢が大切です。そんな意欲的な仲間たちと切磋琢磨しながら、高いレベルで仕事を楽しめる環境がここにはあります。<hr>creditライティング：村田莉野 編集・監修：尾崎誠 写真撮影：<a target="_blank" rel="" class="OYPEnA font-feature-liga-off font-feature-clig-off font-feature-calt-off text-decoration-underline text-strikethrough-none" href="https://www.eichitano.com">田野英知</a>

国家公務員から海外ビジネス、そしてデータサイエンスへ─“人”に向き合い続けるキャリアの軌跡

METRIKAのCCO(チーフクリエイティブオフィサー)増田総成が語る、デザインと向き合い課題を解決するというこ

METRIKAで活躍するMETRIKANはどんな人たちなのか。METRIKANのパーソナリティを紐解く連載企画。今回はチーフクリエィティブオフィサー（CCO）としてMETRIKAのクリエィティブ領域を担う増田が、先日開いた個展の企画やこれまでの成果、これからの仕事について語った。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9940_287b8cebe9/9940_287b8cebe9.jpg" alt="9940.jpg" width="2048" height="1536"><h1>先日展示会が開かれてましたよね。今回の展示会に対する増田さんの思いを教えていただけますか？</h1>デザイナー業界では紙といえば「竹尾」というほど、良質な紙を扱う紙の専門商社があります。毎年15名のデザイナーが選ばれ、1年かけて新しい印刷技術や紙の素材などを取り入れて、自分が感じたことを展示するプログラムがあるのですが、今回はそのプログラムに選んでいただいて参加したというのが経緯です。作品を生み出すことが久々だったので、企画が固まるまでは正直難しかったです。笑ただ1年くらい前から絵でも描くかな、どうしようかなと考えていて、自分としっかり向き合う時間がありました。そこで、社会人になってからはアートというよりもデザインで何かの課題を解決するというアプローチが多かったこともあり、背伸びしてアートをやるより今までやってきたことを活かしたいと考えて、ピースペーパーの企画ができました。紙業界はペーパーレスやデジタル化の流れでどんどん衰退していってしまっているのが現状で、お店の人と話していてもFSC認証など環境に配慮した紙作りをすること自体が当たり前になってきています。紙を使うことが後ろめたと感じてしまいかねない時代に紙をポジティブに使いたくなる仕組みを作って、製紙業界を活性化したいというのがこの企画に込めた思いですね。ピースペーパーのアイディアとしては商品を作る際に竹尾の紙を選んでいただけたら、例えば鉛筆などのドネーションツールが発展途上国の学校や教育施設などの寄付先に送られ、教育支援の寄付に繋がるという仕組みです。紙を使うことが環境を破壊するだけではなく、ちゃんと他の人のためになっている。平和の紙という意味で「ピースペーパー」と名付け、白いハト２匹をシンボルにしました。今後は本格的に実装できるように話を進めていく予定ですが、竹尾はデザイナーさんとの接点もあるので、紙を選ぶデザイナーさんにこの仕組みを紹介することができたら、一気に広がっていくんじゃないかなと思っていて。元々僕がWWF（世界自然保護基金）などで環境支援を行っていたこともあり、今後は寄付に賛同いただける企業、導入企業をもっと増やして、紙が必然的に売れていく、そういう循環になっていくといいなと考えています。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9926_57d0a61d68/9926_57d0a61d68.jpg" alt="9926.jpg" width="2048" height="1536"><h1>クリエイティブ、デザイン、アートは近い物だと思っていたのですが、線引きがあるんでしょうか？</h1>近いと感じるかもしれないですが、実は結構違うと私は思っています。クリエイティブは創造するということなのでアートもデザインも1番包括していると思います。デザインとアートは全然違っていて、アートは課題が何もなくても自分と向き合って、自分が作りたい物を作り続ける。そしてそれ自体に価値をつけ、マネタイズします。一方でデザイナーは課題があって、それに対して物を作ることで課題を解決してお金をもらう。以前はアートに興味があった時期もありましたが、自分はコミュニケーションしながら物作りをしたいタイプなので、色々な企業や人の課題を汲んで、それを形にしていくデザイナーの仕事が合っているなと今では感じますね。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9864_310e5739fb/9864_310e5739fb.jpg" alt="9864.jpg" width="2048" height="1536"><h1>METRIKAではチーフデザインオフィサー（CDO）を新設されていると思うのですが、増田さんが担われているCCOとCDOの棲み分けや今後の展望を教えていただきたいです。</h1>METRIKAでのデザインは物を作るだけではなく、課題自体を明確化していって、それを分析したり、一緒に並走するというコミュニケーションや対話も重視しています。前工程の課題解決に向けた要件定義は仕組みとしてのデザインに専門性や経験を持っている<a target="" rel="" href="https://www.metrika.jp/blogs/blog20240226">野尻さん</a>が、後工程の実際のクリエィティブとしてのものづくりや見せ方の部分は私が担当しています。今期特に注力していくのはMETRIKAデザインをサービスとして確立することです。国内ではまだデータやAIなどの技術に対応していくところからスタートする企業が多いですが、海外はすでにテクノロジー面では対応ができていて、プラスαの領域としてデザインに注目が集まっている。今後のMETRIKAの差別化要素としてデザイン領域を一段強化し、グローバル展開を仕掛けていきたいというのが今季の構想です。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9892_f561e7b3fe/9892_f561e7b3fe.jpg" alt="9892.jpg" width="1504" height="1128"><h1>METRIKAのCCOとして2年伴走いただいた中での成果やこれまでのブランディングの意図についてお伺いしたいです。</h1>まず自分がビジネスにおいてクリエイティブをどう捉えているかをお伝えできればと思います。クリエィティブはユーザーに自社/商品/サービスを区別してもらい、ファンになってもらうための活動全てを指すと思っているので、ビジネスにおいても非常に重要な要素になります。ブランディングやコミュニケーションを強化できれば、価格競争が回避できたり、ファンを獲得できたり、自社のカルチャーにあった優秀な人材を採用できたりと色々な効果があります。その観点において、成果はまだ途中かなとは思っていますが、ブランドとしての見え方は一定出てきたのではないかなと考えています。初めにCEOの小林さんとCOOの澤村さんに声をかけてもらった時は、METRIKAは創業期で2人からまさに始まったというタイミングでした。ブランディングをリードして欲しいと言われた時に、白黒のようにキャラクターの真逆な2人だからこそ、合わさることで強みが出るという感覚を表したいなと思いました。あと、データは0と1なので2つしかないその数字の組み合わせは白黒だなと感じ、METRIKAのHPや名刺などのビジュアル面で表しました。小林さんや澤村さんの人柄も含めて、クライアントさんに対する接し方としての誠実さだったり、信頼感が白黒に合わさり、これまでのMETRIKAのブランディングになってきていると思います。ただ、今ではメンバーも40人弱いて、2人の色だけではなくいろんな人のカラーが混ざってどんどんチームになっていく過渡期なのかなと。METRIKAはギルド集団というかアメーバというか、みんなでトライアンドエラーしながら切磋琢磨しながら、やっているのがすごくいいなと思っています。こういうブランドの作り方は自分もはじめてなので、これからどういうブランドを作っていけるか、今も前向きにトライする中でプロセス自体を楽しめていると思います。海外ユーザー向けも含めた新HPの作成を今進めていますが、「写真入れてみた方がわかりやすいよ」とか「海外は黒ベースの方がいいかも」みたいなみんなの意見も出てきていて。なので結構思い切って変えていて、このトライアンドエラーを繰り返して、まずはしっかりブランディングを固めていきたいというのが自分としてのミッションですね。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/9888_726562dd75/9888_726562dd75.jpg" alt="9888.jpg" width="1474" height="1106"><h1>24年度、注力していくところについて教えてください。</h1>先ほどお話ししたMETRIKAデザインを注力するのはもちろんですが、初期からずっと掲げているデジタル、ビジネス、デザインの３本柱でやっていきたいですね。先ほどのピースペーパーの話ですが、そのものをマネタイズするというよりかはあの仕組みが循環すれば社会貢献になる、そこがMETRIKAのvalueのThink Good.にも繋がると思ってます。METRIKAではただお金を稼ぎたいというよりも、社会に対して貢献したいと感じているメンバーが多いと思うのでThink Good.の考えをベースに社会に意味のあるプロジェクトをどんどん仕掛けていきたいと思っています。<hr>credit ライター：村田莉野 編集・監修：尾崎誠 写真：田野英知 撮影場所: 株式会社竹尾 青山見本帖 東京都渋谷区渋谷4-2-5　プレイス青山1F

METRIKAのCCO(チーフクリエイティブオフィサー)増田総成が語る、デザインと向き合い課題を解決するということ

「METRIKAの二刀流 野尻梢が目指す、デザイン×エンジニアリングが融合したその先の理想

METRIKAで活躍するMETRIKANはどんな人たちなのか。METRIKANのパーソナリティを紐解く連載企画第8弾の今回は、エンジニアとしてのキャリアを歩みながら、アート領域やユーザデザインの設計に情熱を注ぐ野尻が、これまでのキャリア、METRIKAを通して成し遂げたいことについて語った。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1492_72066b90e0/1492_72066b90e0.jpg" alt="段落① 1492.jpg" width="2560" height="1920"><h1>野尻さんがエンジニアやアートに興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか？</h1>中学時代の挫折と父の存在。「感動するものを作りたい」模索した学生時代出発点は、父親がシステムエンジニアだった影響です。Windows95が広がって、一般家庭でインターネットが使えるパソコンが整った小・中学生の時点で、父はすでにシステムエンジニアとして働いていました。そのような環境もあって、コンピュータを代表とするテクノロジーを使うことが、世の中のベースになっていくんだろうなっていうのを、前提として思っていました。あとは、私が生粋の「スラムダンク世代」で、小学生の頃からバスケットボールにハマって、バスケをすることが生きることだというくらいに熱中していた中学生の時に初めての公式戦の直前で怪我をして人生初めての挫折を経験しました。腐りかけたところである映画を見て心動いたことで「感動は生きる力になるんだな」とアートに興味を持ちました。自分も感動するものを作りたい。ただ、アーティストになるのはしっくりこなくて、アートとテクノロジーを掛け合わせたい、その方法を模索したいと思ったのが、その時でした。それまでは全然勉強してこなかったのですが、納得したり意義を見出したら頑張るタイプだったので、高校は猛勉強して進学校に進み、同時に美術学校にも通いました。その後、大学は工学部を選びました。裏話ですが、併願していた芸大受験の面接で、面接官の教授とアート論について意見が対立して面接会場を追い出されたことがあって（笑）自分が未熟だった部分は多分にあるのですが、その時に同じアート論を持てないと入学できないということに違和感を感じ、大学進学という形では芸術の道を選ばすに工学部に進むことにし、その頃は映画でテクノロジーといえばコンピューター・グラフィックと安直に思っていたので、その仕組みを構築するコンピュータビジョンなどの画像工学を学びました。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1500_9a4a13f083/1500_9a4a13f083.jpg" alt="段落② 1500.jpg" width="2560" height="1920"><h1>以前はご自身で会社を経営されていたとのことですが、どのような経緯だったか教えてください</h1>アートではなくデザインで。心が動く仕組みをコミュニケーションツールとして社会システムに活用するアートとテクノロジーの掛け合わせの形を模索している中で、現在YYARTS（ワイワイアーツ）を経営している山口裕美さんの本を立ち読みして感銘を受け、会いに行こうと思い、その本の中で紹介されていたNPOに入ることで実際にお会いしました。それがきっかけで裕美さんからアートの役割や可能性について多くのことを学びました。いきなりアートマネジメントの領域に入るには、私はまだ社会自体を知らないので、先にテクノロジーを習得するためにシステムエンジニアとして独り立ちするなかで社会の仕組みを理解しようと考え、5年間で一人前になることを目標に過酷な働き方をしました笑 結局はプログラミングからマネジメント、技術営業と幅広く挑戦する機会をいただいたおかげで7年間ほどでシステムエンジニアの職を離れることになりました一通りこの領域ではやりきったと思ったので、アートマネジメントの大学院を探していた時に、イギリスの大学を何校か見て回りました。しかし、歴史があることはよくわかるものの、どうもしっくりこなくて。その時に昔デザイナーの東泉一郎さんがおっしゃられた言葉を思い出したんです。東泉さんとは、先ほどのNPO団体の集まりでお酒の場を共にしたことがありました。デザイナーという肩書きではあるものの、教育制度の改革やJAXAとの共同研究などに携わられていて、みんなでなぜデザイナーという肩書きなのですかと伺ったことがあります。その時に「エンジニアリングは論理の積み重ねで答えを導くけれど、それだけではゴールに辿りつかないことがある。そこで論理をぽんっと飛躍させることができるのがデザインなんです。だから僕はデザイナーなんです。」と返ってきたのを思い出しました。それで「ああ、私はデザイナーになりたいんだな」と思いました。そしてそのイギリスで、慶應義塾大学のメディアデザイン研究科の大学説明会を見つけ参加しました。私が思っている「デザイン」の定義と同じだなと感じ、帰国2週間後の入学試験を受験し、入学しました。自分がアートにこだわっていた理由を言語化できたのは、メディアデザイン研究科に入ってからですが、現代アートの仕組み、現代アートというコミュニケーションの方法に興味があったのだと気づきました。映画を見て感動するといった、それを受け取った側が作り手の問いかけを受け取りながら自分の体験や状況、考えを統合させて受け取る余白があることでより心地よくメッセージを受け取ることができるという仕組みが、コミュニケーションのツールとして優秀だなと思いました。アーティストのような作り手になるというよりは、そのメッセージのやりとりの形を、コミュニケーションツールとして確立し、もっと社会に有効活用したいのだなと気づきました。ここまで自らの考えが整理できた修士過程在学時に、YYARTSの立ち上げに誘っていただきました。いま考えると、これが人生の第二フェーズへの入口で、誘っていただいたことにとても感謝しています。日本におけるアートが置かれている現状、アートの力、アートに期待できること、答えがひとつでない複雑な現代を生きるビジネスマンほどアートとの向き合い方が有効であることなども学びました。その後、YYARTSのグループ会社としてインバウンドの会社を立ち上げるのでそこでエンジニアとして手伝って欲しいと言われ、立ち上げを手伝いました。その会社からスピンアウトする形で、自分が代表のDSInnovationというデータを活用する会社を立ち上げました。そこでは、訪日観光客向けに、ポケットWi-Fiを通して収集されたパーソナルデータやビッグデータを活用してアップデートし、個々の観光客に最適なサービスを提供するインバウンド事業や、企業内データのデータ活用プロジェクト、データサービスの立ち上げ、慶應メディアデザイン研究科との共同研究支援などを行っていました。<hr><img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1457_cc338928d0/1457_cc338928d0.jpg" alt="段落③ 1457.jpg" width="2560" height="1920"><h1>METRIKAにジョインしたきっかけは何だったのでしょうか？</h1>一人では限界があっても、METRIKAであれば、各工程で深いところまでやり切れるメンバーが揃っている。METRIKAに興味を持ったのは、自分が代表をしていた会社と考え方が近かったからですね。一番のキーは、テクノロジーベンチャーなのにデザインという言葉をわざわざ使っているところです。メディアデザイン研究科には、マネジメント、ポリシー、デザイン、テクノロジーの四つの柱があるんですけど、メトリカもテクノロジー、ビジネス、デザインの３つの柱を掲げていて、デザインの意味も自分の定義と同じだと感じました。テクノロジーをベースとしながら、それは手段であり、こだわるべきは顧客にとって価値ある仕事かという視点がとても共感できました。他にも、私はただモノを作って終わりではなくて、何を作るべきかから、作って、それがどう活きるか、最初から最後まで、一気通貫でやるべきだとずっと主張してきたんですが、言ってることは正しいし、わかるけど、できるの？と消極的な反応をされることが多かったです。それがMETRIKAは、それをやるべきだときちんと言い切っていて、こちらも自分の考えと合致しているなと感じました。そして一通り全部やるには中途半端になってはいけないとも思っていて。いい仲間に恵まれながらも、今まではほとんど全部一人でやってきていて、一人だとここまでしかできないなと思うこともありましたが、METRIKAは各専門分野でクオリティ高くパフォーマンスできるメンバーがちゃんといて。データ分析は小林さん、事業開発なら澤村さん、デザインなら増田さんという形で層が厚いなという感覚がありました。夢物語じゃなくて、ちゃんと顧客にとっての統合的な成果を追求しながら、各工程だけでも充分に深いところまでこだわり、実績をあげられるんだろうなと、METRIKAであれば顧客への提供価値をもっと良質にできると感じました。<hr> <img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1396_80c4cdd0b1/1396_80c4cdd0b1.jpg" alt="段落④ 1396.jpg" width="2560" height="1920"><h1>METRIKAでの野尻さんの現在の役割と、今後取り組んでいきたいことを教えてください</h1>デザイン×テクノロジーの力で、パーソナルデータの活用とユーザ目線のサービスを広げ、コミュニケーションの断絶を無くす新しいサービスを作るためのワークショップ、ビジネスの組み立て支援や、新しい技術と事業者のコラボレーションなどを担当しています。元々自分で会社を経営していた時にも、ユーザー体験のリサーチ設計であったり、みんながアイデアを出しやすくするようなワークショップの構成など、近いことも経験してきました。最初はワークショップの支援のみでしたが、最初に設計したワークショップが好評で、事業化に焦点を当てたワークショップも今後やっていくことになりそうです。他には、現在担当している自動車部品・車両メーカーのお客様のプロジェクトで、毎週・隔週行っているよろづ相談会です。相談会はベテラン向けと新人・若手向けの２プロジェクトが走っています。DX をちゃんと推進するためには、現場のことを知り尽くした方々がデジタルを使いこなすことが何よりも意義があるため、そのための支援を行っています。 澤村さんが人事、ビジネスなど、小林さんが統計、データ分析など、私がシステム開発、ユーザー体験、リサーチの領域などのようにそれぞれの強みを活かした支援をさせていただいています。METRIKAは2024年でもう4年目を迎えますが、最初から４年目以降はデザインに力を入れようと話していたので、デザインとテクノロジーとビジネスの３領域を融合させる案件に取り組んでいきたいと思っています。日本最大空港の案件でPMOをした際に、ユーザー体験の設計と事業化、それを支えるデータ基盤を開発したいがために、大手コンサルファームに発注したものの、結局はデザインチームとテクノロジーチームに分かれてしまい、うまく連携出来なかったということを体験をしたことがあります。一つのチームでやって欲しいから、わざわざ大きい会社に発注しているのに、別々の領域の人達がそれぞれで動いていて。テクノロジーとデザインでは、見てる目線も、使う言葉も違うため、両者がチームとして噛み合っておらず、案件としてデザイン×テクノロジーの両立が求められるものは増えてきているのに、現状ではまだやり切れていないと感じています。ここまで堅実にAIやテクノロジーに強い会社が、デザイン事業を、その領域だけでも事業が成り立つほど実績をあげている事例はほとんどないので、METRIKAの三つ巴の強みをうまく使って、全部が噛み合うことで生まれる面白く意義のあるプロジェクトを通して世の中に価値提案をしたいと思っています。また自分が関心をずっと強く持っている、データを自分のために活用させるパーソナルデータの切り口でいうと、今後は個人と事業者、さらに社会全体のコミュニケーションの仕組みをもっとバランスよくしていきたいと思っています。例えばGoogleはサービスを提供していて、ユーザーはデータを提供して、というように、お互いがいるから成り立っているサービスなのに、プラットフォーマー優位で進んだり、逆に今はデータの扱いをめぐってユーザーの声が大きくなって事業者が批判されたり。パーソナルデータとそれを生かしたサービスのパワーバランスが取れておらず、お互いがうまくコミュニケーションができていないと思っています。コミュニケーションの断絶を無くしたいというのが、一番根底の個人的思想としてあって、博士課程の研究領域としては中でもこのパーソナルデータの活用という文脈での解決に着目しています。生きることって簡単ではないです。でも「善く生きる」をヴィジョンに掲げているMETRIKAであれば、私が好きな宮崎駿さんの言葉 ー 『この世は生きるに値する』 ー と思えるような人を一人でも増やすことができるのではないかと楽しみにしています。<hr>credit ライティング：和泉麻耶 編集：村田莉野 写真：田野英知 撮影場所: Art gallary YYARTSArt gallary YYARTSについて 山口裕美（やまぐち・ゆみ） アートプロデューサー。 アーティストが孤軍奮闘する日本の現代アートの現状の中で、常にアーティストサイドに立ったサポート活動を続けている。日本の現代アートを世界に向かって発信するその活動から「現代アートのチアリーダー」の異名を持つ。写真内作品について 福井利佐（ふくい・りさ） 1975年静岡県出身。多摩美術大学グラフィックデザイン専攻卒業。切り絵アーティスト。1999年 JACA日本ビジュアル・アート展 特別賞。精緻な観察による描写のきめ細やかさと大胆な構図で、観る者を圧倒させるような生命力のある線の世界を描き出す。 参考URL：<a target="_blank" rel="" href="http://yyarts.co.jp/risa-fukui-letter-pictures/">http://yyarts.co.jp/risa-fukui-letter-pictures/</a>

「METRIKAの二刀流 野尻梢が目指す、デザイン×エンジニアリングが融合したその先の理想」

「METRIKAの何でも屋 北岡が語る、幅広いキャリアを歩んだ先にMETRIKAで成し遂げること

METRIKAで活躍するMETRIKANはどんな人たちなのか。METRIKANのパーソナリティを紐解く連載企画第三弾の今回は、自身でもMETRIKAのなんでも屋さんと話す北岡が、これまでの異色のキャリア、仕事で大切にしていること、METRIKAで成し遂げたいことについて赤裸々に語った。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/image3_1_e45dc64e94/image3_1_e45dc64e94.jpg" alt="image3 (1).jpg" width="1999" height="1500"><h1>１、お米の研究からコンサルファームへ、狭い価値観を脱したタイミング</h1><blockquote>北岡さんはご自身でもMETRIKAの何でも屋と形容されるほど幅広い領域に対応されていますよね。これまでのキャリアはどのような変遷だったのでしょうか？</blockquote>私は生まれてから大学までずっと名古屋で、大学では学部生の時にお米、特に浮イネの研究をしていました。大学院では、お米から少し離れて植物の研究をしていました。浮イネは普通の稲とは違い水かさが上がるに連れて根が伸びていくという特徴があります。カンボジアなどの降水量の多い地域でも稲が生き延びられる仕組みを遺伝子解析で特定し、米の収量が高いコシヒカリ等の品種と掛け合わせることにより、洪水地域の食料問題解決に繋げられるよう研究をしていました。卒業後、私は農業のファームから総合コンサルのファームに移ることになります。きっかけは大学の時に入っていたディベート部です。入学当初は、ESSという国際交流のサークルに所属していて、外国人とパーティーで交流するのがメインの活動だったのですが、もっとビジネス的な場面でやる英語をやりたいと思って、その中でディベートのサークルを立ち上げて活動していました。ディベートはパーラメンタリーと呼ばれるイギリス議会を模した形式でして、「安楽死に賛成かどうか」とかSFチックな「人間の欲望を完全に抑えた世界と、そうじゃない世界があった場合、どちらがいいんだろう？」等のテーマがありました。当時はマレーシアや香港 等で開催された国際大会に参加をしたりもしていました。名古屋出身の方ならわかると思うんですが、名古屋の大学生は東京の就活事情にあまり詳しくなくて、トヨタ関連会社に就職したらゴールみたいな感じでいる人も多いイメージです。私もそういう世界観で大学まではいましたが、ディベート部で、東京、京都、九州と全国各地を飛び回ったり、他国に行く中で、それだけの価値観の世界に閉じ籠っていては何も成せないなと感じるようになりました。そして先輩から「ある程度はディベートの世界で成果も出せているので、コンサルの世界に行ってみたら活躍できるんじゃない？」と助言をもらい、当時はコンサルは何をやっているのかわからないながらも、とりあえずビジネスのことを幅広く学べそうだなという流れで総合コンサルファームに入りました。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/image5_1_2e0310ae3c/image5_1_2e0310ae3c.jpg" alt="image5 (1).jpg" width="1999" height="1500">コンサルに興味を持った背景として、大学、大学院での研究時代の時に感じた、「興味のある領域や真理追求を、自分の世界に没頭して突き詰めたい」という感情と、「独りよがりだと虚しいだけだから、社会や世の中に影響を与えていきたい」という感情の両方を満たせそうに感じたからです。その2つの感情の間を埋めてくれるのは、個々が興味を持って「面白い」と感じられるものを資本主義の中で世のため人のためになるようにビジネスの形に落としてあげることなんだな、と感じたのもありまして。一旦コンサルではビジネス専門性を高めるというのが当時のキャリア戦略でした。正直、外資コンサルは相当厳しいイメージかつ、就活/インターン/アルバイトにあまり触れてこず外界との繋がりが疎遠なまま閉じ籠りっきりだった自分としては、チャレンジングすぎて人生終わるかもしれないなという感覚もありました。ただ数年でクビになったとしても、他で戦えるスキルは得られるだろうと楽観視もしていました。 コンサルの仕事は次々と異なるプロジェクトの中で新しいテーマと出会えて面白かったですが、特に若手のうちは与えられたプロジェクトに左右されて自分の色が出しづらいことも多く、覚悟していたより環境がぬるかったり、やることがすでに決まりきっているプロジェクトも多く「そもそもこれをするのが正しいのだろうか？」という葛藤も多々ありまして、次のキャリアに向けて他の事にも手を出すようになっていきました。挑戦の一つとして「異文化コミュニケーション」をテーマにした本の出版を手伝いました。私はビジネスもアカデミアも好きなので、その双方の人を繋げられたらいいのではないかと考えて制作したものです。インドのお弁当（ダッパーワーラー）販売会社の論考を私は寄稿しています。ざっくりいうと、DXやデジタル化がもてはやされているが、地域の土地勘のある人の力を活かしてビジネスモデルを設計することで当時のITオペレーションよりも高い品質でのオペレーションが実現できる、という事例についてまとめたものです。最近も、生成AIに対して、「人間はこれからどのような仕事をしていくことになるのか？」という議論が展開されることも多いですが、そうした議論に通づるところもある論考です。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/image4_0e1ec40c8f/image4_0e1ec40c8f.jpg" alt="image4.jpg" width="1999" height="1500"><h1>２、広告業界で学んだロジックではなく人の感情を動かすということ</h1><blockquote>ここまでのキャリアも研究、コンサル、本の出版など様々なことをされていますが、その後は広告業界とまた違った経験をされていますよね。どんなきっかけがあったんでしょうか？</blockquote>これもまた、私の業務外での挑戦の一つとして、コンサル転職希望者向けの社会人コンサルブートキャンプを運営していました。この時に転職先である広告代理店役員の方から声をかけられて参加しました。正直、当時は広告業界のこともあまり知らず入社しました。今思うと華々しくて、遊び好きな人が多いイメージなので、全く自分とは合っていませんでしたね。選考時も他の候補者は、高級バックやジュエリーのブランド、マーケティングの話をしている中で、蚊取り線香のキンチョーが伝染病の多い国に展開したビジネス戦略の話だとかをしていたのを覚えています（笑）ただ、広告業界の扱うブランド・マーケティングの分野はロジカルとは対極でありつつも、大衆を操作できる凄いものであるというイメージを持っていました。私はどちらかというと人より感受性が低い方の人間であると自覚しているので、人の感情が何なのか？人の感情はどういう仕組みで動いているのか？というのは大学時代から興味があり、よくわからないながら転職を決めました。その広告代理店自体は数万人の社員がいますが、自分が所属していたのは、その中の40人の少数のコンサル部隊です。いざ入社すると、やっぱり自分は異質な存在だったように思います。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/image9_1_48f12ef7d4/image9_1_48f12ef7d4.jpg" alt="image9 (1).jpg" width="1999" height="1500">基本的にお客様は本部長、取締役、社長や会長になることが多く、圧倒的な能力と個性を持ったマネージャー陣がチームでの裁量を持っているために、師匠に弟子入りして学ぶ子弟制の様な職場でした。皆さんが知っているような大手消費財のマーケティング、地方テレビ番組の企画、製薬会社のグローバルのブランドコンセプト策定 等、新卒の時は味わえなかったスケール感の大きいことに一気に取り組めるようになりました。新卒時の会社は、プロジェクト体制の分業が進みすぎていて、全体としては大きいプロジェクトであっても形式的な動きしかできなかったりしていたので、「面白さ」という点でもより良い経験ができたと思います。プロジェクト内容に幅がある一方、やはり感性や情緒が主戦場になって、世の中のファッション・流行りものを本当に好きでやっている人達の中で、自分が真正面から戦うのは厳しいとも感じました。そんな中で自分が行き着いた領域は、ブランド・マーケティングといった感覚的に意思決定されがちな分野をデータでゴリゴリ分析して、市場ポテンシャルや施策の影響予測、消費者の反応 等の客観的事実でチームをサポートする立場でした。２年ほど働く中で自分の強みの活かし方を模索し、さらに自分に合った形で強みを伸ばせる場所への転職を検討するようになりました。丁度、東大の物理出身で理系研究者を目指していた知り合いの方が立ち上げた会社から声がかかり、創業時はある程度理念的には方向性が合っていそうだったので入社することになりました。データサイエンティスト向けのコンペの開催、DX人材のマッチングなどをしている会社です。データサイエンティスト/研究者のように全く領域の違う人々を繋げること、その中でプロジェクトをすることに楽しみを覚えました。 その後、会社の方向転換もあって業態も変わっていき、専門性の高い尖った人材との協働機会も減っていく中で退屈さを感じていたところ、CEOの小林さんから声をかけて頂いたのがMETRIKAと出会えたきっかけです。澤村さんや増田さんなどの各領域で成果を挙げてきた方々に出会えた他、様々な領域で尖った人材との共創提案やプロジェクトを通じて、METRIKAでできることのポテンシャルをより一層感じ、のめり込んでいきました。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/image2_1_22a9749cfe/image2_1_22a9749cfe.jpg" alt="image2 (1).jpg" width="1999" height="1500"><h1>３、METRIKAでの役割と今後成し遂げたいこと</h1><blockquote>幅広いキャリアで様々なご経験を積まれてきたんですね。北岡さんの現在のMETRIKAでの役割や今後成し遂げたいことについて教えてください。</blockquote>役割としてはなんでも屋ですかね（笑）、悪く言うと器用貧乏でもあるなと思いますが、統計・データ周り、広告周り、ビジネス周り、ブランド周り、色々広くやってきたがゆえに、データやビジネス、デザイン、ある程度の範囲では穴を埋められる存在だと思っています。データ分析ができ、かつ違う分野も理解ができる、その間の橋渡しが自分に求められているんだと使命感を感じています。例えば、とある部品メーカーさんのプロジェクトでは、目下求められていることとしては細かいデータフローの業務改善が強かったりするんですよね。でもその一方で、その会社はすでに業界トップクラスの取り組みができていて競合企業も多様な領域に着手できている中で、本当に取り入れるべきは社会トレンドやこれまでの会社の変遷を踏まえて、その会社として当該領域でどうビジョンを持つのか？という話だったりします。この両者を繋げてプロジェクトを成功に導くために自分の役割が必要なのだと感じています。METRIKAの魅力は、自分が知らない分野のエキスパートとともに働くことができる点です。ある特定の分野に秀でた方がとても多いので、うまく組み合わせて、それぞれの人が持っている良さをうまく橋渡しし、新しい良さを生み出すことができる、そんな関わり方もできます。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/image7_1_acbc872687/image7_1_acbc872687.jpg" alt="image7 (1).jpg" width="1999" height="1500">対クライアントへの価値提供でいうと、正しいことを言うだけでなく、遊びや寄り道の要素も入れながら顧客自身が心から解決したいと思える課題の解決に伴走するパートナーとなりたいです。コンサル業界にいたときに感じたのですが、「社長がこうだから。本部長がこうだから。」と、本人の意思と反していても、「サラリーマンだからね」と諦めている方を沢山見てきました。また、そういう方々に御用聞きで無難な他社事例を提案しているコンサル会社の方も沢山見てきました。それだと、お互い型にはまっていることをただやるだけになってしまうし、嫌々仕事してつまらないと思うんですね、さらにそれって組織の中に無理してやらなきゃいけない雰囲気を伝番させてしまうじゃないですか。で、本質的にやるべきでないことに会社の貴重なお金が流れていったりする。なので、クライアントが解決すべき課題に対して言いづらいこともしっかり言う。プロジェクトとして価値につながるのであるなら、憎まれ役もお調子物も買って出る。そんな姿勢で挑み続けたいですね。正しい事、役員/お客さんにただ聞こえの良いことを伝えるだけではなくて、ちゃんと企業の課題と向き合う、それだけでなくプロジェクトに遊びの要素を入れることで、関わってくれた方々も楽しく刺激的でいられて、馬鹿真面目にプロジェクトを進めていた場合には思いもしなかった結果を得られる、そして関わってくれた全員の幸福度が上がっていく、大変かもしれないですがそんな仕事をこれからもし続けていきたいです。

「METRIKAの何でも屋 北岡が語る、幅広いキャリアを歩んだ先にMETRIKAで成し遂げること」

「COO澤村が語る、企業の戦略参謀として価値発揮するということ

METRIKAで活躍するMETRIKANはどんな人たちなのか。METRIKANのパーソナリティを紐解く連載企画第二弾の今回は、COOでビジネスサイドをリードする澤村がこれまでのキャリア、行動の根底にある価値観、METRIKAの目指すところを語った。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1631_38f30253cc/1631_38f30253cc.jpg" alt="1631.jpg" width="11648" height="8736"><h1>10年間人材業界で活躍されてきたと思いますが、転身し、メトリカを創業しようと思ったきっかけはなんですか？</h1>大きなことを言うようですが、日本の企業を、社会を元気にしたいと思っていて。ものづくりの世界では日本はNO1だと思うんですが、次の3年5年のスパンで考えた時に、今のままではまずいという危機感がありました。逆に、いま日本がデジタル化の波を乗りこなすことができれば、ものづくりという強みにレバレッジを掛けられるはずとも考えていました。そんな時に支援先のベンチャーでCDOをしていた小林に出会い、２人で起業したいと声を掛けてもらったことがきっかけです。また自身のキャリア全般に通じる考えですが、自分というリソースをどこに配置すれば、一番活かすことができるか、頭の中で常に盤面を考えるようにしていて。独立して人事コンサルになることもできましたが、人事、新規事業、経営戦略を大手で10年やってきた経験と元々の自分のパーソナリティを考えると、自分の価値を最大限社会に還元できるのはベンチャーの中に身を置くことだと思いました。METRIKAのお客様はその業界で日本を代表する企業ばかりなので、要求水準は極めて高いですが、クリアしていくとまたMETRIKAがやれることが増えていく。創業してからのこの2年間、正直辛いと感じることはなかったです。むしろ、いつも自分が思った正しい道を直線距離で走れるので、素直でいられています。楽しかったが故に成果もついてきていますし、今はMETRIKAを大きくすることが世の中にとって最も価値を還元できると思って、全力でやっています。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1615_89d95ad423/1615_89d95ad423.jpg" alt="1615.jpg" width="11648" height="8736"><h1>人材業界に入ったのはなぜですか？</h1>元々マクロで物事見るのが好きでした。どこを学んだら希少価値が高く、競合優位性を持てるかを考えていて、大学に入る時は次に時代のニーズが高まるのは確実に環境分野だなと思い、地球環境問題やエネルギーマネジメントゼミに入り、非財務情報への取り組みが中長期で株価に与える影響について研究していました。そんな中でキャリアや僕の人生観に大きな影響を及ぼしたのは東日本大震災です。当時は大学3年生で、地震発生後に石巻でボランティアをしていて。日常って当たり前ではなく、自分ではどうしようもなくある日突然理不尽に奪われるということを目の当たりにしました。よく生き急いでいるなんて言われることもあるんですが、今日明日死ぬんじゃないかと思って生きているのは、その時の影響が大きいと思います。そして、研究分野が株式に関するものだったので、証券などの世界に進むことも考えていたのですが、東日本大震災のような極限状態の時には、株価がどうかとかに詳しくても目の前の人は救えないと感じました。炊き出しに並んでいただく方々と会話していると、だんだん元気が無くなっていくんです。お腹は満たされるけれど、自分が働いて稼いだお金ではないもので自分が生きるということに、だんだんと虚しさを感じると言ったある方の言葉で、「はたらく」ということは、人間の生きる理由に密接に関わっているのだと感じました。そこで「はたらく」について知ろう。経営で最初に考えるべきことは、人なので、それについて知ることができれば、きっと未来の自分に役立つだろうと人材業界に入りました。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1648_5e8d4122ce/1648_5e8d4122ce.jpg" alt="1648.jpg" width="11648" height="8736"><h1>どのような子ども時代を過ごされたのですか？</h1>自分ではそのつもりはないのですが、影響があるとしたら、幼少期から経営者になることを刷り込まれてきていたというのがあるかもしれません。実家が関西で70年続く中小企業を経営していたので、ニュースを見ていても、「お前はどう思う？どう捉えてどう行動する？報道や教科書に書いてあることが本当だとは限らない、物事の本質は人に教えてもらうものではなく、自分で考えて会得するものだ。」と教えられてきました。また親があまりゲームを買ってくれなかったので、子どもの時はひたすら山を駆け回っていました。中でも家の裏山で秘密基地を作る遊びでは番はまっていて、弓矢を作ったり、落とし穴を作ったり。弓矢に関しては素材だったり、形だったりでどれが一番飛ぶか組み合わせを科学することや、なぜトンボは同じ位置でホバリングできるのだろうとか疑問に思い、生物の図鑑を見ながら解剖して筋肉の構造を調べたりしていました。中学受験して中高一貫校に入りましたが、部活で挫折してからはネットの世界の住人たちの方が話があうとネットゲームに没頭するようになりました。特にシミュレーションゲームが好きでした。大航海時代の提督や戦国の武将になって、どうやって戦略を立ててエリアを集中に収め雇用を増やし、利益を増やすかという感じのゲームを1日12時間くらいしていて。朝までゲームをして、学校で寝るという毎日を繰り返していました。そんな日々が続いたある日、学校の先生に退学直近だと呼び出されました。そろそろゲームからは足を洗わないと現実社会に戻ってこれないと思って、色々な部活を見るなかで、剣道部に入りました。小さな部でしたが、尊敬できる先輩にも出会い、試合に勝つよりも先に部を立て直すことを任されて、剣道部のリブランディングをするような経験もしました。大学生の時には塾講師とアパレルでアルバイトしていたんですけど、経営者に恵まれずに両方潰れてしまって。家業も同様ですが、なぜ成功する会社がある一方で潰れる会社があるのか、どうすれば市場で勝てるのかを科学したいと思うようになって、現場で気づいた分析をノートに書き溜めていました。そういうのが今の仕事にも繋がっているのだと思います。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1628_516220ce5c/1628_516220ce5c.jpg" alt="1628.jpg" width="11648" height="8736"><h1>これまで澤村さんご自身のお話しを色々聞かせていただきましたが、澤村さんの思うMETRIKAの強みはなんでしょうか。</h1>METRIKAの強みは、全員が本質に対して素直に、正面から向き合っていることです。大きな組織に身を置いていると、本質に向き合うことがいかに難しいか私たちは知っています。ベンチャーの強みは、やはりスピードです。これが「正しい」と思ったことに対して、直線距離を最短で駆け抜けることこそが価値です。METRIKAのメンバーはそれぞれが大きく異なるキャリアやスキル、文化的な背景を持っていて、その多様性も強さだと思っています。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1654_afc713224d/1654_afc713224d.jpg" alt="1654.jpg" width="11648" height="8736"><h1>新規事業や経営戦略に携わるプロジェクトが多いと思いますが、意識していることは？</h1>いつも考えているのは、意思決定の一つひとつが、組織を取り巻く環境にどんな影響を与えるかということです。将軍や参謀が間違った戦略をとった場合、その被害は甚大です。どれだけ現場が頑張ったとしても、戦術で戦略のミスは取り返せません。自分が立案をする際には、デジタル、テクノロジー、ビジネスの３つの視点を切り替えて戦略を考えています。そのためには判断の中心として、何より顧客の現場をよく知ることが大事だと思っていて、フレームワークやケースにただ当てはめるのではなく、組織を構成する一人ひとりがどんな想いを持っているのか、その集合体である文化はどのような状態にあるのか、一緒に語りあうことが大事だと思います。日本の企業を強くするための戦略参謀の立ち位置を、もしMETRIKAが担えたらこれほど嬉しいことはありません。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1685_4b28154336/1685_4b28154336.jpg" alt="1685.jpg" width="11648" height="8736"><h1>仕事でのこだわりやマイルールはありますか？</h1>あんまりないと思っていましたが、自分が売るもの、提案することは自分が完璧に理解していないと嫌で、自分が使ってみないと気が済まないタイプだと最近気づきました。お客様と本心で語って、対話するのに、ドメインの知識はマストだと思っていて、我々はこの領域でトップクラスですと胸をはって言えるためにも自分たちの武器を磨き続けないといけないし、そのケイパビリティのある人たちがMETRIKAでも活躍いただけていると思います。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/1691_8f9031b720/1691_8f9031b720.jpg" alt="1691.jpg" width="11648" height="8736"><h1>これからやっていきたいことは？</h1>METRIKAの目標は21世紀を代表する企業になることです。いま自分は妻の仕事の都合でシンガポールに住んでいるのですが、国外に居住したことでより世界を舞台に戦いたいと思うようになりました。創業して3年目ですが、すでにドイツからのフルリモートメンバーがいたり、アメリカ進出も進めています。王道こそ正道だと信じているので、何かトリッキーなことをするというよりも真正面から戦いたいと思っています。そのためには何よりも一緒に働く人が重要ですから、一緒に仕事をしたいと思える、さまざまな分野でトップの人達を集めたアベンジャーズを作っています。 またどうすれば企業が成功し、どうすれば失敗するのかはライフワークとして興味があるので、最終的には渋沢栄一のように死ぬまでに100社創ってその真理を探っていくと言うのが個人としてやりたいことですね

「COO澤村が語る、企業の戦略参謀として価値発揮するということ」

【METRIKA talk：河内 聡一】 データドリブンな意思決定がなぜ必要か？世界で戦うために求められること。 M

データサイエンス・AIを武器にデータと戦略を紡ぐMETRIKAが、様々な領域で活躍する人々と対談する「 METRIKA&nbsp; talk」今回はMETRIKAの顧問に就任した河内聡一さんを交えて、これから日本企業がどうデータを扱っていくべきか、また今後の展望についてお伺いしました。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/DSCF_8117_c8f0d07ee0/DSCF_8117_c8f0d07ee0.jpg" alt="DSCF8117.jpg" width="2048" height="1536"><h1>市場調査から製品は生まれない。ユーザーの半歩先を読む感覚</h1>澤村：まずは河内さんのこれまでやってきたことからお伺いさせてください。ソニー株式会社（以下：ソニー）にいらっしゃった頃は、海外でのお仕事が多かったですか？河内：30歳からフランスのソニー現地法人で働いていました。出張で初めて訪れた時に、街や人々に興味を持ったんです。当時GDP世界4位の経済大国なのに、資本主義的な経済的利益だけでなく自国の歴史・文化を大切にしていて、人々が人生を楽しんでいるという雰囲気がすごく良いなと。そこで社内で手をあげて、その当時フランス語は話せなかったのにフランスに行くことになりました。やりたい人にやらせてみようという文化が根付いている会社でしたね。澤村：当時、ソニーの主力商品は？河内：テレビ、オーディオ、ビデオなど、主に家電ですね。でも私が赴任した1990年代は、ヨーロッパ全体の景気がとても悪く、渡仏したら製品在庫が山のように積み上がっていて、どうしようと思っていました（笑）。澤村：激動の時代ですよね。河内さんはどのような役割を担っていたのですか？河内：商品の発注からディーラーとの商談まで。一番下っ端なのに担当カテゴリー全ての責任を背負っている状態でした。350人いる会社のなかで、日本人が6人しかいなかったんです。澤村：日系企業でその比率は珍しいですよね。河内：でもそれが成功の秘訣だったのかもしれません。現地の優秀な人材を登用して、どんどんローカライズしていくことを当時からやっていました。澤村：その後のキャリアは？河内：6年間悪戦苦闘してフランスの業績がようやく上向いてきた後、アメリカでマーケティング責任者として働いていました。その後帰国したあとは、エリクソンとの携帯電話事業の合弁会社にて商品企画部長を務めることになったんです。当時の大きな仕事は、カメラ搭載携帯の文化をつくり製品を進化させることでした。小林：その頃はまだ、カメラの付いた携帯があまりなかったんですよね？河内：画素数がデジカメレベルのメガピクセルのものはなかったですね。でも当時の携帯のカメラの画質じゃ満足できなくなる人たちが、値段も質も高いものを求めていくだろうと考えていました。なので出来上がった製品は、”カメラに携帯がついている”という売り出し方をしていました。カメラ業界からはものすごく非難されたんですけどね（笑）。澤村：確実に今に繋がっていますよね。ソニーでは、どうやって次の市場を読んでいったんでしょうか？河内：マーケティングリサーチから新しい製品が生まれることはないと思っていました。商品企画として次に何が求められるのかを読む感覚と市場を創造する仕掛けが大事ですね。ウォークマンにしても、発売当時は外で移動しながら音楽を聞く人なんかいませんでしたから。澤村：ユーザーの一歩先を行っていますよね。河内：もしかすると、”半歩先”が正しいかもしれません。一歩先だとユーザーがついてこれなくなるので。「ちょっとそれ欲しいかも」くらいの感覚が目の付け所です。それでいうとメガピクセル搭載の携帯も、”写メ”で満足できない人たちに向けたものでした。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/DSCF_8170_dd18c431be/DSCF_8170_dd18c431be.jpg" alt="DSCF8170.jpg" width="2048" height="1536"><h1>会社には背伸びしたくなるような環境があるべき</h1>澤村：河内さんはその後、FeliCa Networksの初代社長に就任されていますよね？？河内：はい、NTTドコモさんとの合弁会社ですね。ソニーの天才エンジニアが開発したFeliCa技術を、iモード携帯に組み込んでエコシステムを構築してみようという話から始まった会社でした。澤村：「おサイフケータイ」の始まりですよね。今でこそケータイで決済ができるのは当たり前のことになりましたが、当時は革命的でした。小林：今や我々の生活に欠かせないSuicaも、ここが始まりですもんね。しかし個人的に、FeliCaはもっとグローバルへ進出してほしいと思っています。河内：まさしく、グローバル展開を目指してましたが、国際標準化の障壁などもあり、実現には至りませんでした。他にもチケットを一括で管理できるようにしたり、キャッシュカードを搭載したりと、色々やりたいことはあったんです。小林：まだまだ可能性がたくさんありますね。河内：FeliCa技術が素晴らしいのは、導入後20年以上経ってこれまでセキュリティ事故がないことです。澤村：その後Googleへ転職されたきっかけもお伺いしたいです。河内：知人から「これからのGoogleは河内さんみたいな人が必要なんです。」と言われ社員の方を紹介され、お会いしたところ、昔のソニーみたいな雰囲気だなと思いました。全員が背伸びしながら仕事をしている感じ。そうすると会社も個人も成長できるんですよね。会社のVisionに共感し導かれるように実力以上の役割を果たし、生き生きと働いている姿がとても魅力的に見えて、転職を決めました。小林：背伸びをする環境は、METRIKAでも大事にしていきたいと思っています。河内：そうですよね。人間って基本的に怠け者じゃないですか。だからこそ背伸びしたくなるような環境が必要だと思っています。私がフランスに行ったことも、そう思わせてくれるソニーの環境があったからこそ。アメリカ赴任やFeliCa Networksの社長就任は自分の決断ではありませんが、振り返って見ると当時の上司がそういう環境を与えてくれたことに感謝しています。しょうがないな、と思いつつもやってみるとまた自分が成長していることに気がつくんですよね。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/DSCF_8216_1b971c75d3/DSCF_8216_1b971c75d3.jpg" alt="DSCF8216.jpg" width="2048" height="1536"><h1>データを基盤に、日本から世界へ</h1>澤村：河内さんがこれからやっていきたいことは何ですか？河内：ソニーの海外拠点で働いているとき、日の丸を背負っている気持ちがありました。日本企業が現地のユーザーを魅了する製品を出しビジネスを拡大し続けることが、結果として日本の国力に貢献していると感じていたんです。これからはその日の丸を背負っていく人たちをお手伝いしたいですね。僕があのとき感じた高揚感を味わってもらいたいなとも思います。澤村：その思考に辿り着いたきっかけがあったのでしょうか？河内：フランス赴任の大先輩であり、ソニーの社長、会長兼CEOだった出井さんの存在が大きいです。退任後もご自身で起業し、亡くなるまで数多くの様々なベンチャー企業への投資や支援をされていました。大企業のCEOまで務めて、悠々自適のリタイア生活でお好きなゴルフを楽しまれてもいいのにですよ（笑）。その姿を見ていて、自分もできる範囲で何か貢献したいなと考えたんです。そんな時METRIKAからお話しをいただいて、ご縁かなとも思いました。澤村：素敵です。では最後に、これからMETRIKAと一緒にやっていきたいことを教えてください。河内：日本企業のDXサポートは、期待している事の一つです。海外に進出しても成功できていないひとつの要因は、経営に関するグローバルな視点が欠けているからだと思うんですよね。特にデータを基盤とした会話ができていないと感じています。小林：先程「マーケティングリサーチを商品開発に活用しない」と仰っていたことと、少し矛盾しているのが興味深い部分ですよね。河内：そうですね。データは過去のことなので、そこから何をやるか決めるのが人間の仕事ですよね。過去をデータで客観視し分析し、その結果に基づいて戦略や施策を決めるという、データドリブンな経営が充分にできていない企業が多いと感じます。小林：お話しを聞いていて、「大学で本を読む」とはどういうことかを思い出しました。「ただ内容を理解するのは”見ている”だけで、読むのは本を閉じてから」と教わったことがあります。思い出して再現し、ロジックの流れを理解することが”本を読む”ことだと。データも、見るだけではなく使いこなすことが必要ですね。河内：それに、その結果失敗しても良いと思っています。データから作り出した仮説がそのまま当たることの方が珍しいので。仮説が無いまま進んでいる状態が、危ないと思っています。小林：なおかつ、データを元にしない議論は、立場での議論になりがちですよね。立場が低い人の意見が尊重されなくなってしまうと思います。河内：まさしく。METRIKAは、大手のAI・データコンサル会社ができないことをやるべきだと考えています。企業に寄り添いながら綿密なデータ分析から緻密な戦略構築・施策実行まで伴走できることは、今の日本社会に必要なサポートだと思いますね。そういう基盤を持って海外に出ていくことを我々が後押しできるのであれば、ぜひお手伝いしたいなと思っています。またCEOの小林さんとCOOの澤村さんの関係が、ソニーの創業者である技術の井深さん、営業の盛田さんの両輪経営の関係に似ていて、とても可能性を感じています。

【METRIKA talk：河内 聡一】 データドリブンな意思決定がなぜ必要か？世界で戦うために求められること。 METRIKA 顧問 河内聡一が見据える、日本の未来。

【創業者インタビュー】METRIKAを通じて実現したいこ

データ分析やAIを用いて、企業のやりたいことを実現していくMETRIKA。今回はCEOでありデータ分析を専門とする小林と、COOとして現場に落とし込むことを得意とする澤村が、METRIKA創業のきっかけや現在の仕事に対する想い、これからの展望を語ります。<h1>「この人と一緒にやりたい」からはじまった</h1>小林：METRIKAは「グレーな課題を、シロクロに。」というビジョンを掲げ（2022年1月末時点）、データ解析やAI活用を中心に、 企業の課題解決をお手伝いする会社です。最大の特徴は、データ分析だけではなく、事業への落とし込みやシステム開発までを一貫してお手伝いすることです。多くのデータ分析のプロジェクトでは、問題解決の具体施策までを期待しているのに対して、多くのデータサイエンスの会社はデータ分析にしか意識がないことが多くもどかしかったです。この問題を解決するために立ち上げたのがMETRIKAです。僕はずっとデータ分析を専門に行っていたのですが、ビジネスの立ち上げに強い澤村と一緒にチームを作ってやっていきたいと思ったのが創業のきっかけでした。澤村：小林とは前職時代に出会い、仲良くなりました。そしたらある日突然「自分で会社を立ち上げようと思っている。澤村さんの名前をCOOの欄に書いておきました」と言われて。多少強引でしたが（笑）、そこからMETRIKAがはじまりました。小林：もちろんやりたいことがあったから起業しようと思ったのですが、それ以上に、一緒にやってみたいと思える人がいたことが本当のスタートだったのかもしれません。僕らのやりたいことの先で、企業のやりたいことが実現し、結果として社会が前進していくと良いなと考えています。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/BLOG_001_1_9eb3aaa6cc/BLOG_001_1_9eb3aaa6cc.jpg" alt="BLOG-001-1.jpg" width="5823" height="3882"><h1>企業のデータを可視化し、人間の判断をサポートする</h1>澤村：METRIKAの目指す部分は、企業にあるデータを統合し、人間の意思決定をサポートする土壌を作ることです。日系企業では今だに、KKD（経験、勘、度胸）で事業が回されている部分が多いんですよ。でもデータがあれば、AとBどちらの道に行くか迷っているときに「データからみると、Aに行った方がいい」と、最適な意思決定に必要な情報を補完できます。小林：「最適」な意思決定には答えが１つしかないように聞こえますが、もちろん問題や部署によって「最適」は異なります。個別の最適解を得ることはできるかもしれませんが、それが何十、何百ある大きな企業だと、全てを考慮した最適化問題は複雑で解を得ることはおろか問題を設定することすら難しいです。それでもデータを使うと、今より良い方向が見えてきて、全体として「最適」な意思決定が得られると信じています。澤村：一方で「データはAって言っているけど、Bに行く」という人間ならではの判断も間違いじゃないと思うんです。自分たちの決断を信じて進むなら、それが一番正しいことだと考えているので。データやAIの良いところと、人間の思い切りの良さをどちらも尊重することで、強い意思決定ができると思います。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/BLOG_001_2_a18705336f/BLOG_001_2_a18705336f.jpg" alt="BLOG-001-2.jpg" width="5821" height="3881"><h1>異なる領域にいた二人が、違う考え方で同じ結論に辿り着く理由</h1>澤村：現在（2022年1月末時点）の役割分担に関しては、データ分析が小林、事業開発は僕が担当しています。小林：と言っても、実は役割がきっぱりと別れているわけではないんです。最初に比べれば澤村のデータリテラシーも上がってきているし、僕も現場について勉強しています。お互いのやっていることが流動的に繋がっていることは、METRIKAとして結果を出せているひとつの要因だと思っています。僕ら二人が違うとすれば、データの見方は少し違うかもしれませんね。澤村は前職で現場をずっと経験しているので、データ分析を専門にやってきた僕には気づかないことが見えていたりします。データをどうやって事業に落とし込むのかを、僕が意識している以上に教えてくれるんです。澤村：もっと言うと、データの背景がすごく気になってしまって、数字が数字に見えないんです。たとえば、営業の部署から得たデータがあるとすれば、それは営業の方々が頑張って作り上げたものですよね。そのデータを作り上げた方々が喜んでくれるような結果を、提供したいと思っています。小林：でも実は、二人で違う見方を持っていても、意見が割れることはほとんどありません。なぜならばデータで可視化されることは、何かまったく新しいことではなく、日々の行動の積み重ねから生まれるからです。それって、現場でわかることとデータから読み取れる情報は同じなんですよね。澤村：確かに意見は割れないですね。そこでおもしろいのは、同じ結論へと至るまでに、それぞれが違う登り方をしていることです。僕は現場を経験してきているので、考え方がどうしても現場や事業者側に寄っていきます。一方で小林は、そのときの状況や社会のトレンドのなかにその企業が存在するのであれば、こちらに行くべきだろうという考え方です。<h1>明確なデータとフラットな視点から、業界の固定概念を変えていく</h1>澤村：現在のクライアントさんは、製造業さんや、テレビ局さん、あとは大手の印刷会社さんや通信会社さんなど。ばらばらすぎて、どう説明したらいいのかわかりません（笑）。ひとつの領域に特化しているデータサイエンスの企業もありますが、METRIKAではあえて領域を絞らずに、さまざまな業界とお仕事をさせていただいています。僕たちのやりたいことである「企業内のデータを統合し、最適な意思決定を見えるようにする」ことは、何かの領域に特化したことではないからです。小林：もちろん１つの業界に特化していないため毎回わからないことばかりです。でもそのときは自分で勉強したり、クライアントさんに教えてもらいながら、一緒に作り上げていきます。僕や一部の研究者にとってはデータ分析事態が目的になることもありますが、多くの場合はデータ分析はビジネスをより良くするための手段に過ぎません。クライアントさんがこれまで築きあげてきた事業に寄り添うなかで、外部の人間として「こういう風にも考えられませんか？」と提案していけると思っています。澤村：固定概念がないからこそ、本質に迫れることがあります。ずっとその業界で働いていると「こうあるべきだ」と決めつけてしまうことが結構あると思うんですよ。でもフラットな視点からデータを見ていると「こっちのほうがシンプルかも、効果がでるかも」と新しく発見できることがよくあります。もちろん変化を起こしていくことが難しいのは重々承知ですが、クライアントさんも僕らが言うことに共感してくれることが多いです。お互いに信頼を保ちながら問題に向き合っていくので、安心感を持っていただくことができると思います。<img src="https://storage.googleapis.com/metrika_backend/uploads/BLOG_001_3_cc8147809d/BLOG_001_3_cc8147809d.jpg" alt="BLOG-001-3.jpg" width="5758" height="3839"><h1>信頼がなによりも大事。クライアントの横に座りながら、一緒に問題解決を。</h1>小林：クライアントさんとプロジェクトを進めていくとき、僕はデータ以上に信頼が大事だと思っています。というよりデータも、基本的に信頼がないと使わないんです。それはデータそのものへの信頼かもしれないし、データを作った人への信頼かもしれない。なのでクライアントさんと「一緒に」ということは、常に意識しています。澤村：小林の言うとおりで、特に現場に信頼されないパートナーにはなりたくないと思っています。経営層とだけ話して上から現場に指示を伝えていくのではなく、クライアントさんの横に座って一緒に並走していける会社を目指したいと思っています。小林：最終的に、自分が楽しくやっていることが社会をよくすることに繋がっていけばいいと思っています。クライアントさんが良くなると僕も嬉しいですし、それは小さな改善かもしれませんが、その積み重ねで日本をよくすることに貢献できると考えています。

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